化学物質の「メラミン」の混入が疑われる牛乳を中国のメーカーから仕入れて丸大食品に納めていた大手商社の住友商事は、牛乳の安全性が確認されるまでこのメーカーとの取り引きを中止することになりました。

食用に使えない輸入米などの不正転売が各地で相次いでいる問題を重くみて、酒造メーカーが加盟する全国各地の組合では、コメの仕入れ先の情報を加盟社に提供するなど、信頼回復に向けた取り組みが広がっています。

コメの不正転売問題の責任をとって大臣と事務次官がそろって辞任した農林水産省は、再発防止策を速やかに実施するとともに、消費者本位の行政に転換し、食の安全に対する不信を解消することが課題になります。

政府は、今月の月例経済報告で、景気の先行きについて、アメリカの大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」の破たんで金融不安が高まり、景気がさらに下振れするリスクがあるとしています。

アメリカの金融危機をきっかけに、世界規模で景気が減速することへの懸念がさらに強まっていますが、大手電機メーカーの「東芝」が今年度の業績見通しを大幅に下方修正するなど、日本企業の業績への影響も広がり始めています。

大臣と事務次官がそろって辞任した農林水産省で、新旧の次官が会見し、１９日付けで就任した井出道雄事務次官は、食用に使えない輸入米などの不正転売問題の再発防止に全力で取り組む考えを示しました。

１９日の東京株式市場は、アメリカ政府が金融機関の不良債権を買い取ることを検討しているという情報が伝わって、１８日のニューヨーク市場が大幅に値上がりしたのを受けて、金融関連株を中心に買い注文が膨らみ、株価は大きく値上がりしています。

ニューヨーク株式市場は金融不安から株価が激しく乱高下したあと、アメリカ政府が金融機関の不良債権を買い取ることを検討しているという見方が市場に伝わったことで、期待感が一気に高まり、結局、平均株価は４１０ドル値上がりして取り引きを終えました。

１８日に発表された都道府県地価調査によりますと、景気が後退局面に入るなか、地価は、全国の商業地が再び下落に転じ、三大都市圏の商業地や住宅地の上昇幅も大幅に縮小しました。

アメリカの金融危機で、欧米の金融機関を中心にドルを調達しにくい状況が続いていることから、日銀は、１８日夕方、アメリカやヨーロッパなど世界の主要な中央銀行と協調して日本の金融市場でもドル資金を供給する過去に前例がない市場の安定化策を実施する緊急声明を発表しました。