金融危機の影響でアメリカの景気後退は避けられないという見方が広がるなか、ＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は、金融政策を決める公開市場委員会の初日の討議を始め、もう一段の金利引き下げに踏み切るかどうかが注目されます。

大手電機メーカー「パナソニック」のことし９月までの半年間の決算は、薄型テレビの販売が好調だったことから、本業の利益がこれまでで最高となりましたが、金融不安による世界経済の混乱や円高などの影響がはかりにくいとして、年間の業績については新たな見通しを示しませんでした。

２８日の東京外国為替市場は、このところ急激に値上がりした円を売って利益を確保する動きが広がり、円相場は大きく値下がりしました。

日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、東京都内で開かれたフォーラムで、アメリカの自動車メーカー「クライスラー」に関係強化を提案していると報道されたことについて、「金融危機のなかでは大規模な資金を必要とする戦略的な動きをすることはない」と述べて、今の経済情勢で株式の取得などに動くことは難しいという考えを明らかにしました。

日産自動車のカルロス・ゴーン社長は東京都内で開かれたフォーラムに出席し、急激な円高について、「今の水準が続けば日本の産業は競争力を失って壊滅的な打撃を受ける」として、強い懸念を示しました。

２８日の東京株式市場は、２７日のニューヨーク市場など海外市場で株価が下落し世界的な株安の連鎖に直ちに歯止めをかけるのは難しいという見方から売り注文が増え、午前中、日経平均株価が一時７０００円を割り込んだものの、午後に入って買い戻しの動きも出ています。

与謝野経済財政担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、世界的な金融危機を受けた日銀の金融政策について、「政策金利を引き下げても経済的な効果はないものの、国際協調の証しを立てるという意味で重要だ」と指摘しました。

２８日の東京株式市場は株価の下落に歯止めがかからず、日経平均株価は昭和５７年１０月以来、２６年ぶりに７０００円を割り込みました。

ドイツの大手自動車メーカー、ダイムラーは、金融危機のため販売が落ち込んでいることから、この年末年始、国内の生産拠点での従業員の休暇を拡大し、最大で１か月間生産を停止することを決めました。

週明けのニューヨーク株式市場は、アメリカの住宅販売に関する統計が市場の予想を上回ったことなどから平均株価は堅調に推移しましたが、金融危機が広がることへの警戒感が強く、取り引き終了間際に一気に売り注文が膨らみ、結局、終わり値はおよそ５年７か月ぶりの安値となりました。