大手情報通信グループの「ソフトバンク」は、金融危機の影響で保有する金融商品で７５０億円に上る損失が発生したと発表しました。

政府・与党は、景気の底割れを防ぐため、１０日、過去最大規模の１５兆円を超える財政支出を伴う新たな経済対策を決めましたが、国の財政状況の一段の悪化は避けられず、景気回復と財政健全化の取り組みをどのように両立させるか、難しい財政運営を迫られることになります。

政府・与党は、景気の底割れを防ぐため、環境に優しい車を買う際の補助や、３年以内に小学校に入学する子どもがいる世帯への手当など、国の財政出動が１５兆円を超える新たな経済対策を決定しました。

与謝野財務・経済財政担当大臣は閣議後の記者会見で、１５兆円を超える過去最大規模の財政支出を伴う新たな経済対策で国の財政状況が一段と悪化することに関連し、ことし６月までに財政健全化に向けた道筋を示したいという考えを明らかにしました。

去年経営破たんし、一般企業の民事再生法にあたる更生特例法に基づいて経営の再建を進めている「大和生命」は、契約者に支払う保険金や年金を最大で８０％減らす方針を決めました。

アメリカのサマーズ国家経済会議委員長は、アメリカ経済の見通しについて、オバマ政権が成立させた景気対策の効果などにより、「急降下は数か月の間に食い止められるだろう」と述べ、景気後退のペースは数か月中に緩やかになるという認識を明らかにしました。

１０日の東京株式市場は、９日のニューヨーク市場で株価が大幅に上昇したことなどから、多くの銘柄に買い注文が入って株価は値上がりし、日経平均株価は取り引き時間中としては、ことし１月８日以来、３か月ぶりに９０００円台を回復しています。

政府は、日本企業の投資を促すことでアジアの経済発展を支援するため、インフラ整備に投資して損失が生じた場合に国が補てんする「貿易保険」に新たにアジア向けの２兆円の枠を設けることになりました。

大手流通グループ、「セブン＆アイ・ホールディングス」のことし２月期の決算は、景気の急激な悪化によって傘下のイトーヨーカ堂が株式の上場以来初めて最終赤字に陥ったことなどから、グループの発足以来、初の減収減益となりました。

大手金融グループの「三井住友フィナンシャルグループ」は、世界的な金融危機による景気の悪化を受けて、ことし３月期の決算で、最終的な損益がこれまでの黒字の予想から一転して３９００億円の赤字に陥る見通しになり、財務基盤を強化するため、最大８０００億円の増資を行うことになりました。