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ニュース見出し
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2011-10-20 0:00
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「冷蔵庫の中に野菜がない」(記者の眼)
「最近、毎月20軒ぐらいのペースでインド人家庭を訪問していますよ。これは楽しい仕事です。商品開発に役立つ情報が得られますから」。現地法人パナソニックインドで白物家電販売の責任者を務める太田晃雄HA販売担当部門長はこう笑顔で話す。
家庭訪問ってそんなに簡単にできるのだろうか。もし自分がメーカーから頼まれても断るような気がする。
「インド人の消費者はわりと協力的です。『日本人が伺います』と電話などでお願いすると、たいていはオーケー。ちょっとしたお土産でも持って行こうものなら、大歓迎されます」と太田氏は説明する。「インド人は親日家が多い」というのは本当のようだ。
開閉ドアにペットボトルがぎっしり
インド人家庭への訪問をほぼ“日課”にしている太田氏が驚いたことがある。
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2011-10-20 0:00
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中国語で交渉すれば相手の本音を引き出せる(加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ)
ここ数回、「中国ビジネスにおける交渉を現場でどう動かしていくか」というテーマで議論を進めてきた。9月29日のコラムでは、筆者自身の体験から「通訳の重要性と戦略性」を挙げた。前回コラムでは、交渉に挑む布陣に「明るい性格で、現場の動きにも柔軟に対応できる女性通訳」は不可欠と記した。
プロの通訳に橋渡しを委託し、正確なコミュニケーションを図ろうという考え方は正しいと思う。日本人と中国人が、お互いに中途半端な中国語あるいは日本語で交渉し、意思疎通すらままならないという具合では商談は進まない。語学力が表現力に乏しい初歩のレベルにあるならば、通訳を介するのがベターな選択肢だ。
とはいうものの、習得した中国語で対中交渉に挑む、即ち、相手の土俵で勝負するスタイルに勝るものはないと筆者は考える。
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2011-10-19 0:00
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「中国を変えるのは革命しかない」(中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス)
辛亥革命の発端となった武昌蜂起から100周年に当たるのが今年の10月10日だった。その前日の10月9日、北京の人民大会堂では盛大な記念式典が催された。
式典では一時期、死去したとのうわさも流れた前国家主席の江沢民氏が突然姿を現すなど、何かと話題が豊富だったが、その後、北京を訪れて、友人の記者やオピニオンリーダーたちに感想を聞いてみると「外国人から見れば盛大に見えたかもしれないが、実際のところは、ピリピリだったよ」という。「取り消しになった催しも多かった」「掲載差し止めになった論文・記事もたくさんあった」とも。
中国共産党側としては、孫文の中華振興のスローガンを掲げて、中台統一の機運を盛り上げよう台湾と共同の記念式典開催を画策したものの、総統選挙を約3カ月後に控えた台湾・馬英九政権としては、この誘いにのるわけにもいかず、胡錦濤政権的には思惑が外れた。
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2011-10-19 0:00
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“分裂国家”の様相を呈してきたアメリカの“階級闘争”(前編)(オバマ再選の行方)
経済不況、増大する失業者と貧困者、貧富格差の拡大、機能しない政治、広がる閉塞感「超大国・アメリカ」の現在の状況は1930年代の大恐慌時代を思わせる。3年前に「Yes we can」(我々はできるのだ)の掛け声とともに史上初の黒人大統領を選んだ時にアメリカを覆った熱気がウソのようだ。
こうした状況下で、今、お互いに全く相容れない二つの階層から、「草の根」と自称するマグマが噴出し、得体の知れないうねりとなって全米に広がっている。
二つの異なる階層から噴出したマグマ
一つは草の根保守「ティーパーティ(茶会)運動」である。中西部シカゴの白人中産階級から2年半前に噴き出た。
運動の主体は、地方都市の自営業者と非労組組合員の白人労働者たちだった。
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2011-10-19 0:00
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白いスープのラーメンが王者「辛ラーメン」のシェアに食い込む(日本と韓国の交差点)
韓国ドラマや映画を見ていると、貧乏な青春を象徴する仕掛けとして、こんなものがよく登場する。冷蔵庫の中で数カ月は放置されていたような赤いキムチ。緑色の瓶に入った焼酎。そして、ぼこぼこになった古いヤンウン鍋(アルミでできた小さい鍋)に辛いインスタントラーメンだ。
韓国人にとってラーメンとは、最も安上がりにお腹をいっぱいにできる食事だ。さらに、すぐ食べられる、体を温めてくれる、非常食でもある。辛いものを食べないと食事をした気にならない韓国人が多いので、海外出張には必ず持っていく。空港に行けば、辛いインスタントカップ麺を箱詰めにして手軽に持ち運べるようにした出張パックまで売っている。ファミレスで外食した後、口直しに辛いのが食べたくて、家に戻ってインスタントラーメンを食べてしまったという話もよく聞く。
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2011-10-19 0:00
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「コバンザメ」で攻めるアジアの飲料市場(「アジアの恋人」はこう攻める)
「目指すのは、日本のサントリーホールディングスやアサヒグループホールディングス。ロッテ七星飲料は2018年、総合飲料メーカーに成長する」。
ロッテグループの中で飲料を製造販売するロッテ七星飲料。現在、韓国内の清涼飲料市場では、いくつかの部門でトップシェアを誇っている。2018年までには、売上高を2008年比の5倍、7兆ウォン規模まで拡大させる計画だ。
「韓国内の清涼飲料で3兆ウォン、アルコールで2.5兆ウォン、そして海外事業で1.5兆ウォン。それぞれ2018年に到達できれば、7兆ウォン規模の総合飲料メーカーに脱皮できる」とロッテ七星飲料の李載赫代表は説明する。
しかし、飲料はアジア攻略が非常に難しい分野。
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2011-10-18 0:00
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神が判断する善悪を人が理解することは可能か?(日本に暮らすムスリムの日常)
今回から数回にわたり、日本人ムスリムがどのようにイスラム教を受け入れ、伝統的なイスラム教の解釈や、外国人である夫との関係において信仰と向き合っているかを見ていく。
この話は、日本社会が彼らをどう受け入れるかという話とは直接は関係ない。しかしムスリムの側が日本社会と折り合いをつけようとする上で、どのようなダイナミズムが背景にあるのかの理解につながると思う。
前回、前々回と見てきた子どもの教育や子育てに関わる問題で、もう一つ見逃せないのが、親自身のイスラム教との向き合い方だ。ムスリムとしての教育をどこまで子どもに施すかは、親の信仰心の強弱だけでなく、親がイスラム教をどう解釈するかも左右する。
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2011-10-18 0:00
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1200万店舗の中にどう流通網を作る(本場インドで日本のカレーは売れるか?)
インド国内にある流通店舗数は1200万店舗とも言われる。そのうちの90%近くは「キラナ」と呼ばれるいわゆるパパママストアとされる。日用雑貨品(FMCG)のガリバーであるヒンドゥスタンユニリーバの販売店舗は600万店舗を超えると言われるが、それでもまだ広大なインド市場の全域をカバーしきれていない。同社では、さらにチャネルを広げるために、小規模都市や農村エリアでは「シャクティ」と呼ばれる草の根プロジェクトも展開し、インド国内隅々まで商品が届くチャネル開発を進める。
数平方メートルの扉もない小規模な店舗があちこちに乱立しているのを見て、日系FMCGメーカーは「こんな小さな店舗の隅々まで営業もできなければ配送もできない」と頭を抱えているのが実情だ。
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2011-10-18 0:00
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我々が勝つか、コレラが勝つか(終わりなき戦い)
ソマリアで今、コレラが流行している。
首都モガディシュにある病院のコレラ病棟
コレラとはコレラ菌に汚染された水や飲食物を食べたり飲んだりして感染する伝染病だ。病原菌を口に入った後、早い場合は数時間で腹部に不快感を感じ、突然下痢と嘔吐が始まり、その症状がどんどん悪化していく。重症化すると血圧が低下してショックに至り、治療をしなければ死亡率が5割以上、時に8割に及ぶこともある。
コレラの発祥はガンジス川下流と言われるが、感染力が強いため、ヒトやモノの移動と共に拡がり、これまで7回もの世界的大流行があった。日本にも江戸時代や明治時代に何度か大流行し、1度に10万人以上が死亡したとの記録もある。
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2011-10-17 0:00
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中国は包容力を持って接してくれる(アジア太平洋「三人行」 日中関係を語り尽くす)
加藤嘉一氏
本日はぐっと若いゲストの登場である。加藤嘉一氏。中国で一番有名な日本人と言われている人物だ。若者たちの間では、とりわけ中国からの留学生からはある種、英雄視されている日本人である。
なるほど、中国や香港のメディアには出ずっぱりであるし、日本のテレビでお目にかかることも少なくない。日経ビジネスオンラインでも健筆を振るっている。最近では日中の本音交流をテーマにした著書も出版されている。
極端に走りすぎる危うさもある
日本と中国の関係には、昨日、今日、明日がある。
この「今日」の主人公のひとりとして若年層を忘れてはならない。現在の社会経済文化を作り上げてきた人々は中高年以上の世代だが、これに活力を与え「明日」に橋渡ししていくのが若者である。
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2011-10-17 0:00
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新局面迎えたウォール街占拠デモ(アメリカから見る未来)
若者を中心に始まった、行き過ぎた市場経済に抗議する「Occupy Wall Street(ウォール街占拠デモ)」。この活動に共鳴する人達が、後を絶たない。デモと集会は、銀行や証券会社などが立ち並ぶ世界経済の中心「ウォール街」で行われている。発端はソーシャル・ネットワーキングの呼びかけで数百人規模から始まった運動だ。しかし、その規模は現在、5000人〜7000人とも言われている。
デモ隊が独自に作る「Occupied Wall Street Journal(占領されたウォール・ストリート・ジャーナル)。有名紙をもじった新聞を発行し、道行く人に配布している。
それだけではない。
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2011-10-17 0:00
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憶測呼ぶ「プーチン2.0」(大竹剛のロンドン万華鏡)
来年5月、ウラジーミル・プーチン首相(59歳)がロシアの大統領に返り咲くことが確実となった。「プーチン2.0」とも呼ばれる第2次プーチン政権の行方について、様々な憶測が飛び交っている。
国家資本主義が強化され、西側の企業はロシアでビジネスがやりづらくなる。これが、欧米や日本での一般的な受け止め方だろう。現在、大統領を務めるドミートリー・メドベージェフ氏を改革・穏健派とする一方、プーチン氏を経済活動への統制を強化する強権派と見る向きである。
メドベージェフ氏は経済の「近代化」を掲げ、国営企業の民営化や汚職撲滅、IT(情報技術)産業の育成などの方針を掲げた。米シリコンバレーを訪れてツイッターでつぶやいてみせる姿などは、西側諸国に好印象を与えてきた。
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2011-10-14 0:00
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ホンダ、止まらぬ2輪の快走(時事深層)
ホンダの収益を支える2輪事業が海外で快走している。新型エンジンを投入し、インドネシアでは新工場を検討する。世界販売台数3000万台計画が現実味を帯びてきた。
「性能を向上させたのに価格は据え置く。競争力のあるエンジンになる」。9月26日、2輪車用の新型エンジンを発表したホンダの大山龍寛・取締役専務執行役員は、こう強気の見方を示した。
2種類の新型エンジンの共通点は、海外を主要販売地域とすることだ。排気量125ccの機種はスクーターへ搭載するもので、燃費性能を25%改善した。主に東南アジアなど新興国で生産して現地で販売する。地域ごとに3種類あったエンジンを、2〜3年かけて新型エンジンに統一していく。
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2011-10-14 0:00
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グーグルとフェイスブックが「別格」たるもう1つの理由(Tech MomのNew Wave from Silicon Valley)
前回のコラムで、「Hulu(フールー)」などのネット映像配信の価値は、「配信」の部分でなく、検索・過去履歴・オススメ・ソーシャルなどといった「ネット独特のインテリジェンス」にある、ということを書いた。
このようにウェブの世界は、クラウドの中に存在するあらゆるデータを燃料として「インテリジェンス」を作り出す巨大な「発電所」の顔を持つ。そして、それを支える技術が、最近話題の「ビッグデータ」だ。
ビッグデータとは、膨大な量のデータを処理・分析し、その結果を業務に活用する仕組みのこと。金融など、定型的なトランザクションデータが膨大に発生する業界では、従来から自社内でそのデータを処理・分析して、株価の予測やオプション取引の価格づけなど、さまざまな目的に活用していた。
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2011-10-14 0:00
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豪華社員旅行中に社長が逃亡(世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」)
中国では旧暦の8月15日を“中秋節”と呼び、月を眺めて月餅を食べる風習がある。これは日本で「十五夜」に「中秋の名月」を眺めるのと同じ、日本では月餅の代わりに月見団子を食べる。2011年の中秋節は9月12日であったが、中国では中秋節が法定休日で、今年は9月10日から12日までの3日間が連休になっていた。
浙江省温州市の洞頭県は、温州市から見て南東の海上あり、点在する多数の島からなるが、海上に建設された14.5キロメートルの大堤防で温州市の市街地とつながっている。その洞頭県の揚文工業区にある“温州奥米流体設備科技有限公司(Wenzhou Aomi Fluid Equipment Science & Technology Co., Ltd.)”<以下「奥米流体」>は、無菌バルブ、真空バルブ、食品・医薬品の生産設備に使うサニタリーバルブなどを製造する企業である。
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2011-10-13 0:00
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マネー逆流、新興国に新たな危機(時事深層)
欧州の財政危機と米国の景気減速懸念が強まり、投資マネーが逆流し始めた。資源価格とともに新興国の通貨や株式が急落に転じ、為替・金融政策も混乱を見せる。1997年のアジア通貨危機当時と違い、先進国には手を差し伸べる余裕もない。
世界の投資マネーが逆流し始めた。
最高値圏での推移を謳歌していた金相場が急落に転じると、異変は証券・金融市場に連鎖。ブラジルレアルやオーストラリアドルなど、資源価格と連動して上昇していた新興国の通貨や株式も売られた。
ブラジルレアルは8月末に1ドル=1.6レアル近辺の高値圏にあったが、9月に入り下げ足を強め、一時は1.95レアル近辺まで約2割も急落。豪ドルもこの1カ月間で約1割、下落した。
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2011-10-13 0:00
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「温州商人の夜逃げ」に見る真の病巣(肖敏捷の中国観〜複眼で斬る最新ニュース)
去る10月4日、国民の祝日である「国慶節」の連休中、温家宝総理が浙江省の温州市を訪れた。公式発表をみる限り、これは今年に入ってから2度目の訪問となるはずだ。しかし、土日や休日もないくらい、地方視察を精力的に行っている温総理にとって、この2回の温州訪問はいずれも不本意なものであったと言わざるをえない。
前回の訪問は7月28日だった。7月23日、温州で高速鉄道の衝突事故が起きたのを受け、しばらく入院していた温総理は、医者の反対を押し切って駆けつけ、40人が亡くなった事故現場で記者会見を敢行。原因究明について国民に責任のある回答をするよう、関係者に厳命したのだった。
温家宝総理自らが火消しに躍起
その記憶も新しいうちに、今度は温州の金融危機を沈静化させるための訪問である。
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2011-10-13 0:00
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サムスンとLGを抑えて「テレビ首位」奪取(インド12億人市場・勃興する中間層を狙え)
インド市場で先行する家電メーカーといえば韓国のサムスン電子やLG電子。両社の直近のインド事業の年間売上高は2500億円以上とみられる。この2社を猛追するのがソニーだ。薄型テレビの金額シェアでは、サムスンとLGを抜いて首位の座を獲得。好業績の立役者であるソニーインディアの玉川勝社長に、成長市場で波に乗るための秘訣を聞いた。
問:ここ最近のインド事業の業績などについて教えてください。
玉川:インド事業での2011年3月期の売上高は1500億円ぐらいでした。2007年3月期から成長率が平均25%でまずまず、といった状況です。2011年3月期の薄型テレビの金額シェアが31.8%、サムスン電子(30.4%)とLG電子(20.9%)を押さえてトップに立ちました。
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2011-10-13 0:00
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中国企業との交渉に必要な5つの人材像(加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ)
前回コラムでは、中国ビジネスの現場に欠かせない「酒」について筆者の苦い思い出を紹介し、読者の皆さんと共有したいポイントを8カ条としてまとめさせていただいた。
その後、少なくない読者から直接連絡があり、「加藤さん、今度北京に行きます。そのときはぜひ、白酒で練習につき合ってくれませんか?」という相談を受けた。光栄なことである。ぜひ皆さんと共に様々な「現場」を体験していきたいと思っている。
さて、今回は「交渉のための布陣」である。中国ビジネスの交渉の現場に、どのような人的布陣で挑むべきかというテーマを考えたい。
面会は11時前、14時後が望ましい
まずはいつものように、筆者の体験談をお聞きいただきたい。
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2011-10-12 0:00
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子供に外国語を学ばせないススメ(中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス)
私のある男性の友人は、中国の残留孤児2世で日本のパスポートを持っているが日本語をほとんど話せない。40代で、3歳と1歳の可愛い盛りの2人の娘がいる。
その友人が少々深刻な顔をして言う。「大きい娘がいまだほとんど言葉を話さないんだ…」。奥さんも中国人で日本語を話せない。家庭内で話す言葉は中国語。日本には、日本語を使わずに済むくらいのしっかりした華人コミュニティがあり、仕事も困らない。しかしテレビや周囲の環境には日本語があふれている。周囲の大人たち、子供たちも日本語を話す。おそらく、それで言葉が遅いのだろう。
「まだ3歳なんだから気にすることないよ」と慰める。その娘は子供服のモデルになってもいいくらい愛らしい顔立ちで、私と目が合うと、何か言いたげに口を開けるのだが、言葉にならない。
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