急激な景気悪化を受け、自国の産業を守ろうと、輸入品に対する関税を引き上げる動きが各国で相次いでいることから、経済産業省は、世界各地に拠点を持つジェトロ・日本貿易振興機構などと連携して、保護主義的な動きを監視する体制を強化することになりました。

麻生総理大臣は、日銀の白川総裁らと会談し、来週、発表される、去年１０月から１２月までのＧＤＰ・国内総生産の伸び率の速報値が厳しいものになることも予想されるとして、世界的な金融危機や低迷する国内経済の現状に、連携して対応していくことを確認しました。

大手映像・音響機器メーカーの「パイオニア」は、世界的な景気の悪化で赤字幅が拡大している主力のテレビ事業から全面的に撤退し、これに伴って国内外で正社員６０００人を含む１万人を新たに削減すると発表しました。

企業の間で取り引きされるモノの価格の動きを示す企業物価指数は、世界的な景気の悪化で原油など原材料の価格が値下がりしたことから、去年の同じ月との比較で０．２％の下落と、５年１か月ぶりのマイナスとなりました。

世界各国で大規模な製油所の建設が相次ぐなか、経済産業省は、国内の石油コンビナートの競争力を高めようと、同じ地域にあるコンビナートどうしの連携を促す新たな支援策を実施することになりました。

金融危機で経営不振に陥った自国の自動車産業などを政府が公的資金を使って支援するケースが各国で相次いでいますが、ＷＴＯ＝世界貿易機関は、こうした支援が保護主義の助長に結びつくのを防ぐため、各国に報告を求めるなどして監視を強化する方針です。

世界的に自動車の生産が急激に落ち込むなか、タイヤやガラスなど、自動車向けの比率が高いメーカーの間では、減産の拡大や人員削減などの動きが広がっています。

世界経済が急激に悪化するなか、今月１３日からイタリアのローマで開かれるＧ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議では、主要国が、引き続き協調して金融システムの安定や経済の立て直しに向け、迅速に対応していくことを確認する見通しです。

アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会のバーナンキ議長が議会下院で証言し、ＦＲＢの対策によって金融市場の緊張が緩和したという認識を示すとともに、デフレ懸念が高まるなか、中央銀行が物価上昇率に一定の目標を設定して金融政策を行う「インフレ目標」について前向きな考えを示しました。

建設大手４社は、海外事業の採算が悪くなったことや取引先の破たんが相次いだ影響などで収益が悪化し、このうち「鹿島」は、ことし３月期決算で、５年ぶりに最終損益が赤字に転落する見通しとなりました。