世界経済の悪化による自動車販売の大幅な落ち込みと急激な円高の影響で、トヨタ自動車のグループ全体の決算は、来年３月までの半年間の営業利益が、赤字に転落する可能性が強まっています。

ＷＴＯ＝世界貿易機関は、１２日、「ドーハ・ラウンド」と呼ばれる貿易自由化交渉の合意に向けた閣僚会合について、調整が十分に進まないことを理由に年内の開催を断念し、主要国が首脳レベルで提唱した年内の大枠合意は見送られることになりました。

アメリカ最大手の保険グループ「ＡＩＧ」が売却の方針を打ち出した日本の生命保険会社「ＡＩＧエジソン生命」と「ＡＩＧスター生命」の買収に、アメリカとカナダの大手保険２社が名のりをあげ、具体的な交渉に乗り出したことが明らかになりました。

世界経済の悪化で自動車販売が急速に減少するなか、ホンダは北米の工場でさらに１１万９０００台減産することになりました。これで日本の自動車メーカー１２社の減産はすでに２００万台を超え、各社の業績は来年３月の決算期末に向けて大幅な悪化が避けられない状況となっています。

経営危機に陥っているアメリカの大手自動車メーカーへの支援法案をめぐって議会での協議が決裂したことを受けて、ホワイトハウスのペリノ報道官は、金融機関の資本増強のために公的資金を投入することができる金融安定化法に基づいて、大手自動車メーカーの経営破たんを防ぐために政府が支援を行うことも検討する考えを明らかにしました。

１２日の東京株式市場は、経営危機に陥っているアメリカの大手自動車メーカーに対する支援法案が採決に至らなかったことから、幅広い銘柄に売り注文が膨らんで、日経平均株価は、一時、６００円以上、値下がりしました。

東京外国為替市場は、経営危機に陥っているアメリカの大手自動車メーカーに対する支援法案の先行きが不透明になったとして、ドルを売って円を買う動きが加速し、１２日午後、円相場は１ドル・９０円を突破し、８９円台まで円高が進みました。１ドル・９０円を突破したのは、平成７年８月以来、１３年ぶりです。

ニューヨーク株式市場は、アメリカの失業保険の申請件数が予想を上回り、景気の悪化があらためて認識されたことで売り注文が膨らみ、平均株価は前の日に比べて２００ドル近く下落しました。

福岡県で１３日行われる日中韓３か国の首脳会議で取りまとめられる金融危機への対応に関する声明の原案が判明し、世界経済の退潮傾向を反転させ、再び持続的な成長の軌道に戻すために、アジア諸国が「世界の成長センター」としての役割を果たすべきだなどとしています。

世界の原油に対する需要は、金融危機による世界的な景気の減速で、ことしの後半から急速に減少し、１９８３年以来２５年ぶりに前の年の実績を下回る見通しになりました。