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ニュース見出し
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2008-9-8 0:53
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豊かな食糧輸入国、安保戦略に(FINANCIAL TIMES)
サウジアラビアなどの豊かな食糧輸入国が新たな安保戦略に乗り出した。
肥沃な農地を国外に求め、安定供給源を確保しようとしているのだ。
一部の途上国は農業投資を歓迎するが、道義上の懸念も広がっている。
サウジアラビアには永続的な川や湖がない。雨も少なく、穀物を栽培するには大金を投じて地下水を吸い上げる必要がある。乳牛は扇風機や噴霧器で冷やしておかなければならない。つまり誰の頭にも、サウジは大規模農業を想起させる国ではないのだ。
だが、そんな認識も変わるかもしれない。石油高騰で潤い、食糧安全保障を危惧するサウジでは、肥沃な土地を求めて政府高官がスーダンやウクライナ、パキスタン、タイに飛んでいる。
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2008-9-5 1:02
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テロ発生の抑制に成功した北京オリンピック(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
2008年8月8日夜8時に華麗な開会式で幕を開けた北京オリンピックは、8月24日夜8時から行われた絢爛たる閉会式で幕を閉じ、その17日間にわたる全日程をつつがなく終了した。中国政府は北京オリンピック開催中のテロ発生を危惧して、全土で厳重な警戒態勢を敷き、万一の事態に備えたが、テロは発生しなかった。
不幸にも開会式翌日の8月9日に北京の観光スポットである鼓楼で米国人夫妻が浙江省杭州市出身の暴漢に襲われた死傷事件が発生したが、これは生活苦に起因するもので、テロとは一線を画したものであり、中国政府はオリンピック期間中のテロ事件の発生を抑制することに成功したと言える。
それでは中国政府はテロ抑制のためにどのような警戒態勢を取ったのか。
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2008-9-5 1:02
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吉田鈴香の「世界の中のニッポン」()
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2008-9-5 1:02
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日本の宰相には“マルチセンス”が欠けている(吉田鈴香の「世界の中のニッポン」)
福田康夫首相の突然の辞任は、昨年の同時期における安倍晋三前首相の辞任と同じく、あっけなく“ぺしゃんこ”になった内閣という印象を受ける。世界各地では、紛争にまみれ、政治基盤も何もない脆弱な国々が政権維持を図ろうと必死になっているというのに、本当に“こらえ性”がないと感じてしまう。
筆者は東西冷戦末期の1989年から国際協力の取材を始め、多くの発展途上国と紛争地域を取材してきた。取材の際は、その国の背景にある政治課題や経済的社会的問題を分析し、問題の核心を突き止めようと多くの人の声に耳を傾けてきた。そして、こうした“脆弱国”が、平和な国へと生まれ変わるための復興策、日本としての関わりも考えている。
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2008-9-4 20:49
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最後まで「せいぜい」頑張ってほしい福田首相(谷口徹也の「北緯22度通信」)
発言直後から一部メディアやネット上で叩かれていた。北京五輪に出場する選手たちを前にした福田康夫首相の言葉である。
8月8日、福田首相は北京にある日本選手団の選手村を訪れて激励会を開催した。挨拶に立った福田首相が口にしたフレーズの1つがこれ。
「まあ、せいぜい頑張ってください」
日の丸への責任感、支援してくれた人たちへの感謝、積み重ねてきたトレーニングの日々。様々な思いを胸に試合に臨もうとしている選手たちにかけた言葉が「せいぜい頑張って」とはなんたる言い方! そういう批判にさらされた。しかし、このバッシングには違和感を感じた。
別に間違ってはいないんじゃないの?
福田首相は「せいぜい」を正しく使っていた?
念のため、広辞苑を引いてみた。
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2008-9-2 0:09
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新型アイフォーンの難点(BusinessWeek)
アンドレ・チャーランド氏は7月11日に発売された米アップルの新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」を買ったばかり。だが、今まで使っていた多機能携帯端末「ブラックベリー・パール」は手放さない。ブラックベリーは電子メールや通話に使える「頑丈なマシン」だが、アイフォーンは頼りにならないからだと同氏。「アイフォーンは通話中に接続がよく途切れるから、主にビデオやウェブサイトを閲覧する娯楽用として使っている」。
ライバルには絶好のチャンス
アイフォーンはアップルのドル箱となった大型商品。しかし今、一部ユーザーの間で、新型の3Gモデルは素晴らしい機能を備えていても、電話としては使えないとの声が上がっている。
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2008-9-1 0:31
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アフガンで拉致された伊藤さんは誰に殺されたのか(世界鑑測 菅原出の「安全保障・インサイド」)
アフガニスタン東部で日本のNGO(非政府組織)「ペシャワール会」の伊藤和也さんが殺害された。8月27日の夕方にこの悲報を受けて深い悲しみに包まれた。
私は個人的に伊藤さんを知っていたわけでも、「ペシャワール会」と関係があるわけでもない。26日の午前、知り合いの政府関係者から電話があり、「アフガンで日本人が拉致されたらしい。何でもいいから情報があったら教えてほしい」との問い合わせを受けた。私が所属する英国の危機管理会社は、アフガン全土で活動をしており、アフガニスタンの治安情報を顧客に提供する仕事もしている。すぐにカブール駐在のスタッフに問い合わせ、現地情報を聞いてその政府関係者に伝えた。
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2008-9-1 0:31
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崖っぷちの世界経済(FINANCIAL TIMES)
これまで健闘してきた日本やユーロ圏経済がついにマイナス成長に。
8月半ば、主要先進国の景気悪化が一気に表面化した。
新興国にも陰りが出て世界経済が深刻な景気後退に陥るとの声も上がる。
世界の経済統計を逐一観察していない人にとって、8月第3週は衝撃的な1週間となった。主要先進国で悪材料が相次ぎ噴出、どの国も欧米の信用危機の影響を避けられないことが露呈したからだ。それどころか今、すべての国が景気後退の瀬戸際にあり、様々なリスクが顕在化しつつある。
最初の悪材料は8月11日に発表された米連邦準備理事会(FRB)の調査報告書だった。融資責任者を対象とした同調査によれば、企業及び個人向けのあらゆる融資分野で米国の金融機関が融資基準を厳格化していることが分かった。
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2008-8-29 0:55
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アフリカは中国製の偽物天国(BusinessWeek)
天然資源を狙ってアフリカ大陸に急接近する中国。
時を一にしてアフリカに押し寄せているのが中国製の模造品だ。
1個数十円の消費財でも模造品が出回る事情とは。
2〜3年前から、アフリカで消費財大手メーカー、米サラ・リー製の靴磨き「キィウイ」の模造品が出回るようになった。そこで同社はラベルを変えたが、すぐに新ラベルの模造品が登場。次にパッケージの大きさを変更すると、半年後には新サイズの模造品が出てきた。サラ・リーは缶容器の型まで変えたが、模造品業者はしばらくするとそっくりな商品を売り出した。
サラ・リーの東アフリカ担当販売幹部を務め、今は独立してウガンダの卸業者として同社製品を販売するヨアブ・オウマ氏は言う。
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2008-8-29 0:55
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(6)北京五輪の水のため、田んぼが消えた山里(「老百姓」たちのオリンピック)
五輪閉幕の翌朝、北京から一路北東へと車を走らせた。オリンピックの余韻が残っているうちに、どうしても見に行きたい場所があったのだ。
河北省ラン平県西紅旗村。北京から約160kmの山間にある、人口1300人ほどの小さな集落だ。「北京の水がめ」と呼ばれる密雲水庫(貯水湖)の主要な水源である潮河のほとりにあり、豊富な水を利用した稲作が盛んだった。
筆者は今春、偶然読んだ中国紙の記事でこの村の名を知った。北京では、急激な都市化による水の消費量増加に、中国北部で年々悪化する干ばつの影響が重なり、水不足が深刻になっている。
そこで、オリンピックに向けて十分な水資源を確保するため、2006年、北京市はお隣の河北省とある協定を結んだ。
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2008-8-28 0:09
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米フェースブックは「売り」?(BusinessWeek)
米国のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)最大手、フェースブックの幹部たちが持ち株を売っている。その売却価格は、昨年同社につけられた評価額が非現実的だったことを示すことになった。
数カ月前までシリコンバレーで“次のグーグル”と呼ばれていたフェースブック。昨年10月にマイクロソフトが同社に一部出資した際、両社は「出資額から計算すると、フェースブック全体の企業価値は150億ドルになる」と述べており、未上場のフェースブックの株主は超大型IPO(新規株式公開)を期待しているようだった。
創業メンバーが持ち株売却
ところがここ数カ月、現役幹部、元幹部が相次ぎ株を売りに出した。非上場企業の株式の売買を仲介する米EBエクスチェンジ・ファンズの創業者ローレンス・オルブカーク氏は「株を既に売ったか売りたがっている人を少なくとも9人知っている」と話す。
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2008-8-27 0:19
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資源大手、プラチナに触手(FINANCIAL TIMES)
スイスの資源大手、エクストラータのCEO(最高経営責任者)、ミック・デービス氏は数多くの企業買収に携わってきたが、プラチナ大手のロンミンこそ長年待ち望んでいた相手だった。8月6日の取材では「2002年の上場以来、ロンミンとインパラ・プラチナを狙ってきた。これまでは株価が高すぎたが、ようやくツキが回ってきた」と語った。
ロンミンの株価はプラチナ相場の調整に加え、生産目標の未達を繰り返したことが嫌気され、ここ2カ月で34%も下落。2006年初頭以来の低水準に沈んだ。この機に乗じてエクストラータは5日夜、突如ロンミンの大株主に1株当たり同日の終値に42%のプレミアムを上乗せした33ポンドで買い取ることを提案。
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2008-8-26 0:45
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商品価格下落は両刃の剣(BusinessWeek)
最近は、良いニュースと悪いニュースが背中合わせになっている。8月5日には「商品価格の下落」という朗報が、株式相場に過去4カ月で最大の上昇をもたらした。一方、商品価格の下落を招いた「世界経済は今後さらに悪化する」というのは悪いニュースだ。
プラス面を考えると、商品価格が下落すればインフレが沈静化し、消費者や商品を購入する企業は楽になる。一足先に調整が始まった亜鉛、スズ、ニッケル、プラチナに続き、初夏には原油、銅、アルミ、トウモロコシ、大豆の価格が急落し始めた。
原油は6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の終値が118.6ドルとなり、7月3日につけた1バレル=145ドルの最高値からの下げ幅は18%に達した。
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2008-8-25 1:01
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爆弾抱えたドイツ高級車(FINANCIAL TIMES)
収益力の高さを誇ってきたドイツの高級車メーカーが大幅減益に見舞われるかもしれない。景気悪化の影響で長年ドル箱だった金融サービス部門が打撃を受けているためだ。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは8月7日、独BMWの長期債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。市場と経済環境が混迷を深める中、中核の自動車事業と金融部門が問題に直面しているというのがその理由だ。
最大で30億ユーロの価値消失
これは前の週にBMWが業績予想を下方修正したことを受けたものだ。同社の4〜6月期の純利益は5億700万ユーロ(前年同期比33%減)。リースやローン事業で6億9500万ユーロの引当金を積んだことが響いた。
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2008-8-22 0:20
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第14回 私が会った<A女>たち(3)民主主義の根幹を拒否した改革開放が“悲劇”を呼ぶ(中国“A女”の悲劇)
透き通るような白い肌に大きな瞳。長いまつげが、化粧っ気のないまぶたに黒く光っている。栗毛色の髪の毛を三つ網にしている劉玲(りゅう・れい)は、とても30を過ぎているとは見えない。
北京のエリート大学の学部を卒業した後、修士課程に進学し、出版社に就職した。編集の仕事をしている。
彼女が付き合っていた張健は三歳年上の、大学の先輩だった。付き合っていたというより、形式上の「夫」であったと言った方が正確だ。
実は劉玲と張健は籍を入れていた。結婚証を持っていたのだ。つまり、結婚登記(結婚届け)だけを行なって、まだ結婚式を挙げてないということを理由に、一緒に住んではいなかったという、なんとも奇妙な関係にあったのである。
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2008-8-22 0:20
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(5)労働争議中でも、歓声は響く(「老百姓」たちのオリンピック)
「金メダルラッシュで自信がついたのか、従業員たちの表情が晴れやかになった気がします。また定点観測に来てください」。
そんなメールをもらって、飛行機にとび乗った。向かった先は、広東省深セン市の郊外にある山田さんの工場である。
山田さんが電子機器の組み立て工場を初めて深センに建てたのは、北京で天安門事件が起きた1989年。中国が「世界の工場」と呼ばれるずっと前から、モノ作りの現場の変遷を20年近く見つめてきた大ベテランだ。5年前に会社を移籍し、現在は光学機器の工場の総責任者を務めている。
生産ラインでは、女性従業員が黙々と手を動かす
筆者が初めて出会ったのは、香港に駐在していた10年前のこと。
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2008-8-19 0:39
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アップルの贅沢な悩み(BusinessWeek)
2003年以降の株価上昇率が1474%ともなれば、米アップルの株主には何の不満もないはずだ。ただ、1つ挙げるとすれば、預金金利程度のリターンしか生んでいない、208億ドルにも上る現金・短期有価証券の使い方だろう。CFO(最高財務責任者)のピーター・オッペンハイマー氏は今年前半のインタビューで「戦略の柔軟性を保つために、強靭なバランスシートを維持したい」と語った。
柔軟性は今後ますます高まりそうだ。これまでも現金は四半期ごとに10億ドルずつ積み上がってきたが、コンピューター、「iPod」「iPhone」の好調な販売を受けて、アナリストは来年にも残高が300億ドル近くに膨らむと予測する。
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2008-8-19 0:39
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(4)「北京で観戦? ありえない」−−上海コスモポリタンの微妙な気持ち(「老百姓」たちのオリンピック)
中国の首都であり、共産党と政府の中枢が集中する北京は、良くも悪くも政治的な都市だ。普通のおじさん、おばさんから知識人まで、北京の老百姓(一般庶民)は政治談義が大好きである。
上海の繁華街を飾るオリンピックの幟。北京より小ぶりで目立たない(上)。工事現場を隠す看板もやや控えめ(下)
一方、その対極と言えるのが上海。中国随一の商都では、人々の最大の関心は「ビジネス」だ。誰しもそうだとは言わないが、政治談義は一般につまらない話題として敬遠される。しかし、政治に全く無関心というわけでもなく、意識しながらあえて距離を置いているようなところがある。
上海の人々はまた、北京に強いライバル意識を持っている。
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2008-8-18 0:29
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欧州に見る非上場企業の強さ(FINANCIAL TIMES)
今、欧州で非上場の同族企業が買収攻勢に乗り出している。
強さの源泉は、目先の業績に左右されない長期的な経営戦略だ。
今こそ、小粒でもニッチな市場で圧倒的な強さを誇る企業の出番である。
なぜスペインのバスク地方にこれだけ多くの優良な非上場企業があるのかを尋ねると、エドゥアルド・ヒメネス氏は饒舌に歴史を語り始める。
「18世紀終わりに英国が鉄鉱石を採掘し始めたのを機に開発が始まりました。マンチェスターで機械を作るより我々がここで作るべきだと考え、次第に企業と大学、人材が集まり、今やそれらの宝庫になったのです」。こう語る同氏は、独シーメンスや欧州のABBなどの大手と競合する地元の電子部品メーカー、インゲチームの幹部だ。
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2008-8-12 0:22
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(3)開幕式の日、北京市街は旧正月が2回来た!?(「老百姓」たちのオリンピック)
先週金曜の夜(2008年8月8日)、北京オリンピックの開幕式をテレビの衛星生中継でご覧になった読者も多いだろう。筆者は北京の自宅で、中国中央テレビ(CCTV)にチャンネルを合わせて見たが、2008人の奏者による一糸乱れぬ「光のカウントダウン」からクライマックスの「夜空を駆ける聖火ランナー」まで、まるで特撮映画を見ているような凝りに凝った演出だった。
それもそのはず。開幕式の総指揮を務めたのは「紅いコーリャン」などで知られる中国を代表する映画監督、張藝謀(チャン・イーモウ)氏。オリンピック・スタジアムのグラウンドに、中国の歴史を絵巻物風に再現した演出も斬新だったが、筆者が度肝を抜かれたのは、スタジアムの南15kmほどにある永定門から天安門を経て会場まで26発の花火を打ち上げたシーンだ。
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