世界的な景気の悪化による受注の落ち込みで、電機メーカー各社に加えて、電子部品や精密機器のメーカーでも、派遣労働者などの削減や賃金のカットに踏み切る動きが広がっています。

アメリカの半導体大手「インテル」は、中国・上海にある半導体の組み立て工場を１年以内に閉鎖し、業務を中国国内のほかの工場に集約することを明らかにし、世界的な景気後退の影響を受けて、中国でも合理化を進めることになりました。

「トヨタ自動車」は、ことし３月期の決算で、販売台数の急激な落ち込みから最終損益が５９年ぶりに赤字に転落する見通しとなり、収益の改善に向けて国内や北米などの工場の生産ラインを減らすなど、生産体制の縮小を検討することにしています。

金融危機の拡大による景気の急激な悪化を背景に企業の倒産が増えたことから、大手銀行グループ４社で、去年１２月までの９か月間に不良債権の処理などにかかった費用が、前の年の同じ時期から７０％余り増えたことがわかりました。

コメの生産調整、いわゆる「減反政策」を含めた農業政策の見直しについて検討するため、関係省庁の担当者で作る「特命チーム」の初会合が開かれ、ことし４月をめどに改革の方向性を打ち出すことになりました。

国内パソコン首位の「ＮＥＣ」は、海外メーカーとの激しい価格競争によって採算が悪化していることから、ことしの夏をめどに、ヨーロッパのパソコン事業から撤退し、経営資源を国内に集中することになりました。海外でのパソコン事業をめぐっては、富士通も、ヨーロッパで原則として法人向けの製品の製造に絞り込むなど、海外市場から撤退する動きが相次いでいます。

大手電機メーカーの「シャープ」は、世界的な景気悪化による液晶テレビなどの不振で、ことし３月期の最終的な損益が１０００億円の赤字に転落する見通しになり、国内で非正規従業員を１５００人削減することを明らかにしました。

去年１２月の景気動向指数は、企業の生産や小売り業の販売額などすべての指標が悪化したことから、前の月に比べて過去３番目の落ち込みとなり、景気の急激な悪化を裏付けました。

日本郵政は、全国７０か所に保有する宿泊施設「かんぽの宿」などをオリックス不動産に一括売却するという契約の撤回も視野に今後、売却方法を再検討することになりました。

ドイツのメルケル首相は、ＩＭＦ＝国際通貨基金や世界銀行など５つの国際機関の代表と会談し、将来の金融危機に対処するため、金融機関に対する国際的な監視機構の設置に向け、ことし４月の金融サミットで協議を始める考えで一致しました。