日銀の白川総裁は１７日の記者会見で、アメリカの金融当局による最大手の保険グループ、ＡＩＧの救済について、金融システムが不安定になっているなかで最善の決断をしたと評価しました。

アメリカ政府と、中央銀行にあたるＦＲＢ・連邦準備制度理事会は、資金繰りが困難になり株価が急落していた巨大保険グループ「ＡＩＧ」に対し、ＦＲＢを通じて８５０億ドル・日本円にしておよそ９兆円を融資することを発表しました。公的資金を使った救済に踏み切ることで、大手保険会社の破たんによるアメリカ発の金融市場の混乱の拡大を阻止したいという姿勢を示したものと受け止められています。

アメリカの証券大手「リーマン・ブラザーズ」の経営破たんをきっかけに金融不安が高まっているなか、日銀は、金融機関の資金のやりとりに支障が出ないよう短期金融市場に１７日一日で３兆円の資金を供給しました。

アメリカの大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」の経営破たんで世界的に金融市場が混乱するなか、日銀は金融政策決定会合を開き、アメリカの金融不安が実体経済に与える影響などを注意深く見極める必要があるなどとして、今の金融政策を維持することを決めました。

「リーマン・ブラザーズ」の経営破たんの影響で、１６日、大きく値下がりした東京株式市場は、アメリカ政府が、経営が悪化しているアメリカ最大手の保険グループ「ＡＩＧ」の救済策を発表したことなどから、金融関連の銘柄などに買い注文が集まり、株価は大幅に上昇しています。

資金繰りへの懸念が強まっていたアメリカ最大手の保険グループ「ＡＩＧ」に対して、アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ・連邦準備制度理事会は、８５０億ドルの融資を行うという救済策を発表しました。

１７日の東京外国為替市場は、資金繰りが懸念されているアメリカ最大手の保険グループ「ＡＩＧ」に対して公的な支援が行われるのではないかという観測などから、ドルを買い戻す動きが広がり、円相場は大幅に値下がりしています。

日本経団連は、海外の子会社があげた利益を配当金として国内に戻しやすい制度に改めるよう、来年度・平成２１年度の税制改正で要望していくことになりました。経団連では、日本に配当金として戻す海外の利益には税をかけないよう改めるべきだとしています。

民事再生法の適用を申請した「リーマン・ブラザーズ」の２つの日本法人のうち「リーマン・ブラザーズ証券」の桂木社長が、１６日夜、記者会見し、日本法人２社の負債総額があわせて３兆９０００億円余りに上ることを明らかにしました。

アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は、１６日、金融政策を決める公開市場委員会を開き、金融市場の緊張が増すなか、景気が悪化するおそれとインフレの可能性の両方に重大な懸念があるとして、銀行どうしが当面の資金をやり取りする際の金利水準を決める「政策金利」を２％に据え置くことを決めました。