世界的な金融危機で貿易の停滞が懸念されるなか、日本政府は、企業が安心して輸出できるよう、国が取り引きを補償する「貿易保険」を各国が連携して活用する対策を、南米のペルーで２２日から開かれるＡＰＥＣ＝アジア太平洋経済協力会議の首脳会議で提案することになりました。

金融市場の混乱で経営不振に陥っているアメリカ最大手の銀行シティグループは、今後も巨額の損失を出す可能性や、ほかの金融機関に身売りするといった観測が広がったことから、株価が一時、およそ１６年ぶりに４ドルを下回りました。

証券最大手「野村ホールディングス」は、世界的な金融危機の拡大で、来年３月の決算で多額の損失計上が見込まれることなどから、財務基盤を強化するため、数千億円規模の資本増強を行うことを目指して生命保険会社などに資金拠出の打診を始めていることがわかりました。

日銀は２１日、金融政策決定会合を開き、先月末に行った政策金利の引き下げの効果を見極める必要があるとして今の金融政策を当面維持することを決めました。

埼玉県内に本社があるファミリーレストランチェーンの「サイゼリヤ」は、世界的な金融危機の影響で、為替の損失を回避するために保有していた金融商品に、およそ１４０億円に上る損失が発生する見通しとなりました。

東京やニューヨークなど世界各地の株式市場で株価の下落が続いていることを受けて、中川財務・金融担当大臣は閣議のあとの会見で、「世界経済に与える影響が大きい」として、追加の市場安定化策を検討する考えを明らかにしました。

大手電機メーカーの「シャープ」は、世界的な景気減速の影響で半導体の生産調整を行うのに伴い年内にも広島県福山市の工場の派遣従業員およそ３００人を削減する方針を固めました。
また売れ行きが鈍っている液晶パネルや携帯電話の工場でも派遣従業員の削減を検討する考えです。

２１日の東京外国為替市場は、アメリカ経済が一段と後退するのではないかという懸念からドルを売る動きが加速し、円相場は大きく値上がりしています。

ニューヨーク株式市場は、経営危機に陥っている大手自動車メーカーの救済策の行方がいっそう不透明になったという見方から、売り注文が広がって４００ドル余り値下がりし、終わり値としては５年８か月ぶりの安値を記録しました。

大手電機メーカーの「シャープ」は、世界的な景気減速の影響で半導体の生産調整を行うのに伴い、年内にも広島県福山市の工場の派遣従業員およそ３００人を削減する方針を固めました。また、売れ行きが鈍っている液晶パネルや携帯電話の工場でも派遣従業員の削減を検討するとしています。