アメリカに本拠を置き、世界的に展開している大手コーヒーチェーン「スターバックス」は、アメリカ国内で消費が落ち込んでいることなどから、ことし９月まで３か月間の決算で、最終的な利益が５４０万ドルと、前の年の同じ時期に比べて９７％もの大幅な減益になったと発表しました。

アメリカに拠点を持つ宅配大手の「ＤＨＬ」はライバル企業との競争激化に加えて世界的な景気減速によって業績が落ち込んだことから、アメリカ国内での宅配事業から撤退し、それに伴って１万人近い従業員を削減することを明らかにしました。

週明けのニューヨーク株式市場は、アメリカの企業業績や個人消費に対する懸念から売り注文が増え、平均株価は７０ドル余り値下がりしました。

アメリカでクリスマス商戦が本格化する直前に、全米２位の大手家電量販店が販売不振などから経営破たんし、金融危機の影響で個人消費が一段と冷え込んでいることを浮き彫りにしています。

世界的な金融危機の拡大による金融市場の混乱で今年度の企業年金の運用成績は、先月末の時点でマイナス１４％と大幅に悪化していることがわかり、今後、企業業績の圧迫要因になることが懸念されています。

アメリカ政府は、国内最大手の保険グループ「ＡＩＧ」を救済するため、中央銀行に当たるＦＲＢ・連邦準備制度理事会による融資に加え、新たに４００億ドルの公的資金を投入することを決めました。アメリカ政府が、金融安定化法に基づいて、保険会社に公的資金を投入するのは初めてです。

今週末にアメリカで開かれる金融サミットを前に、日本の総理大臣特使を務める行天豊雄氏と野上義二氏は１０日、インドネシアでユドヨノ大統領と会談し、ＩＭＦ・国際通貨基金の改革に向け、アジア各国の意見がもっと反映されるべきだという考えで一致しました。

深刻な経営不振に直面するアメリカ最大手の自動車メーカー、ＧＭ＝ゼネラル・モーターズの日本法人のリック・ブラウン社長は、日本での事業は縮小せずに継続していきたいという考えを示しました。

週明けの東京外国為替市場は、９日に閉幕したＧ２０＝主要２０か国の財務相・中央銀行総裁会議が、各国が協調して金融危機に対応する姿勢を打ち出したことなどから、円を売ってドルを買い戻す動きが強まり、円相場は大きく値下がりしています。

ＩＭＦ＝国際通貨基金のストロスカーン専務理事は、今月１５日にアメリカで開かれる金融サミットに出席する主要な２０か国の首脳に向けて書簡を送り、金融危機に対応するため、ＩＭＦの資金や機能の強化について協議するよう提言しました。