中国の胡錦涛国家主席は、北京を訪れている日本経団連の御手洗会長と会談し、アメリカ発の金融不安に対して強い懸念を表明し、日中両国で協力して対処したい考えを示しました。

アメリカの金融不安の原因となっている住宅ローン関連などの不良資産について、アメリカ政府は、今後２年間に限って、最大７０００億ドル、日本円にしておよそ７５兆円という過去最大規模の公的資金を投じて金融機関から買い取る対策を発表しました。

経営破たんして法的手続きに入っていたアメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズをめぐって審理を行っていたニューヨーク州の裁判所は、中核となるアメリカの投資銀行部門などをイギリスの大手金融グループ「バークレイズ」に売却することを、わずか５日という異例の早さで許可しました。

日本経団連の御手洗会長ら日中経済協会の一行は、２１日から中国を訪れ、北京オリンピックが終わったあとの中国経済の情勢などについて意見を交わします。

政府の事実上の管理下で救済されることになったアメリカ最大の保険グループ、ＡＩＧの経営再建が長引くとの見方から、ＡＩＧの関連会社が発行する債券の信用力が低下し、この債券で運用されている日本の投資信託の一部で購入や解約の手続きができない異例の事態になっています。

ニューヨーク株式市場は、アメリカ政府が公的資金を使って金融機関の不良債権を買い取る方針を明らかにしたことで、金融市場の混乱が食い止められるという期待感が広がり、平均株価は一時、４６０ドル以上、値上がりしました。

深刻な経営不振に陥っているアメリカ最大の自動車メーカー「ＧＭ＝ゼネラル・モーターズ」が、トラック事業の売却を日本の「いすゞ自動車」に打診していたことが明らかになりました。これに対し、いすゞは買収には慎重な姿勢で、交渉は難航しそうです。

伊吹財務大臣は、１９日に開かれた参議院の財政金融委員会で、アメリカの証券大手「リーマン・ブラザーズ」の破たんをきっかけに広がっている世界的な金融不安の先行きについて、根本的な問題の解決には時間がかかるという見通しを示しました。

金融機関が資金をやり取りする短期金融市場は、１８日に日米欧の中央銀行が協調してドルを供給する安定化策を打ち出したものの、金融不安を背景に不安定な状態が続いており、日銀は、１９日も市場に２兆円の資金を供給しました。

アメリカのポールソン財務長官は、混乱が続く金融市場の安定に向けて、金融機関の不良債権の処理を加速させるための具体策の取りまとめに入ったことを明らかにしました。