経済観察報記者 姜雷/厳凱/劉偉勛/万暁 6月11日、中国アルミ総経理（社長に相当）の熊維平は、英豪資源大手リオ・ティントが同社の出資提案を拒否したことについて記者会見で説明し、「失望」という言葉を3回も使った。 　中国アルミによるリオ・ティントへの出資計画は、投資銀行業界の関係者の言葉を借りれば、中国企業による海外企業への大型投資の“完璧なモデルケース”だった。中国アルミ側のアドバイザーは、「対応可能なリスクはほぼすべてクリアしていた」と話す。 　しかし結局、中国アルミは網に開いた穴から大魚を逃がしてしまった＊1。 　「失敗の最大の要因は（オーストラリア政府の）審査期間が長引いたことだ。

　イスラエルにはパレスチナ人地区の人権侵害を監視する左派グループや人権擁護団体があり、自国政府の政策に対してしばしば批判的な視点の映像を記録・公開することがある。そうした団体の映像をネットであれこれ覗いていると、パレスチナの水不足に言及しているものを多く見かける。 　例えば、イスラエル首相エフード・オルメルトの次女も所属している、女性たちの人権侵害監視団体「Machsom Watch」は、水不足に苦しむヨルダン渓谷の農民の記録映像を公開している。 【Water in the Jordan Valley - El Farsia】 (「Machsom Watch」のYouTubeチャンネルより) イスラエルはパレスチナ人による地下水の過剰な汲み上げを警戒し、井戸の使用を制限している。

　核実験とミサイル発射を強行し、瀬戸際外交を繰り返す北朝鮮。健康不安と後継者問題に揺れる金正日総書記の真意は。日本政府の軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉担当大使を歴任した美根慶樹・キヤノングローバル戦略研究所特別研究員はまず米国の姿勢が重要だと語る。 （聞き手は市村 孝二巳） 「中国、ロシアとの同盟関係も冷戦時代から崩れ、一朝事ある時にも助けてはくれない」と語る美根氏 　北朝鮮との核交渉は1990年代の枠組み合意、ミサイル協議、そしてブッシュ政権での6カ国協議と、同じようなことの繰り返しだ。北朝鮮は独裁国家で指導者が長期間代わらないが、米国や日本は政権も担当者も代わる。特に米国は交渉担当者が実績を上げないと更迭されかねないので成果を焦る。

　5月末、インドのIT（情報技術）サービス最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ（TCS）が一見お決まりの報告書を証券取引所に提出した。 　10月に退任するS・ラマドライCEO（最高経営責任者）の後任にN・チャンドラセカランCOO（最高執行責任者）が決まったという内容だった。 　この発表には重大な意味がある。TCSのトップ交代は、タタ・グループ全体の世代交代プロセスの始まりだからだ。それはインド最大の複合企業のトップが代わるというだけでなく、同国財界の「顔」が代わることを意味する。 タタ総帥の引退は2012年 　同グループの中核企業であるTCSとタタ・スチール、タタ・モーターズ3社のトップは今年、役員の定年である65歳を迎えるため、揃って退任する。

　2009年の全国統一大学入試、“普通高校招生全国統一考試”（以下「大学入試」）は6月7〜9日の3日間実施された。 　今年大学入試への参加を申し込んだ受験生の総数は約1020万人、これに対して入学枠は629万人であるから受験倍率は1.62倍である。なお、この内、今年の高校卒業生は750万人で、全体の73.5％を占めている。2008年の受験申込者総数は1050万人であったから、今年は受験申込者が30万人減少したことになる。 超難関試験、“科挙”の仕組み 　中国で現在の全国統一大学入試に相当するのは、隋代（581〜618年）に始まり清代の光緒31年（1905年）まで続いた科挙の試験であった。

「BOT backs banks as Moody's threatens downgrade 」 談話を発表したのはアッチャナー・ワイクアンディー中銀副総裁で、「（タイの）銀行に問題があるとは全く考えていない」と述べた。彼女によると、タイの銀行の第1四半期の自己資本比率は14.9％であり経営的な問題はないという。 　ムーディーズはこのほど、タイの銀行11行の債券および預金格付けについて、引き下げの可能性も含めて見直しを検討中であることを発表。見直しの対象としているのは、バンコク銀行、アユタヤ銀行、タイ輸出入銀行、政府住宅銀行、カシコン銀行、クルング・タイ銀行、サイアム・シティ銀行、サイアム商業銀行、スタンダードチャータード銀行（タイ）、TMB銀行、大華銀行（タイ）の11行だ。

世界の再生可能エネルギー市場で勢力図が急速に塗り替わりつつある。中国製造業の攻勢で部品価格は急落、先進国企業は利益減に苦しむ。各国首脳はグリーン産業の雇用創出効果を訴えるが、実現は不透明だ。 　ドイツの“ソーラーバレー”、タールハイムにある太陽電池大手、独Qセルズの太陽電池パネル工場では、従業員が労働日数の減少という新たな現実に直面している。最近までは国の手厚い助成制度によって急拡大した需要に対応しようと必死だった。それが今では製造ラインは静かになり、駐車場には空きスペースが目立つ。 　「何年も全力疾走してきた技術や総務部門の社員は『毎週休みが1日増えてうれしい』と答えるはずだ」。広報担当のシュテファン・ディートリッヒ氏は語る。

　6月1日、バラク・オバマ米大統領が米ゼネラル・モーターズ（GM）に連邦破産法を申請させるという決断を発表した頃、ロシアのプーチン首相は自国の自動車産業振興に乗り出していた。 　プーチン首相がモスクワで会っていたのは、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルのジークフリード・ウォルフ共同CEO（最高経営責任者）とロシア国営大手銀行ズベルバンクのゲルマン・グレフ頭取だった。マグナとズベルバンクは共同で、GMから切り離される子会社独オペルの経営権を今後数週間の交渉で取得する予定だ。 プーチン首相の思惑 マグナとズベルバンクによるオペル買収で恩恵を受けるのは、ロシア自動車大手GAZの大株主で富豪のデリパスカ氏か （写真：AP Images） 　2日前の5月30日、マグナ-ズベルバンク連合はイタリアのフィアットを退け、オペル株合計55％を優先的に入札する権利を獲得した。