経営不安に直面しているアメリカの金融機関に対して、「三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ」と「野村ホールディングス」が相次いで出資や部門買収に乗り出しました。長らく不良債権の処理に追われ、海外で遅れをとっていた日本の金融機関が、国際的な競争力を高めることができるのかどうか注目されます。

２２日のニューヨーク株式市場は、週末にアメリカ政府が打ち出した金融危機対応の方針をめぐって、具体策が見えないことへの不安が広がり、平均株価は３７０ドル以上の急落となりました。

アメリカ政府が最大でおよそ７５兆円の公的資金を使って金融機関から不良資産を買い取るなどの金融安定化策をまとめたことを受けて、２２日夜、Ｇ７＝先進７か国の財務相と中央銀行総裁による緊急の電話会談が行われ、「今回の対策を強く歓迎する」という共同声明が発表されました。

アメリカ政府が最大でおよそ７５兆円の公的資金を使って金融機関から不良資産を買い取る金融安定化策を発表したことについて、金融庁の佐藤長官は、日本では金融機関から不良資産を買い取る新たな対策は必要ないという考えを示しました。

証券最大手の「野村ホールディングス」は、経営破たんしたアメリカの大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」のアジア部門をおよそ２４０億円で買収することで基本合意し、買収をてこにアジアの事業を一気に強化することになりました。

「リーマン・ブラザーズ」の経営破たんなどアメリカの証券大手の経営問題が相次いで表面化するなか、大手銀行グループの「三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ」は、アメリカの大手証券会社「モルガン・スタンレー」の株式の１０％から２０％を取得するとともに取締役を少なくとも１人派遣する方向で検討に入ることで合意したと発表しました。

大手銀行の新生銀行は、経営破たんしたアメリカの大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」向けの融資を回収することが難しくなったなどとして、ことし９月の中間決算で、最終的な利益が１５０億円の赤字に転落する見通しとなりました。

金融機関が資金をやり取りする短期金融市場では、外資系の金融機関が資金を確保しづらい状態が続いているため、日銀は２２日午前、１兆５０００億円を市場に供給しました。日銀による大量の資金供給は、週末をはさんで５日連続です。

アメリカ政府が発表した最大でおよそ７５兆円の公的資金を使って金融機関から不良資産を買い取る金融安定化策について、ポールソン財務長官は、アメリカに子会社などを持つ海外の金融機関も不良資産の買い取りの対象となることを明らかにしました。

自動車メーカー各社は交通事故を防止するため、ドライバーにとって死角になりやすい斜め後ろから走ってくる車をレーダーで知らせるなど、安全技術の開発を強化しています。