2008/06/09（月） 22:51

2008/06/09（月） 18:53 ECBの対応について批判する点はない。
ECBの独立性は欠かすことはできない。

　［フランクフルト　９日　ロイター］　欧州中央銀行（ＥＣＢ）のトゥンペルグゲレル専務理事は９日、金融市場の混乱により、流動性の円滑な供給が、当然あるというものではないことが示されたと述べた。

　［フランクフルト　６日　ロイター］　欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのウェーバー・ドイツ連銀総裁は６日、金融市場は、７月利上げの可能性に関するＥＣＢのメッセージを明確に理解している、との見方を示した。

6日のNY為替市場はドル売り、円買いの動きが強まった。
きょう発表になった5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数 （NFP）は予想ほど悪化しなかったものの、失業率が5.5％と前月 （5.0）から0.5％急上昇した。
0.5％の上昇は22年ぶりのこと。
予想以上の悪化に市場では不透明感を強め、ドル売りが優勢と なった。
さらに、市場のセンチメントを悪化させたのが原油の暴騰。
一時 139ドルまで上昇、値上がり率は8％超となった。
失業率悪化に加 え、モルガン・スタンレーがレポートで、7月4日までに原油価格が 150ドルまで上昇する可能性を述べたことや、イスラエル運輸相 がイラン核施設への攻撃は不可避のようだと発言したことも、 原油買いを強めている。
この動きに株式市場でダウ平均は300ドルを超える急落、リスク 回避の動きが強まり、円買いの動きも見られた。
◆ドル円はサポートラインまで下落、 リスク回避の動きからドル売り・円買いの動きが強まり、ドル円 は106円台から急速に下落、一時105を割り込む場面も見られた。
雇用統計は弱い結果となったが、FRBが再び利下げモードに 入るとは考えにくく、ブラード・セントルイス連銀総裁も講演で、 更に利下げをする正当な理由はないと利下げには否定的な 発言をしていた。
一部で高まっていた利上げ期待については、 やや後退させた感もあるが、米FF金利先物市場では、まだ12 月のFOMCでの利上げの確率が据え置きより高い。
きょうの 原油暴騰を見ても、これ以上の利下げは難しいだろう。
目先のサポートラインとしては105.00水準。
10日移動平均、フィ ボナッチ38.2％戻し（5/22-6/5上昇波）、そして一目均衡表の 転換線などが近くに集まっている。
ドル円は下落はしたものの、きょうはサポートラインまで下落、 維持できるか注目される。
◆ユーロ買い強まる　来月の利上げほぼ確実な情勢か ユーロドルは急上昇した。
きのうのトリシェECB総裁の理事会後 の会見での来月の利上げの可能性を排除しないとの発言に、 利上げ観測が急速に市場に高まり、ユーロは買い戻しの気運が 高まっていた。
きょうは米失業率が大幅に悪化を見せたが、ユー ロ買い戻しには好都合な材料となったようだ。
米失業率悪化は ドル売り以上にユーロ買いを誘発した印象も。
原油も急騰する中、ユーロドルは堅調に推移、1.5760近辺まで 上昇、きょうの高値圏での推移が続いた。
きょうの上昇で、デット クロスを示現しそうだった10日、21日移動平均線を完全に上回り リバウンドのシグナルが形成されている。
目先のレジスタンスは 5月27日の高値水準の1.5810/20。
また、ECB関連ではビニ・スマギECB専務理事やウェーバー独 連銀総裁の発言が伝わり、市場はきのうのECBのメッセージを 良く理解していると発言、政策変更について、ECB理事のコン センサスも十分とれているとしている。
これらの発言からすると、 来月の利上げは、ほぼ確実な情勢か。
◆カナダ、来週の利下げ観測は強いが、その先は据え置きも カナダはNY時間に入って買いが優勢となった。
原油が急騰した ことで、カナダは買い戻され、ドルカナダはロンドン時間の1.02台 から1.0165近辺まで一時下落している。
ただ、きょう発表になった カナダの雇用統計は、雇用増加数が予想を下回るなど透明感も 強かった。
来週10日にカナダ中銀の政策金利の発表があるが、利下げが 確実視されている。
ただ、ロイター通信の調査によると、プライマ リーディーラー12社のうち、来週の利下げは全社が見込んでいる ものの、それ以降、7月、9月は据え置きを見込んでいる向きが多 いようだ。
声明が注目される。

2008/06/07（土） 00:21 ＊ビニ・スマギECB専務理事 来月の政策変更に向けて、理事は十分コンセンサスが出来 ている。

原油や小麦といった資源・食料価格の上昇を背景とした物価上昇（インフレ）きっかけに、世界各国は利上げの姿勢を強めています。
欧州中央銀行（ＥＣＢ）のトリシェ総裁は、６月５日の定例理事会後の記者会見で、「次回会合で小幅な利上げをする可能性を排除しない」と述べました。
ＥＣＢは、１年もの間、政策金利を４％に据え置いてきましたが、消費者物価の伸びが、３％を超える状況が続いていることから、利上げの姿勢を強めています。

　［フランクフルト　５日　ロイター］　欧州中央銀行（ＥＣＢ）は５日、早ければ来月にも政策金利を引き上げる姿勢を示し、金融市場関係者とアナリストを一様に驚かせた。ＥＣＢは現在、言行一致を迫る強い圧力にさらされている。

5日のNY為替市場はユーロ買いが強まった。
きょうのECB理事 会では金利は据え置きとなったものの、その後のトリシェECB総 裁が会見で、7月の利上げの可能性を排除しないと、利上げの 可能性を示唆したことから、ユーロは一斉に買いが強まった。
ECBが利上げの可能性まではっきりと述べたことは、かなり 意外感の強い内容であった。
また、ECBスタッフ見通しも改定さ れ、08年の消費者物価（HICP）の予測を3.2-3.6％（前回2.6-3.2 ％）に大幅に上方修正し、ECBの利上げ期待を一層強めた。
ユーロ買いとともに、ドル売りも優勢になった格好。
一方、円相場は比較的しっかりとした動きで、ドル円、クロス円 ともに底堅い動きとなった。
小売大手の5月既存店売上高が予 想を上回り、また新規失業保険申請件数も予想以上の良好な 内容となったことで、米景気の先行きに対する楽観的なムード も漂っていた。
そのことが強く感じられたのが、S&PがMBIA、ア ムバックのモノライン大手2社の格下げを発表し、その後の市場 の動き。
発表直後はムードが急速に悪化したものの、ネガティ ブな反応は一時的なものに留まり、モノライン両社の株価も下げ を戻し、逆に反動で大幅な上げに転じるなど、このところ強まっ ていた金融機関の信用問題も不安感が一服してきているのかも しれない。
このような中、リスク許容度の上昇から、為替市場では円売りが 見られた。
◆ドル円、106円台回復も伸び悩み、ただ下値もしっかり 米新規失業保険申請件数が良好な内容だったことや、米小売 大手の既存店売上高が強い内容だったこと、そして通信会社の 買収成立など、米リセッション観測を弱めるようなポジティブな 雰囲気が市場に広がり、ドル円はNY時間の朝方に106.40近辺 まで上昇した。
しかし、トリシェECB総裁の予想以上にタカ派な理事会後の会見 で、ユーロ売り・ドル買いの動きが強まり、ドル円も上値が重くな ったが、株価が堅調だったことから下値も堅かった。
午後になって、大手モノラインの格下げが発表になり、105.60近 辺のサポートラインまで急速に下げていったが、株価が盛り返し たことで、106.00近辺まで戻している。
ようやく、106円台に乗せ、当面の目標である108円台の可能性 も高まってきているが、ユーロが上昇しており、原油の動きも絡 めて、動きはまた複雑になりそうか。
◆雇用統計　強い内容に反応しやすい地合いか 6日は米雇用統計が発表される。
注目の非農業部門雇用者数 は6万人減が予想されており、予想通りならば、5ヵ月連続での 雇用減少となる。
その場合、景気の悪化を反映した内容では あるが、バーナンキ議長を始めとしたFOMCボードメンバーの、 最近の発言から、利下げ期待は完全に後退しており、ネガティ ブな内容でも、反応は一時的なものになる可能性も見たいとこ ろ。
逆にポジティブサプライズならば、利上げ期待が高まり、大 きく反応する可能性もある。
よほど予想外の数値でもない限り、 市場は強い内容に反応しやすい地合いになっている印象だ。
あと前月の修正には注意したいところ。
◆ユーロ　バーナンキ発言後の下げ戻す展開　10日線に到達 トリシェECB総裁が会見で、7月の利上げの可能性を排除しな いと、利上げの可能性を示唆したことから、ユーロは一斉に 買いが強まった。
これまでの発言からインフレ警戒を強く滲ま せてくることはあらかじめ予想されてはいたが、来月の利上げ の可能性まで示唆するなど、予想以上のタカ派となった。
ユーロドルは10日移動平均の1.5590近辺に一気に到達した。
3日のバーナンキFRB議長のドル安否定発言で、ユーロドルは 1.56台から本日の安値1.5360近辺まで、約48時間で250ポイン トほど下落していたが、その下げを取り戻す動きとなった。
ドルも買戻しが強まっている中、目先は10日移動平均の上を 完全回復できるかどうか注目される。

　［フランクフルト　５日　ロイター］　欧州中央銀行（ＥＣＢ）は５日の理事会で、予想どおり政策金利を据え置いた。トリシェ総裁は、インフレ圧力が強まっていることから早ければ７月にも利上げする可能性を示した。