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ニュース見出し
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2011-7-21 0:00
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大丈夫。インド人の扱い方をよく知っているから(ブータン公務員だより)
ワンディさんは、知的な雰囲気を漂わせる女性です。いつもおっとりと、目尻に笑いじわを作りながら人の話を聞く。息子さんは高校3年生。ご自身は大学卒業後からブータンの農林省に勤め、いまは非政府組織(NGO)の代表をされています。
職場のカフェテリアで紅茶を飲みながら、ワンディさんは、いつも通りにこにこしてこう言いました。
「大丈夫。私たちブータン人は、インド人の扱い方をよく知っているから」
そして、少し納得のいかなそうな顔をしている私の目を見ながら、ゆっくり、こう説明してくれました。
「インド人はね、ミーティングに来るととても偉そうな態度を取る。こちらのマナーであるお辞儀なんかもせずに、ずかずかと部屋に入ってきて、でんと座る。
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2011-7-21 0:00
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外国製品を買う人を「売国奴」と罵ることは「愛国」か?(加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ)
前回コラム「『大陸と台湾』はOK、でも『中国と台湾』はノー」では、筆者が拠点を置く中国大陸において、「台湾」を扱うことがいかに困難なことか、具体的なエピソードを交えてお伝えした。
読者の皆さんもご存じの通り、中国と台湾は、現在に至るまで事実上の分離状態にある。多くの「中国人」が懇願する「祖国統一」はいまだ達成されていない。
筆者は、日ごろ北京で暮らしている。6月中旬に生まれて初めて台湾を訪れた。滞在中に、「中国」をどう見るかというテーマをめぐって、各界の有識者や学生たちと徹底議論した。
第三者という立場にある“特権”を行使して言わせていただきたい。「中国人」と「台湾人」の間に存在する心の距離は、筆者が想像していた以上に遠い。
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2011-7-20 0:00
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物乞いになった元金メダリスト(中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス)
先日、新宿の小さな中華料理店で食事をしていた時である。客は私たちしかおらず、暇なようで厨房で中国人スタッフたちが中国語で雑談しているのが聞こえた。「日本女子は強いなあ…」。すぐにそれが、ドイツで開催していた女子サッカーのワールドカップで躍進する「なでしこジャパン」の話題であることが分かった。ちょうど強豪スウェーデンを下して決勝進出を決めた日の翌々日のことだった。
ひとしきり女子サッカーの強さについて何やら話しているようだったが、ふと耳に入ったのは「女子サッカーの賞金(勝ち星ごとに払われるボーナス)は男子よりずっと低い」という言葉だった。
「なでしこジャパン」は7月18日早朝の決勝戦で、白い巨人族のような米国チームに2度先制点を奪われながら脅威の粘りで追いつき、最後はPKで勝つというスポーツマンガばりのドラマで世界一の栄冠を勝ち取った。
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2011-7-19 0:00
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美しく、そして空しき時を刻む日本(ODA削減でいいのか日本)
最終回は政府開発援助(ODA)の本質と言うか、ODAの「表の顔」に隠された「裏の顔」と言うか、本音の部分に焦点を当ててみた。それは公には誰も議論したがらない領域である。
対外援助の本音と思惑
さて、ここに1枚の「対外援助の国際比較」表がある。
興味を引くのは比較項目。この比較表はある研究所が考案したものである。その狙いは米国、英国、ドイツ、日本などの援助国が、対外援助を通してどのような国益を追求しているかを知ろうとしたものだ。比較する項目は「政策」、「直接的国益」、「国家イメージ」などである。
最初の「政策」項目には、貧困削減、良い統治、紛争解決支援といった国連での政策テーマが羅列されているだけで、一見していかにも「表の顔」。
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2011-7-19 0:00
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騒ぐほど逆効果?人民元巡る「中国叩き」(熊野信一郎のクロス・ボーダー)
今や「反中」がニュースにならない日はない。フィリピンやベトナムでは、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島の領有権を巡り国民の対中感情が急速に悪化している。領土問題が小康状態の日中間でも、新幹線の知財論争など、常に何かしらの火種を抱えている。
経済的にも軍事・外交的にも台頭著しい中国との摩擦は、周辺国や貿易相手国にとって宿命のようなもの。肝心なのは、前に進む力へと変換できるかどうかだろう。
「中国バッシング:その程度と担い手、効果(China Bashing: How much? Who does it? Has it worked?)」──。
今年5月に発表されたこんな論文がある。
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2011-7-15 0:00
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19年間捜し求めた我が子は米国にいた(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
江蘇省の夕刊紙「揚子晩報」は2011年5月11日付で『19年にわたる不思議な子捜しの記録、子供は米国人にもらわれていた』という記事を掲載した。この記事は非常に大きな反響を呼び、読者から多数の投書が殺到したため、同紙は5月12日、13日と連日にわたって記事に関する疑問の解明と記者による追跡リポートを掲載し、6月28日にはその後の推移を報じた。同紙が報じた「子捜し」の全貌を取りまとめると次の通りである:
ワンタンを食べ始めた息子を残し
安徽省蕪湖市繁昌県は省都・合肥市から南東に直線距離で約120キロメートルに位置する農村である。1992年、その繁昌県の新林郷郭仁村の農民“李緒文”は妻の“付桂花”と長男の“李祥”を連れて生まれて初めて出稼ぎに出た。
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2011-7-15 0:00
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監視社会に向かうインド(インド発 Business Today)
「Towards an Orwellian Society」
中国とインドのどちらがましかという議論で、インド擁護派が口にするお決まりのフレーズがある。「……そうはいってもインドは民主主義の国だから」。
前回私は、企業の電子メールの監視を支持するインド政府の主張は愚かしい限りだと述べた。これに対して、政府擁護派の一人は、この決定の理由は「不心得者」を探し出すことにあると私に説明した。
だが、これは実に奇妙な考え方だと思う。政府内の「誰かが」不心得者にならない保証などあり得ないのだから。そして、「ウィキリークス」−内部告発や情報漏えいを伝えるサイトの創設者ジュリアン・アサンジ氏が、最近あるニュース番組で語った告発を信じるなら、インドの政治家には既に何人も不心得者が居て、不正に入手した数十億ドルの富をスイスに隠しているという。
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2011-7-14 0:00
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ブータン家庭はかかあ天下、そこで夫は…(ブータン公務員だより)
ブータンで働き暮らしていると、女性の存在感の強さを感じます。
私が所属しているGNHC(国民総幸福度コミッション)は、政府の中で全体の計画を示し重要政策を統括するという役割を担っており、若手公務員からの人気が高い職場でもあります。職員のほとんどは海外の大学・大学院を卒業しており、世界銀行など国際機関での勤務経験がある人も少なくありません。
私の職場は、過半数が女性職員
そんなGNHCの職場をのぞくと、きっと多くの方は驚かれることと思います。女性がとても多いのです。例えば私のいる部署は、職員の過半数が女性です。
GNHC内には女性が部長の部署もあります。さらに上のポジションに女性が就くこともあり、例えば教育省の次官(官僚トップ)は女性です。
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2011-7-14 0:00
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「大陸と台湾」はOK、でも「中国と台湾」はノー(加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ)
6月中旬、筆者は生まれて初めて台湾を訪れた。上海浦東空港を離陸し、2時間弱で台北桃園空港へと着陸した。案外近いものだ。
飛行機の座席から窓の外をのぞくと、緑がいっぱい見えた。他の乗客たちと一緒に流れに乗って、入国審査へと進んだ。日本を含めた他の国と同様、本国人と外国人は別れて入国するルールとなっていた。本国人は少なかった。列に並ぶこともなく、スムーズに審査を受け、入国していく。そんな光景を、筆者は羨ましくながめていた。
外国人は長い列に並ばなければならなかった。それだけ外国からの訪問客が多いということであろう。筆者がよく入国する日本、中国、香港などもそうだ。台湾が特別なわけではない。
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2011-7-13 0:00
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結構じゃないか「ハードランディング」(肖敏捷の中国観〜複眼で斬る最新ニュース)
先日、ある高名なエコノミストのセミナーに出席した。案内状には「震災復興と社会保障の行方」というテーマが記されていたが、実際は中国経済の話が大半だった。
筆者としては意外な収穫で大変勉強になったが、「引き締め政策の強化で、中国経済がハードランディングするリスクが高まってきた」という彼の結論には違和感を覚えた。そこで、質疑応答の際に「初歩的な質問で恐縮ですが、ハードランディングの定義は何ですか」と質問した。これに対し、このエコノミストは「6カ月以内にGDP成長率が8%を下回ること」と回答した。
筆者もセミナーなどでよく話をするが、出席者からの質問に答え終わった時、大抵「これで、よろしいでしょうか」と念のため確認する。
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2011-7-13 0:00
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なぜ韓国に「ソーシャルテイナー」が生まれたのか?(日本と韓国の交差点)
韓国ではこの頃「ソーシャルテイナー」という言葉をよく耳にする。「Society」と「Entertainer」を合わせた造語だ。社会や政治の問題に対する自分の意見を、ソーシャルネットワークサイトで積極的につぶやく芸能人のことをいう。市民運動や集会にも参加する。
芸能人が貧しい人のために寄付をしたり、政治家になったりすることは、何十年も前からあった。ところが最近のソーシャルテイナーはちょっと違う。政治家になるわけではない。政党に加入したり市民団体に所属したりすることもない。自分の目線から見て社会の不条理なことや、これは納得いかないということに対して、Twitterとブログを利用して積極的に意見を言う。
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2011-7-13 0:00
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江沢民死去は誤報だったのか(中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス)
江沢民氏の死去について報道が錯綜している。
7月6日夕、香港のアジア電視台(ATV)が夕方のニュースで中国の前共産党中央総書記で前国家主席の江沢民氏が亡くなったと、報じた。その翌日7日午前、産経新聞も江沢民死去とスクープ号外(デジタル)を出した。「党の喉舌(代弁者)」である新華社通信はその日の正午過ぎに、これを純粋な噂と否定した。これを受けてATVは誤報であったと謝罪した。香港の蘋果日報は8日付1面で「江沢民生き返る」と見出しを打ち、大あくびを放っている江氏の写真を掲載した。
産経側は報道を取り消さないところをみると、やはり自信があるのだろう。聞くところによれば、北京の現場の記者や政治部記者が得た情報をもとにしたのはなく、社の上層部が持つ「確実な」ソースからのリークらしい。
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2011-7-12 0:00
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「虎門銷烟」・・・中国、屈辱の「近代」(中国経済史紀行)
■アヘンの海
香港ランタオ島の空港から東莞虎門鎮行のフェリーは、ターボジェットの双胴船だった。虎門鎮までおよそ80分。
筆者はちょうど30年前、1981年に香港から広州まで船で行ったことがある。中国本土への初めての旅だった。その時の船は、艀を少し大きくしたような改造貨物船だったことを記憶している。
摩天楼の密集する香港と、中山記念堂から一望の下に街全体が見下せる平べったい広州との対比に、「資本主義香港」と「社会主義中国」の落差を感じたものだった。
中国が本格的な改革・開放政策に踏み切ったのは、その後のことである。鄧小平のいわゆる「南巡講話」は、1992年の春節の前後に行われている。
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2011-7-12 0:00
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アジア一体化、福岡をハブに(アジア太平洋「三人行」 日中関係を語り尽くす)
麻生渡氏は、官僚トップを務めた後、長らく福岡県知事、全国知事会長として日本の地方自治を引っ張ってこられた。国の仕組みと地方自治の現場の両方に通暁されている人物である。
麻生渡氏
福岡は歴史的にアジア、とりわけ中国との関係が深い。平安時代にこの地に設けられた鴻臚館(こうろかん)は唐や新羅との外交、交易の窓口であった。
伝承にも中国起源と思わせる話がある。同県大牟田市といえば三池炭鉱で栄えたが、三池の名の由来は一説にこう言う。
昔、村の奥に悪い大蛇が生息し、村娘を生贄に求めてきた。村人たちが嘆いていると、有明海から巨大な蟹が上陸してその大きなはさみで大蛇をちょっきん、ちょっきん・・・。
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2011-7-12 0:00
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ユニリーバ、自転車で回る訪問販売員を擁してインド農村部を開拓(インド発 Business Today)
「Bicycle chief」
インド西部マハラシュトラ州プネーから西へ30キロ行ったところにある小さな村、ベッジワディ村に住むバルー・ベッジ氏(43歳)は、生活のために複数の仕事を両立するとはどういうことか、よく知っている。農家に生まれたベッジ氏はプネー近郊にあるランド・ポリプロダクト(特殊ポリマー樹脂メーカー)の工場で働いていた。2エーカーの農地を耕す時間がなかなか取れなかった。
そのため彼は1年前に工場を辞め、農業に専念し、米や小麦、ソルガムを育て始めた。だが、いざ土地の世話をする毎日になると、数時間は空き時間となることに気がついた。妻のヴァンダナに収入があるため、家族5人が困窮することはなかった。
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2011-7-11 0:00
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中国発“ODA”は「何でもあり」(ODA削減でいいのか日本)
アメリカン大学のデボラ・ブローディガム教授は2009年に「ドラゴンの贈り物(Dragon's Gift)アフリカにおける中国の真実」を出版した。その内容は、中国のアフリカ援助を丹念に現地調査しているだけあって新鮮だった。それは、中国の対外援助に関する情報が絶対的に不足していたからである。
それでは少し本の内容を紹介してみよう。
まず、(1)中国援助の特徴についてこう述べている。
中国援助の特徴は、ヨーロッパや日本から受けた援助のやり方を模倣していることだ。特に、中国は日本がかつて援助を商業的利益と結び付けた手法をアフリカで多用している。
1958年、日本は最初の円借款をインドのゴア鉄鉱石の採掘に供与するが、当時、ヨーロッパの掘削機材に比べて日本製品は品質が悪かった。
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2011-7-11 0:00
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「高齢者に厳しい」韓国の年金制度(知られざる韓国経済)
OECDによれば2007年における韓国の国民負担率は26.5%と、OECD加盟国平均の35.8%より低く、日本の28.3%より低水準です。「厳しい財政規律、少ない借金」で示しましたが、韓国では概ね均衡財政を守っているとともに、年金保険料を引き上げる予定もないので、当面はこのままの国民負担で推移する見通しです。
国民はそれなりの我慢をしている
このように韓国の国民負担率が低い背景には、公的年金など高齢者向けの社会保障の給付を抑えていることがあります。言い換えれば、負担を少なくするために、国民もそれなりの我慢をしているということでもあります。今回から4回シリーズで韓国の「公的年金」、「医療」、「介護」、「高齢者の生活」について取り上げ、韓国では老後の手厚い保障より、国民負担の軽減に重点を置いている点を示していきます。
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2011-7-11 0:00
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怪物キャラが増殖中 子供版“フェイスブック”(大竹剛のロンドン万華鏡)
ロンドン生まれのモンスターたちが、欧米の子供を虜にしている。その名は「モシモンスターズ(Moshi Monsters)」。子供向けソーシャルネットワークに登場するキャラクターたちだ。今年6月、会員数は5000万人を突破。英国ではキャラクターグッズが大人気で、7月からは米国の玩具チェーン・トイザラスでも販売が始まる。
モシモンスターズは、マイケル・スミスCEO(最高経営責任者)が2004年に設立したオンラインゲーム会社マインドキャンディが展開している。スミス氏は2007年、「子供向けフェイスブック」を目指し、6〜12歳を対象にゲームとソーシャルネットワークが融合したモシモンスターズを立ち上げた。
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2011-7-11 0:00
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グーグルとフェイスブック、激化する覇権争い(アメリカから見る未来)
インターネット検索サービス最大手の米グーグルが、6月28日から、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「グーグル+(プラス)」の試験運用を開始した。SNS世界最大手の米フェイスブックに再び対決を挑むこの戦略によって、両社の争いはさらに激しさを増していく。
試験運用中のグーグル+の情報ページ。「親しい友人」や「仕事上の知人」など、共有したい情報に応じてグループを分類できる機能を加えて、フェイスブックとの違いを出す
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グーグルとフェイスブックの対立は、依然から何度となく表面化していた。しかし、グーグルは検索エンジンであり、フェイスブックはSNSと別物だ。
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2011-7-8 0:00
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暴漢が開き直り「おれの親父が法律だ」(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
2011年6月、中国のあるネット掲示板に「山西省永和県の副県長“馮双貴”の親族4人が夜間に民家へ押し入り、主人に暴行した末に刃物で刺して重傷を負わせた」という内容の文章が書き込まれた。
その書き込みによれば、馮双貴の次男で、暴行に参加した“馮源”は、被害者から「国法というものはないのか。他人の家に勝手に侵入して暴行を働くとは何ごとだ」と詰問されると、すかさず「俺の親父は県長だ。永和県では俺の親父が国法だ」と応えたという。その横暴極まりない態度がネットユーザ−の反感を買い、当該書き込みは多数のネット掲示板に転載され、大きな反響を巻き起こしたのだった。
爆竹を鳴らした邪気ばらいがきっかけ
事件は5月10日午後1時半頃に永和県で発生した交通事故に起因する。
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