ノーベル経済学賞の受賞が決まったアメリカのクルーグマン教授は、１３日付のニューヨークタイムズに寄稿し、今回の金融危機克服のためには、政府が、金融機関に対し、迅速に公的資金を投入するべきだとして、ブッシュ政権の対応は遅いと厳しく批判しました。

日銀の白川総裁は、ワシントンで開かれた一連の国際金融会議のしめくくりとなるＩＭＦ・国際通貨基金と世界銀行の合同総会で演説し、「金融危機は深刻の度合いを一段と増し世界経済は著しく減速すると見込まれる」と述べ先行きに厳しい認識を示しました。

食品などの相次ぐ値上がりによって、消費者の節約志向が一段と強まるなか、ファミリーレストランなどを展開する外食チェーンの間では、不採算の店舗を閉鎖する動きが相次いでいます。

１３日のヨーロッパの株式市場は、ヨーロッパの主要各国が、金融機関への公的資金投入など金融安定化への対応を次々と打ち出したことを好感して全面高の展開となり、株価は大幅に値上がりしました。

Ｇ７、先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議のあと、東京株式市場の初めての取り引きが連休明けの１４日行われ、アメリカやヨーロッパで株価が上昇する中、日本でも株価の下落に歯止めがかかるのか注目されます。

「三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ」は、株式の２１％を９０億ドルで取得することで合意しているアメリカの大手証券「モルガン・スタンレー」が、株価の急落で資金繰りが厳しくなっていることから、信用不安をぬぐい去るため、資金の払い込みを１日前倒しして実施したと発表しました。

Ｇ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議のあと、先進国では最初の取り引きとなった１３日のヨーロッパの株式市場は、イギリス政府が大手銀行への公的資金投入を決めたことなどを受けて、金融システム安定への期待から株価は大きく値上がりしています。

世界的な金融危機をいかに食い止めるかを最大のテーマに週末からワシントンでＧ７、先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議などの国際経済会議が相次いで開かれています。Ｇ７では金融機関への公的資金の投入を含めあらゆる政策や手段を総動員する行動計画が打ち出されましたが、危機の震源地であるアメリカでどのような形で公的資金が投入されるのかが焦点になりそうです。

金融危機が続くなか、アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会や日本銀行など日米欧の５つの中央銀行は、金融市場へのドル資金の供給の上限を事実上撤廃すると発表し、先週末のＧ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議の合意に基づく政策協調の強化を実行に移した形になりました。

アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ・連邦準備制度理事会など欧米を中心とする５つの中央銀行は、現在実施している金融市場へのドル資金の供給を強化するため、「各金融機関が中央銀行に差し入れている担保の範囲内で、希望する金額のドル資金を調達することができる」として、７０００億ドルの上限を事実上撤廃することを発表しました。この中で、日本銀行も同様の措置の導入を検討するとしています。先週末に開かれたＧ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議は、世界的な金融危機の克服に各国の政策協調の強化を打ち出しましたが、今回の措置は、それを実行に移した形になっています。