東京株式市場で日経平均は５日続落。新型コロナウイルスによる肺炎の世界的な拡大懸念が一段と広がり、朝方から幅広い銘柄で売りが先行した。世界的な株安が嫌気されたほか、為替のドル／円も１０９円を割り込み、日経平均は急落。一時２万１０００円割れとなり、２０１９年９月５日以来の安値水準を付けた。東証１部の売買代金は４兆円１２８８億円まで膨れ上がり、２０１８年５月以来の水準となった。

日銀は２８日、３月５日に予定していた鈴木人司審議委員の福島出張を延期すると発表した。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、感染拡大を防止するためとしている。

新型コロナウィルスの影響で休止していた中国の工場が徐々に稼働を再開しつつあるが、電子部品業界を中心にサプライチェーンの混乱が続いている。企業が代替生産への切り替えや取引先との調整に奔走するなか、感染は世界各国に広がっており、新たな供給網破断や需要減少への警戒感も浮上。日本経済の先行きへの不安はぬぐえず、視界ゼロの状況が生まれている。

三菱ＵＦＪモルガン・スタンレー証５３６７億円、ＳＭＢＣ日興証２３６４億円、大和証５７７億円、みずほ証３５０億円、野村証３４８億円、シティグループ証２００億円、バンクオブアメリカ・メリルリンチ２００億円、クレディ・アグリコル証１６３億円、ソシエテ・ジェネラル証７８億円、東海東京証５２億円、岡三証３７億円──など。

２８日の東京株式市場で、日経平均株価は一時２万１０００円を割り込み、２０１９年９月５日以来の安値水準となった。

在中米商工会議所は２７日、中国で事業展開する米企業の新型コロナウイルスの影響に関する調査を公表した。それによると、３分の１近くの企業で売上高が落ち込んでいることが明らかになった。

正午のドルは前日ＮＹ市場終盤の水準から円高の１０９円前半。アジア株が総崩れとなる中で円が軒並み高となり、ドルは一時１０９．１８円まで下落。２月４日以来３週間半ぶり安値を更新した。

オリエンタルランド は２８日、東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーを２９日から３月１５日まで臨時休園すると発表した。

経済産業省が２８日発表した１月鉱工業生産指数速報は前月比0.8％上昇と２カ月連続のプラスとなった。自動車などの増産が主な要因。ロイターの事前予測調査では同0.2％上昇と予想されており、これを上回った。

新型コロナウイルスは米国内ではまだたいした広がりを見せていない。だが新型ウイルスを巡る懸念だけで、米国株の時価総額は既に約２兆ドル減少、さらなるパニック売りも誘いかねない。こうしたことが米消費者の支出を阻害する恐れがある。新型ウイルスの他の経済的影響はまだこれからだというのに─。