景気の急激な悪化で、中堅や中小の企業の間では、来年春の新人採用を抑制したり、採用活動自体を遅らせたりする傾向が強まっています。

ニューヨーク株式市場は、アメリカの金融機関の業績が回復することへの期待から、多くの銘柄で株式を買い戻す動きが強まり、平均株価の終値は３８０ドル近く値上がりしました。

春闘の相場作りに大きな影響力を持つトヨタ自動車の労使交渉で、経営側は、景気の急激な悪化による厳しい業績を理由に、一時金・ボーナスについて満額の回答を行わない方針を固めました。トヨタのボーナスの回答で満額を割り込むのは１０年ぶりです。

景気が急速に悪化するなか、北海道の北洋銀行と鹿児島の南日本銀行、それに福井県の福邦銀行のあわせて３つの地方銀行が、資本の増強で中小企業への貸し出しを強化するため、改正金融機能強化法を活用して総額１２００億円余りの公的資金を投入するよう、金融庁に申請したことが明らかになりました。

ＪＲ西日本は、高速道路で最高１０００円で何キロでも利用できるようになるなどの大幅な料金割り引きが実施されるのに対抗するため、山陽新幹線の「こだま」の料金を最大で４０％程度割り引くことになりました。

１０日の東京株式市場は、欧米の金融機関の経営や世界的な景気の悪化などに対する不安が根強いことなどから多くの銘柄に売り注文が出て、日経平均株価は、９日に続き、終値としてバブル崩壊後の最安値を更新し、およそ２６年ぶりの安値水準となりました。

東京株式市場で株価の下落に歯止めがかからないことについて、与謝野財務・経済財政担当大臣は、閣議後の記者会見で、「株価下落がもたらす信用収縮に断固として立ち向かう決意だ」と述べ、企業の資金繰り対策などに全力をあげる考えを示しました。

政府は、石油などの化石燃料の利用を抑えようと、太陽光で発電された電気の買い取りを電力会社に義務づける新しい制度などを盛り込んだ「エネルギー供給構造高度化法案」を１０日の閣議で決定しました。

経済産業省は、世界経済が急激に悪化するなかでも経済成長が続くアジアなどに中小企業が進出しやすくするため、現地企業を紹介するなどの取り組みを強化することになりました。

大手電機メーカー各社の春闘の労使交渉で、経営側は、賃金の引き上げ、いわゆるベースアップについてゼロとする方針ですが、さらに「定期昇給分」の維持も難しいという姿勢を強めており、かつてない厳しい交渉が続いています。