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ニュース見出し
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2011-9-15 0:00
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“嫌々ドル買い”が映す金融市場の危機感(Money Globe from London)
ユーロ圏ソブリン危機が再び深刻化の兆しを見せ始める中で、為替市場は再び「防御モード」に入っている。今回は、リーマンショック以降の為替市場の動きを参照しつつ、足元の市場環境について考察を加えた。為替市場の値動きに注目するのは、それが金融市場の「今」を映じた最新の指標となり得るからである。
かつて、ユーロとドルは補完関係にあった
まず、ドルとユーロに関して、各通貨の値動きを相手通貨の貿易ウェイトで加重平均した、通貨の総合的な変動を示す指数である名目実効為替レート(NEER)に注目した。2008年以降の動きを示したのが、以下の図表1である。例えば、ドルのNEERが上昇すれば、ドルは対円や対ユーロだけでなく、対南米通貨など含め総合的にドル高になっていることを示す。
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2011-9-15 0:00
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次の政権のキーパーソンは習近平だけではない(加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ)
2012年の中国はどうなるか?
これから2回、「2012年の中国」を読者の皆さんと共に考えていきたい。
本連載はすでにビジネス編に入っている。2012年の中国を、2011年9月の段階で予測することにも、正直言って無理がある。しかし、あえてこの問題に取り組んでみたい。どうかおつき合いいただきたい。
「2012年の中国はどうなっていくと思われますか?」
共産党首脳部、エコノミスト、社会学者、ジャーナリスト、軍人、それぞれ2人ずつ、合計10人に同じ質問をぶつけてみた。
最初の反応は、皆、版で押したように同じだった。細かい差異はあったものの、最大公約数を取るとこんな感じだ。
「加藤さん、君は中国を8年ウォッチしているけど、いまだに本質を分かっていないようだ。
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2011-9-14 0:00
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世界へ羽ばたく外向き・肉食日本人学生たち(田村耕太郎の「経世済民見聞録」)
バブル期より増加した海外留学生
前回は、韓国社会における激しい競争の背景について書いた。今回はその韓国で見た日本人学生のたくましい肉食・外向きぶりについて紹介したい。
日本の若者について、相変わらず、草食・内向きといった評価が多いと聞く。海外にいる私には、日本の若者の全体像をつかむのは難しい。だが、草食・内向きが増えたという実感はわかない。私の周囲では、外向き学生は減っていない。
現在私が滞在するアメリカへの留学生数は減っている。しかし、世界全体で見た場合、日本人の海外留学生の総数はバブル期より増えている。2010年12月に文部科学省が発表した「日本人の海外留学者数」によると2008年に海外の大学などに留学した日本人の数は6万6833人だった。
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2011-9-14 0:00
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小学生の給食無償化は税金の無駄遣いか?(日本と韓国の交差点)
2011年8月24日、ソウル市は大騒ぎとなった。「公立の小中学校に通う全生徒の給食を無償にすべきか」というテーマである住民投票が行われたのだ。
ソウル市教育庁は2011年から、公立小学校の1〜3年生に対して給食を無償で提供している。財源は教育庁とソウル市の傘下にある区の予算だ。2012年からは、これを公立小学校の全学年に拡大。2014年までに、公立の小中学校に通うすべての生徒を対象にする予定だ。
ソウル市教育庁によると、ソウル市の公立小学校1〜6年生は約52万8000人。全員に無償で給食を提供するためには年間2298億ウォン(約177億円)が必要となる。加えて、ソウル市の中学生は33万2000人。
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2011-9-14 0:00
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共和党候補者選に真打ちペリーが登場(オバマ再選の行方)
ペリー対ロム二ー「2強」対決の勝者は?
2012年11月の米大統領選に向けた野党・共和党の候補者討論会が9月7日、米ロサンゼルス近郊のレーガン図書館(シミバレー)で行なわれた。第40代大統領のレーガンは、共和党員にとっては「理想の大統領」。レーガン図書館はその「聖地」である。2012年3月には、同図書館を舞台に討論会が行なわれ、共和党指名争い前半戦の流れを決める。今回の討論会はその予行演習のようなものだ。ケーブルテレビMSNBCと政治専門サイトPoliticoが共催。討論の模様は全米に向けて実況中継された。
この討論会の主役は次の2人だった。一人は、8月13日に正式出馬するやいなや、直ちに支持率トップに躍り出た保守急進派のリック・ペリー現テキサス州知事(61歳)。
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2011-9-14 0:00
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江沢民氏死去は誤報だったのか、その後(中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス)
以前にもこのコラムで書き、今さらながらの話なのだが、前の国家主席だった江沢民氏は本当にお亡くなりになったのだろうか。最近の中国報道をみると、北京市郊外で静養中などといった記事が出ている。本当か嘘か確認のしようがないので、もし本当ならば、中国中央テレビ(CCTV)などがちらりとでもその静養姿をテレビ画面で流してくれればありがたい、と思っている。
このニュースは、多くの日本人にとっては、あんまり興味がそそられないだろう。しかし、それでも日本の全国紙・産経新聞社が号外(電子版)まで出した事件であり、同じく、特ダネとして「死去」報道した香港アジアテレビの副総裁が“誤報”の責任をとって辞任したほどのニュースなので、その後の顛末について少しまとめておこう。
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2011-9-13 0:00
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彼女がスカーフを許されない理由(日本に暮らすムスリムの日常)
前回は日本人男性ムスリムの話を紹介した。そこで今回は、日本人の女性信者に登場してもらおう。
東京の北多摩に住むイーマーンさんは、ヒジャーブと呼ばれるスカーフをまとい、毎朝、港区の会社に通勤している。彼女がイスラム教に最初に出会ったのは、10年以上前のこと。コーランの暗誦コンテストを見たマレーシア旅行まで遡る。その時アラビア語に興味を持ち、勉強したいと思った。しかし仕事が忙しく、実際にクラスを取り始めたのは今から6年ほど前だ。先生たちが皆ムスリムだったことや、自分でコーランの日本語訳を読んだことから徐々にイスラム教との距離が縮まり、4年ほど前に入信した。以来、普段からイスラム教の教えを極力守る努力をしているという。
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2011-9-13 0:00
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テロ10年、米国が背負う重荷(時事深層)
9月11日で米同時多発テロ発生から10年の節目を迎えた。世界に衝撃を与えた事件は米国に何をもたらしたのか。政治的な区切りとはなっても、経済に残した爪痕はなお大きい。
雇用増ゼロ──。
9月2日に米労働省が発表した8月の雇用統計が、9月11日に同時多発テロ発生から10年の節目を迎えた米国経済の現状を物語る。人口増加が続く米国では、平時でも毎月10万人程度の雇用増が求められる。なおも9.1%と高水準にある失業率を本格的に低下させるには20万人増が必要とされる。それに対し今回の統計は、失業問題にもがく米国経済の実態をあらわにした。
この失業をもたらした景気低迷の直接的な原因は、リーマンショックが引き金を引いた世界的な金融危機だ。
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2011-9-13 0:00
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この10年間で一番変わったCIA(隠された戦争)
2011年9月11日で、911米同時多発テロが発生してからちょうど10年になった。
この10年間、米国の安全保障機構は平時から戦時の体制へと大きく転換したが、その中でも最もドラスティックに変わったのが米諜報コミュニティのボス的存在である米中央情報局(CIA)であろう。
911テロが起きた時、CIAは、「米国を狙ったテロを予測できなかった」として大きな批判を浴びた。しかし、国家安全保障にかかわる米政府機関の中で、最も国際テロ組織アルカイダの脅威に精通していたのが、CIAだった。
実際CIAは、テロ発生の直前まで「アルカイダが米国を狙ったテロを計画している」と警告を発していた。2001年5月〜6月にかけて、アルカイダによるテロを示唆するインテリジェンスが30本以上集まっており、6月4日に開かれた米下院の情報委員会で、CIA対テロセンター(CTC)のコファー・ブラック部長(当時)は、
「私が懸念しているのは、わが国がこれまで以上に大規模で破壊的な攻撃の瀬戸際に立たされているということです」
と証言していた。
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2011-9-12 0:00
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原発と「中進国の罠」(熊野信一郎のクロス・ボーダー)
日本企業連合の受注が内定しているベトナムの原子力発電所の建設プロジェクト。日本が原子力技術の輸出継続を8月に閣議決定したことで、震災後に中断していた両者の実務者協議が再び始まった。
日本にとっても、そしてベトナムなどアジア各国にとっても、電力の確保は共通の課題だ。しかし両者では視点が違う。
日本では原発への依存度を下げることが中長期でのテーマとなりつつあるのに対し、アジアでは「とにかく供給を増やす」ことが求められている。
電力不足が経済成長の足かせとなり、将来にわたる国の競争力にとってマイナスとなる。そうした新興国に広がる危機感は、長らく「電気があって当たり前」だった日本の国民がイメージするのは難しいものだろう。
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2011-9-9 0:00
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ハーバード流に日本の高校生感激(時事深層)
ハーバード大学の学部生が来日し、日本の高校生に教える。
こんなサマースクールが今夏、東京に登場した。
内向き志向なぞ杞憂、と思わせるパワーが若者にはあった。
この夏、米ハーバード大学の学部生が日本の高校生に教える「HCJI-LAB:サマースクール2011『これぞリベラル・アーツ(教養学部)』」というユニークな企画が登場した。8月20日から7泊8日間、東京・文京区の旅館を借り切り、合宿形式で行われた。
授業は「北朝鮮を支える『主体思想』」「金融危機」「愛の心理学」「米国におけるアニメ」から、パレスチナ出身の学生が自らの家業を通して中東情勢を語る「パレスチナでのビール作り」と様々だ。
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2011-9-9 0:00
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アフリカで小学校寄贈、北京では農民工の学校を強制閉鎖(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
2011年8月、中国では“世界傑出華商協会”、“全球華商未来領袖倶楽部(全世界華商未来リーダークラブ)”、“中国青少年発展基金会”が発起した“中非希望工程(中国対アフリカ希望プロジェクト)”に関する話題がインターネット上で沸騰した。
中国で“希望工程”と言えば、「貧困児童就学援助プロジェクト」を指し、募金によって貧困地域の学童教育を支援する事業を意味し、この事業を通じて建てられた小学校は「希望小学校」と呼ばれる。これをアフリカで展開しようというのが“中非希望工程“であり、今後10年以内に総額20億元(約250億円)を投じてアフリカの各国で1000校の希望小学校を建設して寄贈するというものである。
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2011-9-8 0:00
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「ゆで蛙」香港はどこまで大陸化したか(肖敏捷の中国観〜複眼で斬る最新ニュース)
去る8月16日から18日にかけて、中国の李克強・筆頭副総理が香港を訪問した際、香港特別行政区政府は最高級の歓迎体制を敷いた。2013年3月に開催予定の全人代(全国人民代表大会)で、李氏が任期満了を迎える温家宝総理の後継者として最有力視されているため、次期国家指導者に敬意を払う意味で、香港政府は当然あるいは慣例どおりの対応をしたにすぎなかった。
ところが、李氏の香港訪問が成功裏に終わったにもかかわらず、今回の政府対応に対する非難の嵐は止まず、世論を分断させるほどの大論争に至っている。
「六四・Tシャツ」警察に連行
発端は香港大学だった。複数の世界大学ランキングで、東京大学や北京大学などを抑えてアジアトップの座を守り続けている同大学は、8月18日、訪問中の李克強・副総理を迎えて、創立100周年の記念セレモニーを行った。
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2011-9-8 0:00
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日本人が中国語を学ばなければ日中のパワーバランスが崩れる(加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ)
筆者は現在、中国各地方の大学を講義して回るプロジェクトの渦の中にいる。旅の途中で、大学以外に必ず行く場所がある。書店だ。
書店は社会の縮図。どの国家、社会でも同様であろう。本が並ぶ空間において、どんな本が出版され、売れているかだけでなく、消費者がどのような表情で書店に足を運び、本を手に取っているかにも興味がある。筆者も、中国語で本を書く人間として、読者の動向が気になるところだ。
残念なことに、中国では書店が普及していない。日本の諸都市では、どこへ行っても「本」の文字が目に入る。駅前は特にそうだ。ところが、中国ではそうではない。『新華書店』という国営書店が市場を独占している。民間の書店がそこに入り込む隙は、現段階ではない。
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2011-9-8 0:00
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日本に上陸した緑の黒船「Hulu」の“真価”(Tech MomのNew Wave from Silicon Valley)
9月1日、アメリカで人気のオンライン・ビデオサイト、「Hulu(フールー)」が日本でサービスを開始した。日本でのサービスは、月額1480円で見放題、現在は1カ月無料お試しができる。タイトルとしては、「24」「LOST」などといった人気テレビドラマ・シリーズや映画が中心で、CMは入らない。NTTドコモがマーケティング・パートナーとなっている。
iPadの画面に表示した「Hulu」のウェブサイト(写真提供:Hulu)
Huluは、アメリカの主要地上波テレビ局(Fox・NBC・ABC)などが出資する合弁会社。親会社のコンテンツを中心に、テレビ番組や映画をネット配信している。
アメリカでは、ユーザーは無料視聴で、番組の前や途中でCMが入るのが基本。
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2011-9-7 0:00
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列強に囲まれた宿命が韓国パワーの源泉(田村耕太郎の「経世済民見聞録」)
久しぶりに韓国を訪問した。ハーバード大学がアジアで開催する最大の国際会議、Harvard Project for Asia and International Relation(HPAIR)で講演することが目的だった。今年はHPAIR20周年の記念大会。記念大会が東京ではなくソウルで開催されるのは、それぞれの国の勢いを象徴するかのようだ。
今回は多くの出会いから韓国の底力の秘密について学んだ。結論を言えば「アジア各国の力が衝突する半島に位置するがゆえの厳しく悲しい歴史が韓国のパワーの源泉である」ということだ。
そして、この韓国を知る過程で、歴史と地政学を学ぶことが世界を知る上で重要であることを、改めて教えられた気がした。
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2011-9-7 0:00
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韓流ビューティーブームで化粧品の輸出が好調(日本と韓国の交差点)
先週末、久しぶりに明洞に出かけた。明洞はソウルで最も大きな繁華街で、外国人観光客にも人気がある。オフィス街でありながら、デパートやショッピングセンター、屋台が密集している。いつ行っても、人をかき分けないと歩けないほど混んでいる。
「韓流ブーム」と騒がれた2002年あたりから、明洞には日本人や中国人の観光客が多くなった。日本語と中国語しか聞こえてこないので、韓国だということを忘れてしまうくらいだ。どのお店にも日本語担当、中国語担当の店員がいる。最近は日本人や中国人を店員として雇うお店もよく見かけるようになった。
明洞で驚いたのは、春に比べてまた一層、化粧品屋さんが増えたことである。
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2011-9-7 0:00
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さよなら新京報、中国メディアの行方(中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス)
中国・北京のタブロイド紙京華時報と新京報がこのほど、北京市党委宣伝部に“接収”された。
京華時報は人民日報社が発行する都市報(いわゆる機関紙とは違う社会ニュースを主体とした新聞)として2001年に創刊。新京報は広東省の南方日報報業集団が北京進出をかけて光明日報報業集団と共同出資で発行した都市報で、2003年に創刊。ともに読者至上主義の姿勢を貫き、いわゆる党報(党中央機関紙など党の宣伝機関としての新聞)とは一線を画す果敢な報道で、それぞれ自称80万部の発行部数を誇っていた。
9月3日付け新聞を見ると、京華時報の題字横にあったはずの「人民日報社」の文字が「中共北京市委宣伝部」も変わっていた。
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2011-9-6 0:00
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「運命の赤い糸」で結ばれる理由(なでしこ姫はアジアをめざす)
アジア人男性と国際結婚した日本人女性は「偶然の出会い」からアジア人男性との交際をスタートさせている。そして、彼女たちは恋愛映画さながらの道筋をたどって結婚というゴールを迎えている。
私たちがインタビューしたアジア人男性と国際結婚をした日本人女性の多くが「彼との出会いは自分の人生において予想もしていなかった出会いです。自分でも彼と結婚したのが不思議です。運命としかいいようがありません」と述べている。彼女たちの話を聞いていると、アジア人男性と日本人女性の国際結婚は、「運命の赤い糸」に結ばれた縁によるものなのかもしれない、と思えてしまう。
「偶然の出会い」から「運命」の結婚へ
この日本人女性とアジア人男性との「偶然の出会い」による結婚を、山田教授は前々回のコラムで、日本人男性とアジア人女性の国際結婚が国際結婚専門業者を介した「見合い」であるのと対照的である、と指摘している。
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2011-9-6 0:00
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「商家始祖」・・・市場をみる千里眼(中国経済史紀行)
■美人計
象湯や雨に西施がねぶの花 芭蕉
この句にあるように、あるいはむしろこの句の強い影響を受けて、われわれの西施のイメージは、儚なげで嫋嫋たるものである。
実在の西施は、本当にそんな女性だったのだろうか。もとより越国が国運を賭けて探し出してきた美女である。眉目秀麗、容姿端麗。西施の美しさは、「閉月羞花」(その美しさに月も隠れ花も恥じらう)とか「沈魚落雁」(魚は沈み雁は落ちる)とか様々な形容がされている。しかし、筆者は西施には、単に容姿の美しさ以上に、頭の良さ、機智に富んだ会話や人の表情や動作からその心を見透す力とか、胆識、自らの役割を自覚し、情に溺れずに対処する能力とかが備わっていたに違いないと思うのである。
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