29日の東京株式市場、日経平均株価は、小幅に値上がりしました。

29日の東京外国為替市場では円安が進み、円相場は一時1ドル＝144円台後半まで値下がりして、およそ7か月ぶりの円安ドル高水準を更新しました。28日にポルトガルで開かれた金融シンポジウムで、FRB＝連邦準備制度理事会のパウエル議長や日銀の植田総裁の発言から日米の金利差の拡大が意識され、円売りドル買いが進んでいます。外国為替市場では欧米が当面、金融引き締めを続ける一方で、日本では金融緩和が続くという見方が強まっていて、円を売ってより高い利回りが見込めるドルやユーロを買う動きが広がっています。

国内の主な自動車メーカーの先月の生産台数は、半導体の供給不足が和らいでいることから、8社すべてで去年の同じ月を上回りました。

上場企業の株主総会が29日、ピークを迎えています。ことしは、株主から配当の増額や取締役の選任などを求める提案が相次ぎ、株主提案を受けた企業は過去最多となっています。

アメリカのバイデン大統領は、インフラなどへの大型投資を通じて中間層の所得の底上げを目指す自身の政策を「バイデノミクス」と銘打ち、アメリカ経済は好調だとアピールしました。バイデン大統領としては、再選を目指す来年秋の大統領選挙に向けて、経済政策での実績を前面に打ち出していくとみられます。

日銀の植田総裁やヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁など日米欧の中央銀行のトップがポルトガルで開かれた金融シンポジウムに参加しました。欧米が利上げを継続する必要性を強調したのに対して日銀の植田総裁は当面、今の金融緩和を続ける考えを示し、欧米との姿勢の違いが鮮明になりました。

昨年度 令和4年度の国の税収は71兆円台と初めて70兆円を超えたことが分かりました。景気が緩やかに回復する中、好調な企業業績や堅調な消費を背景に法人税や消費税の税収が伸びたとみられます。

28日の東京外国為替市場、アメリカで利上げが続くという見方からドルが買われ、円相場は去年11月以来7か月ぶりに1ドル＝144円台前半まで値下がりしました。

株主総会で取締役の選任など株主側から提案を受ける企業が増えていることについて、経済同友会の新浪代表幹事は28日の記者会見で、企業の価値を中長期的に高めることにつながるかどうかの見極めが重要だという認識を示しました。

28日の東京株式市場は、外国為替市場で円安が進んでいることなどを背景に全面高の展開となり、日経平均株価は600円以上値上がりしました。