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ニュース見出し
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2008-6-30 0:56
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崖っぷちのリーマン会長(FINANCIAL TIMES)
リーマン・ブラザーズのCEO(最高経営責任者)兼会長のリチャード・ファルド氏は昨夏、ある取材で「信用収縮はリーマンにも深刻な影響を及ぼすか」と尋ねられた。当時の同行はウォール街の他の投資銀行とは異なり、痛手を免れたかのように見えたからだ。
堂々たる体躯の62歳になるファルド氏は、旺盛な食欲とリーマンへのいかなる批判にも徹底抗戦することで知られる。同氏はいすに反り返り、質問者をにらみつけながらこう答えた。
「帳簿にやっかいな資産があるかって? それはあるさ」。念頭にあったのは商業用不動産や住宅向けの融資だ。「私が気を揉んでいるか? 答えはノーだ。不良資産の評価替えで損失が出るか? 出る。
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2008-6-27 0:27
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「ブラック フリースで新境地を切り開く」老舗ブルックス ブラザーズの哲学(下)(茂木崇の「タイムズスクエアに魅せられて」)
(前回記事「価値を認める顧客とのみ取引する」から読む)
老舗ブルックス ブラザーズが長きにわたって商売を続けることができる理由について、今回はその歴史をひもときながら考えてみよう。
ブルックス ブラザーズの創業は1818年。食料品雑貨店業のヘンリー・サンズ・ブルックスが、H. & D. H. Brooks & Co.として設立し、サウスストリート・シーポートの近くに1号店を構えた。その後、1850年にはヘンリーの息子たち4人が家業を継ぎブルックス ブラザーズに社名を変更した。
19世紀後半には、リボンで吊るされた子羊、すなわちゴールデンフリースのロゴが導入された。この子羊はブルゴーニュ地方に繁栄をもたらした毛織物を表すシンボルである。
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2008-6-27 0:27
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第11回 結婚も離婚も稲妻のように〜一人っ子政策が生み出した「閃婚族」と「閃離族」(中国“A女”の悲劇)
いま中国には「閃婚族」とか「閃離族」という言葉がある。
「閃光のごとく、すぐに結婚し」、「閃光のごとく、すぐに離婚する」という一群のことを指す。両方を含めて「閃光族」と総称するが、その中には「閃孕族」というものもある。
「孕」はもちろん懐妊のことで、日本語では「はらむ」と読むから、これに関しては説明はいらないだろう。そこでここではまず、「閃婚族」と「閃離族」に絞って話をしよう。
拙著『中国動漫新人類』でも何度も出てきたように、1980年以降に生まれた若者たちを「80后(バーリン・ホウ)」(后は後)と称するが、閃光現象は、ともに、この80后に顕著に現われる現象だ。
一見、<A女>とは反対の方向にある現象に思われるだろうが、<A女>現象を知った20代初期の女性たちが、「ああは、なりたくない」という心理から、サッサと結婚し、閃光族になるという要素が強いので、まんざら無関係ではない。
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2008-6-27 0:27
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「退職後の特権があるからこそ、役人の汚職は少なくすんでいる」(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
筆者は2006年4月28日付の本リポート「役人天国・中国 公費浪費の凄さ」で、中国における凄まじい公費の浪費ぶりについて論じたが、その概要は以下の通りであった。
(1) 役人の公用車および公費飲食の年間総額は6000億元(約8兆7000億円)に上るし、海外出張に関わる公費支出も年間3000億元(約4兆4000億円)以上で、少なくとも9000億元(約13兆1000億円)以上の公費が役人たちにより浪費されている勘定になる。
(2) 中国の2005年の全国財政収入は3兆1628億元(約46兆3880億円)であり、浪費されている公費9000億元はその約28.5%に相当する。各種の情報を総合すると、公用車の年間支出3000億元は中国の軍事支出をはるかに上回り、全国の教育経費と医療経費の合計を上回っているし、公費飲食は全国で1年間に2000億元(約2兆9000億円)以上が支出されている。
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2008-6-26 0:51
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ブラックホールに飲み込まれる消費税(山崎養世の「東奔西走」)
福田康夫首相が取り上げたように、いよいよ消費税の増税に向けた議論が始まりました。
確かに、消費税増税は避けては通れない道なのかもしれません。団塊の世代の引退が進めば、人数が少ない現役世代からの税金や保険料では、年金や健康保険を支えていくのは難しくなります。引退した世代に比べて、40代以下の現役世代は、生涯の社会保障の収支が大幅に悪化します。
すべての世代の消費に課税する消費税は、少子高齢化で急減していく社会保障の財源を確保するためには、合理的と考えられます。それに、50歳以上の世代が日本の個人金融資産の8割は持つと言われます。お金を持つ人はそれだけ消費するでしょうから、消費税の増税は世代間の負担を均等にする効果もあるでしょう。
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2008-6-25 1:40
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課税強化で抑制の動き(FINANCIAL TIMES)
昨年、独ポルシェCEO(最高経営責任者)のヴェンデリン・ヴィーデキング氏が推定6700万ユーロの報酬を得て、報酬額で欧州トップの経営者になると、ドイツのあるライバルメーカーCEOは呆れた様子でこう切り捨てた。
「誰でもそれなりの報酬を得る権利はある。だが、6700万ユーロは法外だ。あらゆる社会平等の原則に反している。一般社員とこれだけ開きのある高額報酬をどう正当化できるのか」
欧州企業の経営者が他社トップの所得を批判するとは、資本主義がどこか狂ってしまったのだろうか。ここ数カ月、欧州各国の政治家が世論を煽っていることもあり、経営者報酬への批判が急激に高まっている。
ホルスト・ケーラー独大統領は先日、国際金融市場のことを檻に戻されるべき“怪物”と評し、一部金融機関の経営者の尋常でない高額所得を批判した。
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2008-6-24 1:13
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台頭する低価格パソコン(BusinessWeek)
世界のコンピューターメーカーが数年来、より高速・高機能なノートパソコンの開発競争に明け暮れる中、台湾の華碩電脳(アスーステック・コンピューター)の経営陣は別のアプローチを試みた。「シンプルなパソコンを求める消費者は少なくないはず」と考えたのだ。
読みは的中した。同社が昨年10月に発売した300ドルの格安ノートパソコン「Eee PC(イーピーシー)」は、世界中で爆発的なヒット商品となっている。今年の販売台数は500万台に達する見込みだ。「我々はノートパソコンの概念を変えた」とCEO(最高経営責任者)のジェリー・シェン氏は話す。
華碩電脳に対する市場の認識も様変わりした。台北に本社を置く同社は長年、欧米のコンピューターメーカーに部品を納める典型的な裏方企業だった。
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2008-6-23 0:21
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英BPのロシア合弁が大揺れ(FINANCIAL TIMES)
原油高を謳歌しているはずの英BPが窮地に立たされている。
成長のカギを握るロシア合弁会社が現地資本と激しく対立。
一連の騒動は、まだまだ危ういロシアの投資環境を浮き彫りにしている。
英石油大手BPのロシア合弁会社、TNK-BPのモスクワ本社で、外国人幹部らが崖っぷちに追い詰められている。最近では、盗聴を恐れて誰も携帯電話を使わない。経営上層部は自分のオフィスでさえ微妙な話はしないようにしている。重要なキーワードは口にせず、紙やホワイトボードに書く。
TNK-BPは2003年にBPがロシア人富豪グループと折半出資で設立した会社だ。今、同社の経営権を巡る争いが激化、重大な局面を迎えようとしている。
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2008-6-20 0:44
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「価値を認める顧客とのみ取引する」老舗ブルックス ブラザーズの哲学(上)(茂木崇の「タイムズスクエアに魅せられて」)
創業1818年。したがって10年後の2018年に創業200周年を迎える老舗ブルックス ブラザーズは、なぜこれほど長きにわたって商売を続けることができるのだろうか。
私はニューヨーク本店8階にある同社オフィスを訪ね、戦略開発及び国際ビジネス担当プレジデントのエラルド・ポレットに、ブルックス ブラザーズの哲学について話を聞いた。
今回はこの取材に加えて、Brooks Brothers Centenary 1818-1918(1918年刊)、ジョン・ウィリアム・クック著Brooks Brothers-Generations of Style: It's All About the Clothing(2003年刊)、落合正勝著『男の服 こだわりの流儀』(世界文化社、2000年刊)所収の「B・ブラザーズの思想」ほか各種の資料を用いて、ブルックス ブラザーズの魅力について考えてみたい。
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2008-6-20 0:44
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第10回 さあさあ、誰が私を娶ってくれるの?!〜五輪の年に「愛情招聘会」が花盛り(中国“A女”の悲劇)
この連載の第1回で、公園で自分の娘の略歴を書いた看板を抱えてお婿さんを募る「父母相親」(父母による見合い)の話を書いたが、なんと今度は、父母でなく、本人がブースに座ってお婿さん(中にはお嫁さん)を募る「愛情招聘会」(愛情募集大会)なるものが北京でお目見えしたということを知った。最初にこのニュースを教えてくれたのは、北京大学の張頤武教授である。ついに、そこまで行ってしまったかと、二人で心底驚いてしまった。
主催者は2003年に「婚恋交友」サイトを立ち上げた「世紀佳縁」。中国国内では、もっとも早く婚姻サイトを創設した企業だ。会員数は1200万人。主催者側の発表によれば、愛情招聘会に招聘者(募集者)としての参加を希望したのは4000名弱とのこと。
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2008-6-20 0:44
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1050万人が参加した史上最大の全国統一大学入試(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
今年の“高考”
中国では2008年6月7日から9日までの3日間、通称“高考”と呼ばれる“全国普通高校招生統一考試”が行われた。中国語の“高校”は“高等院校”の略で一般に「大学」(ただし、日本の短期大学に近く、大学程度の専科学校で通常3年制の「大専」を含む)を指し、“招生”は新入生募集、“考試”は試験なので、“高考”は「全国統一大学入試」を意味する。高考は全国のほとんどの地域で6月7日、8日の2日間で終了したが、一部の省・自治区・直轄市は独自の時間割で6月9日も試験を行ったのである。
高考は2002年までは毎年7月7〜9日に実施されていたのだが、2003年から1カ月繰り上げて6月7〜9日の実施に変更となったものである。
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2008-6-18 0:52
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サウジ、増産の本気度(BusinessWeek)
世界最大の石油輸出国サウジアラビアは、世界の人々と同じくらい石油高騰にショックを受けている。1バレル=14ドルの原油安で国が財政危機に陥りかけたのは、ほんの10年前のこと。以来、国庫はあふれ返ったが、今は130ドルの原油高が消費国経済に与える悪影響と代替燃料に商機を与えてしまう事態を懸念しているのだ。
石油相場を冷ましたいサウジは新規油田の開発に大金を投じている。6月には産油量を30万バレル増やし、日量945万バレルにする。この決断はジョージ・ブッシュ米大統領の増産要請に応えるというより顧客の注文に応じるものだ(アブドラ国王率いるサウジは、ブッシュ大統領は死に体で、米国によるイラク侵攻は大失敗だったと考えている)。
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2008-6-17 0:28
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世界一奪取へ準備着々(BusinessWeek)
米ゼネラル・エレクトリック(GE)が白物家電部門の売却計画を発表して以来、韓国LG電子が売却先として有力視されてきた。5月28日、ソウル訪問中だったGEのCEO(最高経営責任者)ジェフリー・イメルト氏が、買い手候補としてLGを「素晴らしい会社」と呼び、「LGとGEアプライアンスが統合すれば、多くの成果が期待できる」と述べると、その憶測はさらに膨らんだ。
10年前、安価なトースターや電子レンジのメーカーとして知られていたLGは、今や白物家電で米ワールプール、スウェーデンのエレクトロラックスに次ぐ世界第3位のメーカーだ。携帯電話メーカーとしてもトップクラスに名を連ねる。もちろん、GEの白物家電部門の買収には他社も参戦するだろう。
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2008-6-16 0:32
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オバマ大統領はイラクから撤退できるのか(山崎養世の「東奔西走」)
「オバマという若手のすごい政治家が現れた」とジャーナリストの船橋洋一氏に教えていただいたのは3年前のことでした。それ以来注目していたバラック・オバマが、ヒラリー・クリントンを抑えて、ついに民主党の大統領候補になりました。
大統領選挙は米国を映す鏡のようです。今、米国国民は大きな変化を求めているのでしょう。白人の母親とケニア人の父親の間に生まれ、インドネシアやハワイで育った、オバマという存在そのものが“CHANGE”を体現しています。
「われわれは白人ではない。黒人でもない。米国人だ」という言葉は、オバマの口から出てこそ訴える力がありました。ハーバード大学を優秀な成績で卒業した弁護士で、シカゴで地域改善運動に取り組んだオバマが「米国人すべてに、教育や医療や仕事のチャンスがあるべきだ」と主張した時に、多くの国民が支持しました。
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2008-6-16 0:32
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世界の食料危機を救おう(FINANCIAL TIMES)
1960年代に世界は深刻な食料危機に見舞われていた。
生産性を大幅に向上させた「緑の革命」によって乗り切った。
しかし、その慢心と原油高により世界は再び新たな危機に直面している。
1960年代、世界は飢餓の危機に瀕し、全人類に食料を行き渡らせる戦いには既に敗れたという悲観論が広がっていた。人口の多い一部の国では飢餓が頻発。マルサス*1的な惨事を予測する数々の書籍がベストセラーになった。70〜80年代までに飢餓人口が数億人に及ぶと予言したポール・エーアリック著『人口爆弾』もその1つだ。
だが、人類の知恵が土壇場で勝利した。飢餓に苦しむ国が旧ソ連の手に落ちかねないという冷戦下の恐怖心から、米国が熱心に農業研究開発や農業インフラへの大規模投資を支援したことで、農業生産性が劇的に向上した。
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2008-6-13 0:34
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エタノールガソリンは“穀物系”から“非穀物系”へ(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
エタノールガソリンしか使ってはいけません
2008年4月15日、中国南部の広西チワン族自治区(以下“広西自治区”)の省都・南寧市で、広西自治区内における自動車用エタノールガソリンの限定販売による実証試験を開始する式典が行われた。4月11日までにエタノールガソリンの供給元である中国石油化工の広西分公司及び中国石油の広西販売分公司は、既に広西自治区内に合計16カ所の“自動車用エタノールガソリン調合センター”を完成していたし、自治区内にある1000カ所のガソリンスタンドはエタノールガソリンの販売を開始していた。2007年8月に自動車用エタノールガソリンの普及試験地区として認定された広西自治区は、約7カ月間の準備期間を経て実施にこぎ着けたものであった。
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2008-6-12 0:30
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FRB前議長が警鐘(FINANCIAL TIMES)
米連邦準備理事会(FRB)前議長のアラン・グリーンスパン氏は本紙(フィナンシャル・タイムズ)の取材に応じ、中央銀行は今後予想される資産バブルに際し、強硬な対抗手段によってイノベーションと成長を阻害しないよう注意すべきだと警告。「生産性とイノベーション、生活水準の急拡大を望むなら、混乱期は避けて通れないことを認識すべきだ」と語った。
規制強化の効果に疑問
政策立案者はバブル抑制ではなく、金融機関がその崩壊を乗り切れる資本基盤を持つよう指導すべきだという。同氏は不況時よりも好況時に銀行が資本を手厚くする景気対抗的な資本ルールの作成を支持する。これがあれば、資産価格と信用拡大が互いにバブルを煽る事態を防げるかもしれないが、実際の導入は難しいという。
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2008-6-11 0:01
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森林保護より農地拡大(BusinessWeek)
ブラジルのアマゾンでは、食糧供給と森林保護という2つの問題がいつも対立を続けてきた。環境活動家は豊かな熱帯雨林の保護を訴え、大豆農家は熱帯雨林を伐採して作付面積を増やしてきたからだ。ところが今、この問題に決着がつく可能性が出てきた。
世界的な穀物価格の暴騰で、農家の言い分に軍配が上がりそうなのだ。5月13日、連邦環境大臣だったマリナ・シルバ氏が辞任した。熱帯雨林の保護政策が影響力を失い、「ここしばらくは思ったように政策を推進できなかった」と、彼女は辞任を伝える手紙の中で書いている。
近年、ブラジルは世界の食料庫となった。大豆や砂糖、オレンジジュース、コーヒー、牛肉、鶏肉では世界最大輸出国であり、トウモロコシと米の生産も伸びている。
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2008-6-10 1:02
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原油価格高騰で問題噴出(BusinessWeek)
国際原油価格は5月下旬、一時、1バレル=135ドルまで上昇した。だがベネズエラのビジネスマン、ロベルト・モラレスさん(33歳)には無縁の話だ。所有する独フォルクスワーゲンの小型車「ゴル」にハイオクガソリンを11ガロン給油し満タンにするために支払うのは、たったの1ドル32セント。ベネズエラ政府の補助金でガソリン価格が抑えられているおかげだ。
「おかしいとは思うが、文句はないよ。この国ではガソリンは水より安いんだ」(モラレスさん)
この発言は誇張ではない。ベネズエラのガソリン価格は世界一安く、ボトル入りの水1リットルの15分の1。牛乳1リットルと比べれば25分の1に過ぎない。1998年以降、ベネズエラ政府はハイオクガソリンの価格を1リットル=0.097ボリバル・フエルテ*1(約3セント)に固定している(レギュラーガソリンは0.070ボリバル・フエルテ)。
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2008-6-9 0:06
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70年代の悪夢再び?(FINANCIAL TIMES)
原油高がいよいよ未踏の領域に入ってきた。
金融混乱も冷めやらぬ中、懸念が強まる景気減速とインフレの同時進行。
世界は1970年代のようなスタグフレーションを避けられるか。
歴史的な原油高、商品価格高騰による消費者物価の上昇、金融市場の混乱による景気減速──。1970年代は、その結果がスタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)だった。インフレ沈静化には何年もかかり、大量の失業者が出た。そして今、燃料高が家計や企業収益を圧迫する中、各国政府や中央銀行は70年代の石油危機の二の舞いを避けるべく、適切な政策を模索している。
5月下旬に1バレル=135ドルに達した原油価格は前年の2倍以上で、79年のピーク時より約15%高い(インフレ調整後)。
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