１０日の東京株式市場は、９日のニューヨーク市場が再び暴落したことから金融危機に伴う世界経済の悪化に対する不安感が広がって全面安の展開となり、日経平均株価は一時１０００円以上、下落して８０００円台前半まで値下がりしています。

東京・千代田区にある生命保険会社「大和生命」は自力での事業の継続を断念し１０日、一般企業の会社更生法にあたる「更生特例法」の適用を東京地方裁判所に申請しました。これにより大和生命は破たん処理に入りますが、保険契約の大部分は保護されます。

株価の値下がりが続いている東京株式市場で先週、海外の投資家が株を売った額は、買った額を３４００億円余り上回って、ことしに入って３番目の大幅な売り越しとなり、海外の投資家が日本株を売却する動きを強めたことが株価下落の大きな要因となったことがわかりました。

ニューヨーク株式市場は、アメリカ最大の自動車メーカーの経営不安をきっかけに金融危機が産業界にも広がっているとの懸念が一気に強まり、平均株価は６７０ドル以上も暴落して８５００ドル台まで落ち込みました。

大手金融グループの「中央三井トラスト・ホールディングス」は、中国の証券大手「海通証券」と資産運用などの分野で提携し、中国の個人投資家の資金を日本の株式市場に呼び込むなど連携を図ることになりました。

投資家の資金を不動産で運用するＲＥＩＴ・不動産投資信託の「ニューシティ・レジデンス投資法人」は、世界的な金融不安の影響で資金繰りに行き詰まり９日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。

９日の東京株式市場は、８日にアメリカ政府が個別の金融機関に対する公的資金の投入に前向きな姿勢を示したため、金融危機がいくぶん和らぐとの見方が広がった一方、世界的な景気の悪化に対する警戒感も根強く、売り買いが交錯する展開となり、株価は小幅な値動きとなりました。

金融機関が資金をやりとりする短期金融市場では、アメリカやヨーロッパの金融危機を背景に金融機関が資金を確保しづらい状況が続いていることから、日銀は、１日では過去最大の規模となる４兆円の資金を市場に供給しました。

欧米の６つの中央銀行が、８日、協調して政策金利の引き下げに踏み切ったことについて、中川財務・金融担当大臣は記者団に対し「適切な対応だ」と述べ、歓迎する考えを示しました。

金融機関が資金をやりとりする短期金融市場では、アメリカやヨーロッパの金融危機を背景に、外資系の金融機関などで資金を確保しづらい状況が続いているため、日銀は、９日午前、２兆円の資金を市場に供給しました。