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ニュース見出し
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2008-11-11 0:29
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日本は、正々堂々と国際支援をしよう(吉田鈴香の「世界の中のニッポン」)
(前回から読む)
先日就任が決まったバラク・オバマ新大統領は、シカゴの貧民街で数年間働いていた。ばらばらだった住民の声を一つにまとめるその活動は、「住民組織化」の言葉で言い表せる。住民を勇気づけ、要望を引き出して行政に伝え、両者協同して実現させるという地道な活動だ。街を蘇らせるこの仕事は、国際協力に携わるコンサルタントやNGO(非政府組織)が現地で行う活動と、まさに同じであった。
筆者は世界を「○○国」「△△大陸」という地理上の区分で分けることはあまり意味がないと思っている。それよりも所得、知識、教育の程度によって傾向を分析する方がはるかに現実的だ。つまり、世界を「横割り」で見るのである。
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2008-11-10 0:14
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ロシア、1998年に逆戻り(FINANCIAL TIMES)
資源高で潤い、強硬姿勢を続けてきたロシアを再び経済危機が襲った。
株式を担保としてきた信用市場が崩壊。頼みの海外マネーも流出が続く。
救済策と引き換えに、新興財閥の保有する優良企業株が再び国の手へ。
執務室には頑丈なマホガニー家具を置き、収集する美術品はロシア前衛主義以前の作品にこだわるなど、ロシアの投資銀行、アルファ銀行の共同オーナー兼社長であるピョートル・アベン氏は典型的な派手好みのオリガルヒ(新興資本家)には程遠い人物だ。米国発の金融危機がロシアに波及しつつある中、「いつか来た道」とばかりに落ち着き払っている。
「1998年の危機をともにくぐり抜けた顧客は私たちを信頼しており、今回も離れることはないだろう」とアベン氏は語る。
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2008-11-10 0:14
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(3)歴史の復讐 民族分断とテロの悲劇を越えて(オバマ 勝利の真実)
(1)「300日戦争〜金融恐慌が後押しした劇的な勝利」から読む
(2)「シカゴ オバマを鍛えた貧民街」から読む
オバマが勝利した夜、米国のテレビ局は、喜びに沸くケニアの様子を映し出していた。村に集まった人々が、カラフルな衣装を着て歌いながら踊っている。その中心にはテレビ受信機があり、まるでオバマを、守り神のごとく崇めているようにすら見えた。
オバマの父、バラク・オバマ・シニアの出身地は、ケニア西部の貧しい村だった。そこから、超大国のトップが出現した。ケニア大統領のキバキは、国民の祝日にするとまで発表した。
テレビのニュースは、狂喜するアフリカ人の姿を、何度も繰り返し伝えた。
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2008-11-7 0:27
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オバマは本当に“ハト派”なのか(世界鑑測 菅原出の「安全保障・インサイド」)
バラク・オバマ氏が第44代のアメリカ合衆国大統領になることが決まった。
オバマ氏は「変革」のメッセージを掲げて圧勝し、米国民は新しいアメリカの誕生に対する期待感を高めている。選挙キャンペーン中、オバマ・チームは、安全保障政策に関して「忍耐強い外交を擁護する知的な多国間協調主義者であり、ブッシュ政権の強硬な一国主義(ユニラテラリズム)とは対極に位置する」というイメージを売り込むことに成功し、概ね「外交・安全保障政策では穏健派」というパーセプションが出来上がっているように思われる。
しかしオバマ新政権の外交・安全保障政策、特に「対テロ戦争」は、本当にこうしたイメージ通りの内容になるのだろうか? オバマ新大統領の対テロ戦争における「変革」とはいかなるものになるのだろうか?
イラクではゲーツ路線の継承
そもそも「安全保障」とは「国家の中核価値を脅威から、軍事的・非軍事的手段によって守り、高めること」と定義されるのが一般的であり、アメリカの場合、アメリカの領土や国民の生命や財産、それに自由や民主主義といったアメリカの価値観を、さまざまな脅威から軍事的・非軍事的手段で守り、高めるための政策が、安全保障政策となる。
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2008-11-7 0:27
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オバマは“太陽経済”をもたらすのか(山崎養世の「東奔西走」)
多くの読者の皆様から、世界の経済と市場についてのコメントが欲しい、という声を頂きます。新たなビジネスの立ち上げに奔走せねばならず、9月にいったん、休載のお知らせをした当コラムですが、今回は特別版として、世界経済の素描をお届けしたいと思います。
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世界経済の恐怖の10月が終わりました。11月5日、米国には、全く新しいタイプの大統領が誕生しました。どんな世界が始まるのでしょうか。
10月の世界は、戦後最大クラスの、株式市場の大暴落を味わいました。あっという間に1000兆円を超える株式の価値が世界で失われました。いよいよ、世界大恐慌が始まったという言葉が勢いを増しています。
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2008-11-6 0:09
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“身の丈”民主主義のオバマ政権(吉田鈴香の「世界の中のニッポン」)
今回の米大統領選は、ジョン・マケイン氏の軍事力による平和維持と安全保障重視を選ぶか、バラク・オバマ氏の国内福祉と平和の配当を選ぶかの争いであったように思う。最終的に、米国経済の現実を冷静に判断した米国民の選択がくだされた。
本来ならば、他国の大統領選の動向を外国人が語るとは僭越なことなのだが、筆者が多大な関心を覚え、ここで語るゆえんは、米国の次期政権の方針次第で日本の対外政策に大きな影響があるからである。
バラク・オバマ氏は2つの政治観を持っていると、筆者は見ている。1つは民主党らしく、民主主義の理念を拡大し、世界に打って出る政権。初期ビル・クリントン政権と同様である。そしてもう1つは、縮小する米国に合わせた"身の丈政権"である。
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2008-11-6 0:09
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(2)シカゴ オバマを鍛えた貧民街(オバマ 勝利の真実)
(前回 1:300日戦争〜金融恐慌が後押した劇的な勝利 から読む)
11月4日夜、シカゴの中心にあるグラントパークには、約10万人の支持者が集まっていた。CNNのニュースがスクリーンに流れる。そして、午後10時、カリフォルニア州やワシントン州の開票時間に、「オバマが大統領に当選」というテロップが流れた。
その瞬間、大観衆が拳を突き上げ、地響きのような歓声がわき起こった。抱き合う若者たち、輪になって踊り出す黒人、そしてテレビの女性リポーターが涙を流した。
「歴史が変わった」「偉大な大統領が誕生した瞬間だ」
興奮が収まらない聴衆は、主役の登場を待った。
午後11時、ついに、壇上にバラク・オバマが姿を現した。
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2008-11-6 0:09
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米大統領選──その夜のニューヨーク(水野博泰の「話題潜行」from NY)
午後10時20分@タイムズスクエア
米国東部時間の午後10時20分──。タイムズスクエアは大勢の人で身動きも取れないほど混雑していた。CNNが設営した中継会場に地元のニューヨーカーだけでなく、国内外からの観光客が集まってきたのだ。筆者の隣にいたのは、北イタリアから来たという若いカップル。全体的に欧州からの観光客が多いようだ。この人混みの中でも平気でタバコを吸っている。
男が拳を突き上げて叫ぶ。「オバマ!オバマ!オバマ!」。周囲の群衆がそれに答える。向こうでは「イエス!ウィー キャン!」の声。オバマ氏の選挙でのキャッチフレーズである。
この時点では「ミシシッピ州でマケイン氏が勝利」という報が流れ、群衆からブーイングが起こるというようなまったりした状態。
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2008-11-5 14:03
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(1)300日戦争〜金融恐慌が後押しした劇的な勝利(オバマ 勝利の真実)
11月4日、米イリノイ州シカゴ、午後10時(シカゴ時間、日本時間午後1時)。民主党大統領候補、バラク.オバマが当選確実となった。その瞬間、シカゴの中心グラントパークは、集まった10万人の支持者から歓喜の声があがった。激戦州のペンシルバニアとオハイオをオバマが奪取したこともあって、開票早々に勝利を決めた。
間もなく、オバマは地元イリノイ州シカゴで歴史的な勝利宣言の舞台に立つ。
そして、初の黒人大統領が誕生する。
思い返せば1年前、オバマの勝利を予想する向きは少なかった。歴史の歯車が動き始めたのは、これから勝利宣言するイリノイ州の隣、アイオワ州だった。
今年1月、この地でオバマは劇的な勝利を飾った。
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2008-11-5 13:02
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米大統領選──その日のニューヨーク(水野博泰の「話題潜行」from NY)
長く、激しく、そして米国における過去の常識をいくつも覆す選挙戦だった。
予備選で民主党は、初の女性大統領候補とこれまた米国史上初の黒人大統領候補の一騎打ちの末にバラク・オバマ氏を選んだ。一方の共和党が早々と選出したジョン・マケイン氏は、“ブッシュの後継者”という厳しい攻撃をかわすため、国政レベルでは全くの無名だったサラ・ペイリン氏(現アラスカ州知事)を副大統領候補に選ぶという奇策に打って出た。
そして11月4日──。いよいよ決戦の日である。「何か感想は?」。そんなシンプルな質問を投げかけてみると、何人もの米国人が「この国の歴史が変わる日だ」と興奮気味に答えた。その日のニューヨークの風景は──。
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2008-11-5 0:49
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凋落のとば口に立つドバイ(FINANCIAL TIMES)
金融危機で湾岸諸国の株価も急落。原油価格下落が追い打ちをかけた。
「安全地帯」との評価は一転し、急成長と大盤振る舞いは見直しの時期に。
負債依存型開発のドバイにバブル崩壊の懸念。野心の縮小は必至だ。
アラブ首長国連邦(UAE)の中核で、石油資源の豊かなアブダビ首長国。その高官がムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子の下に集まり、世界的な金融混乱への対策を協議したのは10月11日土曜日の夕刻だ。
彼らは数週間、ウォール街に端を発した危機が米国の金融業界を悲惨な状況に陥れ、その影響が世界に広がる様を見守ってきた。石油収入のおかげで流動性の潤沢なUAEなどの湾岸諸国は、世界を吹き荒れる金融の嵐の影響は受けないとの当初の見立ては、日増しに疑わしくなっていた。
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2008-11-5 0:49
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オバマ 勝利の真実()
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2008-11-4 0:38
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お次はビッグスリー救済?(BusinessWeek)
米政府は銀行部門に巨額の公的資金を注ぎ込んでいる。そして今度はデトロイトのビッグスリー(米自動車大手3社)が救済を求めている。次期大統領候補のオバマ、マケイン両陣営にはほぼ毎日、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター、クライスラー、労働組合に雇われたロビイストが大規模な救済策を求めてやってくる。
3社はこの8年間、ブッシュ大統領と蜜月関係は築けなかったが、今や従来では考えられなかったことが可能になりそうだ。何カ月も前から、環境対応車開発支援のための政府によるビッグスリー向け低利融資250億ドルを倍増すべきだと主張してきた民主党候補のバラク・オバマ氏は、今回の陳情も真摯に受け止めている(共和党のジョン・マケイン候補も250億ドルの融資額は支持している)。
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2008-11-4 0:38
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なぜ、日本の援助は「顔が見えない」のか(1)(吉田鈴香の「世界の中のニッポン」)
9月以来、世界の金融は大混乱を続けている。先日まで金融先進国、資源大国、急成長の新興国だと希望を持って語られていた国々が、今を生きるのに精いっぱいの状態になったのである。それらの国との貿易、投資でつながっている日本も、金融と実体経済の両面で深刻な打撃を受けている。
この激動のただ中では、援助どころの話ではないかもしれない。しかしこんな時だからこそ、思う。国際社会で名誉ある地位を持ち、外国と協議できる国であろうと思えば、必ず備えておかねばならないことを、今の日本は備えていない。それが、国際協力をどう捉えるかの方針である。
前々回のコラムでは、新たに発足したJICA(独立行政法人国際協力機構)について、大きなポイントだけを問題提起した。
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2008-11-3 0:28
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水野博泰の「話題潜行」from NY()
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2008-11-3 0:28
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原油下落で米中大接近(水野博泰の「話題潜行」from NY)
ニューヨーク原油先物価格が下落を続けている。指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は今年7月に1バレル147ドル台をつけたのをピークに下がり続け、60ドル台でもみ合っている。世界同時不況によって需要が減少するという見通しが最大の要因だが、世界金融危機が顕在化する前の7月から価格下落は始まっていた。米政府による規制強化の気配を嫌った投機マネーが早々と市場から流出していたのだ。
乱高下する市場と現地で向き合っている米国三井物産の雲(くも)治雄・資源エネルギー部門シニアバイスプレジデント、加藤次男・コモディティー・トレーデング部ゼネラルマネジャー、鈴木雄介・ワシントン事務所エコノミストの3氏に不透明な市場の行方を聞いた。
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2008-10-31 0:30
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お金はいりません「大悲寺」商魂たくましい「少林寺」(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
2008年1月9日、中国のポータルサイト“網易”(Net Ease)の掲示板に「大悲寺と少林寺の対比」というスレッドが立った。これは2007年9月22日に「了原居士」という人のブログに掲載された「同じ出家、大悲寺と少林寺の対比」という文章が大きな反響を呼んだことから、この問題を改めて論議することを意図したものであった。
少林寺という名前は「少林寺拳法」で日本人にも馴染み深いが、大悲寺という名前は初耳である。ところで、「対比」とはどういう意味かというと、中国の仏教界で両極端に位置づけられる両寺の現状を比較することで、真の仏教僧とはどうあるべきかを中国国民に問うたのである。
再建の道を歩みつつある中国の仏教
ところで、我々日本人にとって馴染みの薄い中国の仏教の現状を概観してみよう。
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2008-10-30 0:06
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急激な円高、日本経済を襲う(BusinessWeek)
Ian Rowley (BusinessWeek誌、東京支局特派員)Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)
米国時間2008年10月27日更新 「Yen Keeps Rising as Japan Stocks Hit 26-Year Low
日本の政策責任者は世界的な信用収縮と市場の荒い値動きに対し、明らかに不安を募らせている。日本政府は、ここ数年来の最高値水準にまで円相場が急騰したことを受け、円高阻止に主要先進各国が協調するよう異例の働きかけを行い、極度の円高は世界経済の脅威になると市場に警告する共同声明を取りまとめた。
10月27日、日米欧の主要7カ国(G7)は、「最近の円の過度の変動ならびにそれが経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」との緊急共同声明を発表した。
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2008-10-30 0:06
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中国政府、世界経済減速ならば農村需要を喚起(BusinessWeek)
Chi-Chu Tschang (BusinessWeek誌、北京支局記者)
米国時間2008年10月22日更新 「Beijing Bank Bailout May Help Farmers」
中国農業銀行(ABC、本社:北京)は、中国のほかの多くの銀行が問題を抱える中、政府当局者にとって以前から最大の頭痛の種となっていた。
1979年に農民向け金融機関として設立された同行は、大量の不良債権を抱えている。その額は2007年末時点で1200億ドル(約11兆4000億円)と、国有銀行の中で最悪の水準にまで膨らんでいる。中国政府当局は、ABCの不良資産を整理し、上場する案を以前から議論してきたが、実際には行動を起こしてこなかった。
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2008-10-29 0:41
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クルーグマン受賞の理由(FINANCIAL TIMES)
例年ノーベル経済学賞受賞者への人々の反応は「誰?」だが、今年は違う。米ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ポール・クルーグマン氏は(故ミルトン・フリードマン氏と並び)最も有名な受賞者だ。受賞理由は「貿易パターンと経済活動立地の分析」だが、厳密な経済学的思考の重要性を世界に想起させた点でも称賛に値する。
受賞自体は驚きではない。いずれノーベル賞を手にする運命だと前々から思われていた。むしろ驚かされたのは、受賞の時期と単独受賞だったという事実だ。米大統領選挙まで3週間というタイミングは挑発的だ。ブッシュ政権とジョン・マケイン候補を痛烈に批判してきたからだ。関連業績を残した者がいれば共同受賞になるのが常だが、ノーベル賞委員会はそれもしなかった。
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