景気が急激に悪化するなか、雇用対策の支出などが増加して、一般会計の総額が過去最大の８８兆５５００億円となる来年度予算の財務省原案が、２０日、各省庁に内示されます。

財務省は１９日夜、省議を開き、景気の後退に対応した雇用対策のための支出の増加などで、一般会計の総額が過去最大の８８兆５５００億円となる来年度予算の原案を決定しました。

日銀は１９日に開いた金融政策決定会合で、世界経済の減速や急激な円高で景気が一段と悪化するのを防ぐため、ことし１０月に続く金融緩和に踏み切り、政策金利を０．１％前後に引き下げることを決めました。また、企業の資金繰りを支援するため社債の一種であるＣＰ＝コマーシャルペーパーを買い取ることなども決め、政策を総動員する形で景気を下支えすることになりました。

トヨタ自動車は世界的な自動車販売の不振や急激な円高の影響で、来年３月期の決算の業績の見込みをさらに下方修正する方針を固め、国内外の子会社を除いたトヨタ単体の営業損益は赤字に転落する可能性が強まっています。

イギリスを訪問している二階経済産業大臣は、ＯＰＥＣ＝石油輸出国機構の加盟国であるＵＡＥ＝アラブ首長国連邦やカタールのエネルギー担当大臣と相次いで会談し、さきにＯＰＥＣが決めた過去最大規模の減産について、「価格を引き上げるための減産であれば適当でない」と述べ、懸念を表明しました。

大手金融グループの「りそなホールディングス」は、提携関係にあるフランスの大手金融グループ「クレディ・アグリコル」に、国が保有する株式の一部をおよそ５００億円で買い取ってもらい、公的資金の返済を進めることになりました。

大手電子部品メーカーの「村田製作所」は、世界的な景気の悪化で、パソコンやテレビ向けの電子部品の需要が大幅に落ちこんでいることから、全国のグループ会社全体で、あわせて８００人余りの派遣社員の契約を今月いっぱいで打ち切ることになりました。

金融危機による株価の下落で銀行の財務基盤が一段と悪化するのを防ぐため、自民・公明両党は、「銀行等保有株式取得機構」が株式の買い取りを再開できるよう、関係する法律の改正案を議員立法で作り、国会に提出することを決めました。

来年度予算案の編成が大詰めを迎えるなか、中川財務・金融担当大臣と各閣僚による事前の折衝が行われ、このうち、鳩山総務大臣との折衝では、国から地方への地方交付税について、地域の雇用の創出につなげるための費用などとして１兆円を増額し、１６兆５７００億円にすることが決まりました。

１８日の東京外国為替市場は、アメリカの事実上のゼロ金利政策で日米の金利が逆転したため、１７日に続いて金利の低いドルが売られ、円相場は１ドル・８７円台と東京市場としては１３年ぶりの円高水準となりました。