国際通貨基金（ＩＭＦ）は１４日、新型コロナウイルスの流行によって世界的な金融システムの「亀裂」が露呈し、銀行は貸し倒れによる損失と市場での損失の双方を被る可能性があると警告した。

欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのバシリアウスカス・リトアニア中銀総裁は１４日、ユーロ加盟国は新型コロナウイルス対策の財源確保に向けた共通債券「コロナ債」を発行する時期に来ていると述べた。

麻生太郎財務相は１４日、主要７カ国（Ｇ７）財務相・中央銀行総裁ビデオ会議後に記者会見し、保健システムが脆弱な発展途上国で新型コロナウイルス感染症がさらに拡大すると「世界的な感染拡大に拍車がかかり、世界経済の回復にとっても大きなリスクになる」と指摘。発展途上国を資金面・能力面から支援していくことが重要との意見で一致したと述べた。黒田日銀総裁は、感染症の影響を十分注視しつつ、「必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と会合で説明したことを明らかにした。

米ＪＰモルガン・チェースが１４日発表した第１・四半期決算は、利益が前年同期比で約６９％減少した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で今後貸し倒れが増える可能性に備え、約７０億ドルの引当金を確保した。

英予算責任局（ＯＢＲ）は新型コロナウイルス感染拡大抑制策により、英経済は４─６月は３５％のマイナスに陥り、失業率は１０％に上昇するとの試算を示した。

フランスのルメール経済・財務相は、新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウン（都市封鎖）措置を５月１１日まで延長したマクロン大統領の発表を踏まえ、今年の同国経済成長率がマイナス８％になるとの予測を示した。先週の段階では見通しをマイナス６％としていた。

欧州連合（ＥＵ）は、加盟国が保証した債券によって最大１兆５０００億ユーロ（１兆６４００億ドル）相当の回復基金に資金を拠出する可能性がある。欧州委員会のドムブロフスキス副委員長が独ハンデルスブラット紙に明らかにした。

日銀は１４日の東京株式市場で通常のＥＴＦ（上場投資信託）とＪ−ＲＥＩＴの買い入れを行わなかった。

フランスの自動車大手ルノーは１４日、中国の東風汽車集団との合弁事業を解消すると発表した。販売低迷で採算が取れないため。

衆院は１４日午後の本会議で、日銀審議委員に日立製作所元副社長で同社取締役の中村豊明氏を充てるなど、国会同意人事案を与党などの賛成多数で可決した。中村氏は６月３０日に任期満了となる布野幸利審議委員（トヨタ自動車出身）の後任。