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ニュース見出し
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2010-4-6 0:24
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軍事作戦を仕切る“素人”CIA(オバマと戦争)
「リベンジ」を果たしたCIA
2010年1月4日の朝8時30分。ラングレーの米中央情報局(CIA)本部で開かれたCIA幹部による定例会議は、1分間の黙祷で始められた。5日前の12月30日に、アフガニスタン東部のホースト州にあるCIA基地で、アルカイダのテロリストが自爆テロを成功させ、7名のCIA要員が殺害されるという大惨事が起きていた。重々しい空気の中、会議の口火を切ったのはレオン・パネッタCIA長官だった。
「われわれは戦争の最中にいる。躊躇している余裕などない。われわれは正しいことをやっているのだ。われわれが諸君に望むのは、この正しいことをさらに激しく攻撃的にやって欲しいということだ。
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2010-4-2 0:02
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チェンマイ・イニシアチブと国際金融制度の行方(マニラ便りアジア経済の現場から)
2008年9月のリーマンショックで深刻化した欧米の金融危機も、その後の欧米当局による金融機関の救済と財政金融の超緩和により、いまや峠を越したかに見えます。欧米向け輸出の急減の影響で2009年前半には景気後退に陥ったアジア新興国も、1997〜98年のような金融危機を経験することなく、内需中心のV字型回復を遂げています。
しかし、アジア諸国はかつての金融危機の経験を忘れていません。1999年に始まったASEAN+3(日中韓)による金融協力は2000年にチェンマイ・イニシアチブの合意をもたらしましたが、その後もさまざまの拡充努力が続けられ、2009年には、チェンマイ・イニシアチブのマルチ化が決定されました。
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2010-4-2 0:02
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失業者が2億人いる中国の就職戦線(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
“富士康科技集団(フォクスコム)”<以下「富士康」>という名前を聞いたことがあるだろうか。米アップル社の下請けとしてiPad(アイパッド)の組立を行っている企業と言えばお分かりいただけると思う。富士康は1974年に台湾で郭台銘という創業者によって設立された“鴻海精密集団”が中国大陸に設立した、EMS(Electronics Manufacturing Service :電子製品受託製造サービス)と電子関連部品製造に特化した企業集団である。
富士康は1988年に台湾から広東省深セン市に進出して工場を建設したのを契機として飛躍的発展をとげ、中国各地に工場を建設して成功を収めている。今では世界中の名立たるIT関連メーカーを顧客とする世界最大のEMS企業であり、従業員総数は世界中で60万人以上、米誌「フォーチュン」の『2009年世界トップ企業500』の109位にランクされている。
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2010-4-2 0:02
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中国の輸出が回復、その買い手は誰?(中国発 経済観察報)
「中国製造、誰在買?」
経済観察報記者 張斌
中国の輸出が力強い回復を見せている。海関総署(税関に相当)が3月10日に発表した最新の統計によれば、今年2月の総輸出額は前年同月比45.7%増の945億2300億ドル(約1兆2760億円)に達した。これで輸出は3カ月連続のプラス、伸び率は2007年3月以降では最高を記録した。
「輸出データを見ると、外需が穏やかながらも着実に回復していることが読み取れる」と、カナダロイヤル銀行のマーケット・アナリストであるブライアン・ジャクソンは話す。
世界経済はまだ安定した回復軌道に乗ったとは言えない。そんな中、一体誰が「メード・イン・チャイナ」の買い手になっているのだろうか?
「米国および欧州の景気回復の足取りは遅いものの、後退はしていない。
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2010-4-1 0:33
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「クレイジー」な母親との意外な会見(ルポ:“弱者”として生きるアメリカ)
(前回「子供たちと1時間付き合うことに、どんな意味があるのだろうか」から読む)
その日私は、2005年に行われた大相撲ラスベガス公演のプログラムを持って登校した。相撲の歴史や番付について英語で説明されているので、Opportunity Schoolの教材にもってこいだと感じたのだ。
私が唯一相撲を生観戦したのが、同興行である。所謂「花相撲」だが、なかなか楽しいイベントだった。相撲は、高校教師時代にもトピックの一つとして選んでいる。アメリカ人にとっては、かなり興味を惹くものらしい。児童たちも喜ぶだろうという期待があった。
ところが、教室のドアを開けると少年CとEが私の授業を受けられない事態を引き起こしていた。
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2010-3-31 0:03
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インドで浄水ビジネスが活況(インド発 Business Today)
「A virtuous trickle」
低所得層向けビジネスのアイデアは意外なところから生まれる。インド経営大学アーメダバード校の卒業生であるカミリ・サトヤナラヤナ・ラジュ氏(54歳)はボトル入り浄水事業を始めて4年が過ぎたころ、浄水設備を作ってビジネスを拡大しても採算が取れるという結論に達した。
浄水設備に大きな投資は必要なかった。微粒子を取り除くための何層ものフィルターに殺菌用の紫外線ランプや逆浸透装置を据え付ける簡単なもので十分だったからだ。
2004年当時、ハイデラバードに本拠を置いていたラジュ氏は、浄水設備製造の準備を整えた数カ月後、ビラジュ財団に協力を働きかけた。
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2010-3-30 0:36
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下水から作る「再生食用油」を根絶せよ!(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
2010年3月17日付で全国紙「中国青年報」が報じた“囲剿地溝油(下水溝油を包囲殲滅する)”という表題の記事は、中国全土に大きな反響を巻き起こした。この記事は“地溝油(下水溝油)”について、湖北省武漢市にある武漢工業学院“食品科学与工程学院(食品科学・工学部)”の教授で、全国糧油標準化委員会油料・油脂ワーキングチームのチーム長である何東平にインタビューしたものであった。
ところで、“地溝油”とは何か。筆者は2006年12月15日付の本リポートで「え!中国では下水溝から食用油が作られる?」という“地溝油”に関する記事を掲載したが、“地溝油”とは調理場から排出された食用油が下水溝に溜まった物を意味する。
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2010-3-29 1:12
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ネットでよみがえった中世的「むら」消費(コネチカットの庭から見た日本)
数年前、ブータンのジグメ・ティンレイ首相は、ブータンにとっての進歩の意味について語る講演でニューヨークを訪れた。国民総生産(GDP)や経済成長などの一般的な数値にとらわれるのではなく、ブータンは「国民総幸福量(GNH)」という独自の基準を創り出していた。これは、経済や教育、健康そして環境分野の数値をかけ合わせたもので測れるのだそうだ。
ティンレイ氏がチェルシーにあるルービン美術館で講演した際のことを私は鮮明に覚えている。彼の人間的な魅力のせいでもあるが、講演のタイミングが絶妙だったのだ。その後バラバラに吹き飛んだ金融システムに、亀裂が広がり始めていた頃だったからだ。当時ベア・スターンズは既に破綻し、そしてリーマン・ブラザーズもそれに続こうとしていた。
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2010-3-26 0:34
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人民元切り上げ、中国製造業の損得勘定(中国発 経済観察報)
「製造業:有人歓喜有人憂」
経済観察報記者 張斌/胡蓉萍
「人件費が上昇し、原材料も値上がりしている。金融危機後の不景気からやっと少し回復したばかりなのに、もしも人民元が切り上がったら、にっちもさっちもいかない」
そう冴えない表情で語るのは、浙江省紹興市で染物工場を経営する金氏だ。彼の説明によれば、工場の利益率はわずか2〜3%。「仮に(人民元の対ドルレートが)5%上昇したら、コストアップは製品価格に転嫁できない。工場を畳んで商売替えするしかないよ」と肩を落とす。
しかし中国の製造業にとって、人民元切り上げは必ずしも悪いニュースとは限らない。原材料を輸入に頼る業界では、人民元高はむしろプラスの要素になる。
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2010-3-25 0:42
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子供たちと1時間付き合うことに、どんな意味があるのだろうか(ルポ:“弱者”として生きるアメリカ)
(前回「現実の前にはボランティア教師など“道化師”だろう。それでも…」から読む)
私服で登校した少年Cが、ハーパーの部屋で面談を受けている。Cの母親と妹も一緒だ。
「またトラブルか……」
気持ちが重くなった。
しばらくすると、ハーベスト・コーガンがCの妹に塗り絵を差し出した。面談を終えたCが妹の脇に座り、優しい視線を送る。教室では見せない、11歳の兄の顔だ。
妹に優しい視線をおくる少年C
「可愛いな、妹」
私が声をかけると、Cは白い歯を見せて頷いた。
この日は、A、D、Eにアメリカの地図を書かせ、州名を日本語で教えるレッスンをした。アメリカの西側から、一人5箇所ずつホワイトボードに州を書かせたが、歪な地図になってしまい、幾つかの州は収まり切らない。
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2010-3-24 0:39
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SKグループ、中国事業をゼロから再建(韓国発 毎経エコノミー)
韓国の大手財閥、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が今年初めての出張先に選んだのは中国だった。
今年、崔会長の中国出張は多くなると予想される。SKグループが、中国事業を総括する新たな法人「SKチャイナ(仮称)」の設立を計画しているからだ。
崔会長はそのために昨年末から組織の再編に着手、大幅な人事刷新を進めている。
中国に新設されるSKグループの統括会社トップに就任するパク・ヨンホSKグループ社長
今年7月に設立される予定の統括会社SKチャイナの初代社長には、SKグループの持株会社である株式会社SKの代表取締役社長を務めるパク・ヨンホ氏が指名された。
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2010-3-24 0:39
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「生方解任騒動」が明らかにしたもの(吉田鈴香の「世界の中のニッポン」)
前回、「皆で政府にウィッシュリストを出そう」と読者に呼びかけた。3月22日までに262件のご意見が寄せられた。初めての新しい試みに対し、熱意あふれる様々なご意見を下さった読者に深く感謝したい。
「国民−政府」のチャネルがない
読者の皆様に求めたのは、次のような質問であった。
1.
日本をどんな国にしたいですか(つまりビジョン)、
2.
そのために何にまず重点を置くことがいいと思いますか(つまり政策の優先順位)、
3.
そして何をすればいいと思いますか(施策)
4.
各施策にどれ位の負担ができますか(税負担)
5.
何から打破すべきと思いますか(改革の工程)
読者に「ウィッシュリスト」という言葉自体になじみがないのは仕方がない。
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2010-3-19 0:42
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金メダリストが感謝すべきは国家か父母か(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
第21回冬季オリンピックはカナダのバンクーバーで2010年2月12日から28日までの17日間にわたって開催され、参加各国による熾烈なメダル獲得競争が展開された。このオリンピックを通じて中国が獲得したメダルは11個で、メダル獲得の国別順位はスウェーデン、フランスと並んで第8位、金メダルは5個で、国別順位はスウェーデンと並んで第7位であった。
中国が獲得した5個の金メダルのうち4個までがスケートの女子ショートトラックによるものであり、中国は女子ショートトラックの全4種目(500メートル、1000メートル、1500メートル、3000メートルリレー)を制覇したのだった。
五星紅旗を両手で掲げてコースを回った
女子ショートトラックの優勝者は、500メートルと1000メートルが王濛、1500メートルが周洋、3000メートルリレーは王濛、周洋、孫琳琳、張会の4人であり、最終的に王濛は3個、周洋は2個の金メダルを獲得したのだった。
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2010-3-19 0:42
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「世界の工場」向け労働者派遣サービスが活況(中国発 経済観察報)
「農民工“土"司令的好生意」
経済観察報記者 楊陽/潘愛娟
「経営は順調だ。何の問題もない」。人呼んで「出稼ぎ労働者の司令官」の異名を持つ張全収は、本誌(経済観察報)記者の電話取材にそうきっぱりと答えた。3月4日午後8時、彼は翌日北京で開幕する両会(全国人民代表大会と中国政治協商会議)に出席するため、深セン空港の待合室で飛行機への搭乗を待っているところだった。
張全収は人材派遣会社、全順人力資源開発*の董事長(会長に相当)である。彼は最下層の労働力を“売買"するビジネスで成功し、(一介の出稼ぎ労働者から)企業のオーナー経営者にのし上がった。
*「人力資源開発」はヒューマン・リソース・ディベロップメントの中国語訳。
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2010-3-18 0:40
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現実の前にはボランティア教師など“道化師”だろう。それでも…(ルポ:“弱者”として生きるアメリカ)
(前回「タイソンはなぜ1億ドルも稼いだのに破産したと思う?」から読む)
ドアを開けると、いつもより教室が騒がしかった。テイラー・ハーパーが手を広げながら言った。
「今日のAは、あなたの授業を受けられるの。そのために必死で課題をこなしたのよ。褒めてやって」
Aの頭を撫でると、彼は照れたように笑った。
(これまでの経緯については、「賢く強く健気な子に、何もしてあげられないのか?」の回を参照)
Aの隣に、170センチ近くありそうな大柄な5年生の少年と、細く、浅黒い肌の5年生の少女が佇んでいる。
「ソウイチ先生っていうんでしょ」
大柄な少年が話しかけてきた。既に私の話が伝わっているらしかった。
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2010-3-17 0:08
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インドに世界大手がこぞって進出(インド発 Business Today)
「India - an emerging Nuclear hub」
インドが世界の原子力産業の中心地となり、原子力発電所の重要部品から技術まで世界中に供給する姿を想像してみて欲しい。
もちろん今はそんな状況にはないが、インドはもはや世界の原子力産業の最下層にいるわけではない。というのもインドには世界の原発大手である仏アレバや東芝ウエスチングハウス・エレクトリック、GE日立ニュークリア・エナジー、ロシア国営原子力企業ロスアトムが今、こぞってインド進出を目指している。
これらの企業はこの数カ月間に、インドにおける原子力発電所の建設や、インドを重要な原発部品の製造拠点として発展させていくための計画を密かに固めてきた。
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2010-3-16 1:45
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VWも日産も「先生は鈴木修」(時事深層)
新興国需要と低燃費志向で、小型車市場の争奪戦が過熱。独フォルクスワーゲンはスズキに頼り、日産は戦略車を発売。100万円を切る低価格車から高級車まで「小型」が成長軸に。
「(派手なイベントに呼ばれて)大変です。儲かっている会社は違いますね」
独VWのヴィンターコーン社長(中央)とスズキの鈴木会長
スズキの鈴木修会長兼社長は、独フォルクスワーゲン(VW)からの歓待ぶりを、苦笑しながらそう表現した。3月初めにスイスのジュネーブで開かれた国際自動車ショーでのことである。
スズキは昨年12月、VWとの資本提携を発表している。ショーの前夜に開かれたVWのイベントでは、独アウディなどグループ各社の新車紹介に先立ち、鈴木会長がステージに招かれた。
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2010-3-15 1:28
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大宇インターナショナル合戦の行方は(韓国発 毎経エコノミー)
大手商社の大宇インターナショナルの売却プロセスが本格化している。
大宇インターナショナルの買収に関心を表明し、同意書(LOI:letter of intent)を提出した企業は、ポスコ、ロッテ、大宇パートナーズコンソーシアム(DCP)などの4社だ。
業界は、事実上、ポスコとロッテによる買収合戦になると見ている。
ポスコは早い段階から、大宇インターナショナルの買収に関心を示してきた。ポスコの鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長はこのほど定例株主総会で、「鉄鋼事業の競争力は、安定した資源の自給にある。これからは海外の資源開発事業に、果敢に投資する」と語った。
一方、ロッテは電撃的に買収戦に参加してきた。
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2010-3-12 0:05
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農民から市民へ −「新生代農民工」の歩む道(中国発 経済観察報)
「新生代農民工的城市路」
経済観察報記者 姜雷
黄珊珊は旧正月(今年の元旦は2月14日)の休暇を旧暦7日まで故郷で過ごし、浙江省杭州市に戻ってきた。彼女の実家がある安徽省銅陵市から杭州までは、長距離バスで6時間かかる。10年前には近くの町にもめったに出かけたことのなかった農村の少女は、今では長距離の旅にもすっかり慣れっこになった。
肩までかかるロングヘアー、薄紅色のコート、膝丈のスカートにショートブーツ。その外見や仕草からは、彼女が銅陵市鐘鳴鎮清泉村の出身であることは想像もつかない。故郷を離れ都会へ出稼ぎに来てから早10年、杭州に住み始めて6年目を迎える。
旧正月前、黄珊珊はまた職場を変えた。
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2010-3-11 0:17
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「タイソンはなぜ1億ドルも稼いだのに破産したと思う?」(ルポ:“弱者”として生きるアメリカ)
(前回「賢く強く健気な子に、何もしてあげられないのか?」から読む)
翌日も少年Aは私の授業を受けられなかった。なので、少年Cとの個人レッスンになった。
「今日も眠たそうだな。また遅くまで働いたのか?」
「うん・・・」
Cの左目の上には傷があった。
「どうしたんだい?」
「フリーマーケットで喧嘩になっちゃって」
「ボクシングを使っていないだろうな?」
私はかなりきつい口調で咎めた。
「少し、パンチを出した・・・」
「約束を破ったのなら、俺はもうお前にボクシングを教えないよ」
「違うよ! 先生。自分を守るためには仕方なかったんだ。仕掛けて来たのは向こうなんだから」
「とにかく、今日は教えない」
「ごめんなさい」
前日に続いて、教室の隅からAがチラチラと我々に視線を送っている。
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