１０日、更正特例法の適用を申請して破たん処理に入った生命保険会社の「大和生命」は、事業の再建に向けて支援先を探すことになりますが、ほかの保険会社と比べて販売費などの事業費が高いといった問題も抱えており、受け皿となる企業が現れるかどうかが焦点となりそうです。

株価が急落して経営危機に陥っているアメリカ最大手の自動車メーカー、ＧＭ＝ゼネラル・モーターズは「破産法の適用申請は考えていない」との緊急のコメントを出したほか、フォードはＣＦＯ＝最高財務責任者を交代させると発表するなど、アメリカの自動車メーカー各社は市場に広がる経営不安のふっしょくに努めています。

ワシントンで開かれるＧ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議を前に、中川財務・金融担当大臣はアメリカのポールソン財務長官と会談し、ブッシュ大統領が金融機関の資本増強に公的資金を投入する考えを示したことについて、金融危機を食い止める有効な策だと歓迎する意向を伝えたものとみられます。

金融危機が世界的に拡大するなか、Ｇ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議が、日本時間の午前３時すぎからワシントンで始まりました。アメリカが示した金融機関の資本増強に公的資金を投入する方針などをＧ７として支持し、金融危機の阻止に断固とした姿勢を打ち出す見通しです。

ニューヨーク株式市場は、取り引き開始直後には売り注文が集中し、平均株価は５年半ぶりに８０００ドルを割り込んだあと、いったんは買い戻す動きも出たものの、ブッシュ大統領が読み上げた声明で新たな対策が打ち出されなかったとして、再び値下がりしています。

ニューヨーク株式市場は、取り引き開始直後から売り注文が集中し、平均株価は一時５００ドル以上値下がりし、２００３年４月以来、５年６か月ぶりに８０００ドルを割り込みました。

東京・千代田区にある生命保険会社「大和生命」は、世界的な金融市場の混乱で保有する資産の価格が大幅に下落し債務超過に陥ったとして、１０日、一般企業の会社更生法に当たる「更生特例法」の適用を東京地方裁判所に申請しました。これにより大和生命は破たん処理に入りますが、保険契約の大部分は保護されます。

消費の低迷が続くなかで、デパート大手の「高島屋」と、「阪急阪神百貨店」を傘下に持つ「エイチ・ツー・オーリテイリング」は、厳しい経営環境を乗り切るため、３年以内の経営統合を目指すことで合意しました。

大手銀行の「住友信託銀行」は、経営が破たんしたアメリカの証券大手「リーマン・ブラザーズ」との取り引きで出た損失や、保有する株式の値下がりなど、世界的な金融市場の混乱の影響で、この９月の中間決算でグループ全体の最終的な利益が予想より４０％余り減少するという見通しを発表しました。

Ｇ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議に出席するためワシントンを訪れている中川財務・金融担当大臣は、Ｇ７などでは、金融危機を克服するうえで、金融機関の資本を増強する公的資金の投入が重要だと訴えていく考えを明らかにしました。