世界的な金融危機の影響で海外に進出した日系企業が現地で外貨を調達しにくくなっているため、政府は「国際協力銀行」などを通じて外貨の資金繰りを支援する新たな対策を来年１月から実施することになりました。

日本の去年の１人当たりのＧＤＰ＝国内総生産は円安傾向だったことなどから、ドルベースの国際的な比較でイタリアに抜かれて第１９位となり、Ｇ７、先進７か国では最下位となりました。

経営危機に陥っているアメリカの大手自動車メーカー、ＧＭ＝ゼネラル・モーターズのグループ会社で自動車ローンを手がける金融会社が、銀行持ち株会社に移行することになり、ＦＲＢ＝連邦準備制度理事会などからの資金供給を受けやすくなることが期待されています。

景気の悪化で消費が冷え込むなか、大手スーパーのイトーヨーカ堂は、年の瀬の商戦で客を呼び込もうと、一定金額の買い物と引き替えに不要となったスーツやハンドバッグなどを引き取って現金を返す新たなサービスを始めることになりました。

世界的な景気の悪化で自動車やパソコンなどの販売が落ち込んでいることから、こうした製品に使われている半導体や電子部品のメーカーの間でも、派遣社員を１０００人規模で削減する動きが相次いでいます。

日野自動車は、トラックの販売不振やトヨタ自動車からのＳＵＶ＝多目的スポーツ車の受注の減少によって、来年３月期の営業損益が９年ぶりの赤字に転落するという見通しを発表しました。

急速な自動車販売の不振で、先月、トヨタ自動車と日産自動車が世界で生産した台数は、ともに１か月としてはこれまでで最大の減少率を記録するなど、国内の乗用車メーカー８社が生産した車は、国内・海外とも２０％を超える大幅な落ち込みとなりました。

いすゞ自動車は、国内の工場で働く非正規の従業員のうち、会社が直接雇用している５５０人の期間従業員について、再就職が進んでいないことから契約途中での雇用打ち切りを撤回し、希望者を対象に期間満了まで契約を続けることになりました。

財務省などが３か月ごとに実施している法人企業景気予測調査によりますと、ことし１０月から今月にかけての企業の景気判断は、世界的な景気の悪化を背景に、大企業、中小企業とも調査開始以来最低の水準となりました。

政府は２４日の閣議で、来年度予算の政府案を決定しました。景気が急激に悪化するなか、雇用対策の支出増加などで、一般会計の総額は８８兆５４８０億円と、過去最大の規模となっています。