東京証券取引所一部に上場する企業は、今年度の業績について、原材料価格の高騰の影響で上半期は２０％の減益となるものの、下半期は逆に１０％の増益を予想するなど、年度の後半での急速な回復を見込んでいることがわかりました。

東京証券取引所に上場する企業のことし３月期の決算発表が１５日にピークを迎え、全体では５年連続で経常利益が過去最高を更新しましたが、来年３月期は、原材料価格の高騰などの影響で７年ぶりの減益の予想となっています。

企業の設備投資の先行きを示す主な機械メーカーのことし３月の受注額は、建設機械や通信機の受注が減少したことから前の月を２か月連続で下回り、内閣府では、機械受注は「足もとは弱含んでいる」として１１か月ぶりに判断を下方修正しました。

大手電機メーカーのことし３月期の決算は世界的な販売の伸びに支えられて過去最高の利益となる企業が相次ぎましたが、今年度は円高や薄型テレビなどの価格下落が収益を圧迫する見込みで、各社では新興国への販売拡大で業績を維持したい考えです。

中国で起きた大地震で、中国の四川省にあるトヨタ自動車の工場は、設備の修理に加えて部品の調達に問題がないかどうかの確認作業にも時間がかかっているため、操業の休止期間を１６日の朝までさらに１日延長するなど、現地に進出している日本企業への影響が続いています。

業績の不振が続く「新生銀行」は、２年前まで社長や会長を務めていた八城政基氏が新しい会長に復帰する異例の人事を決めました。新生銀行のティエリー・ポルテ社長は「八城氏は新生銀行が日本ではユニークな銀行として発展するうえで不可欠な役割を果たした。今後、経営に深くかかわることを期待している」と述べました。

政府は、豊富な鉱物資源が埋蔵されているとみられるアフリカ南部で資源の確保を図ろうと、世界有数のブラジルの資源会社と鉱山の共同開発などの協力関係を結ぶことで正式に合意しました。政府は、今回の協力をきっかけに世界的な資源の開発を進めたい考えです。

日本航空は、燃料価格の高騰が続き、一段の費用削減が必要だとして、社員の給与をことし１０月から５％カットする方針を固め、年間１００億円の人件費削減を目指すことになりました。

昨年度・平成１９年度の日本の経常収支の黒字額は、ヨーロッパやアジア向けの輸出が増えたことなどから、２４兆５５００億円と５年連続で過去最高を更新しました。

日産自動車は、二酸化炭素の排出を大幅に抑えた電気自動車を環境対策車の柱と位置づけて、２年後の２０１０年度に日本とアメリカで販売を始めることを正式に明らかにしました。