東京外国為替市場は、ロンドンで開かれた金融サミットで主要各国が協調して積極的な経済対策をとることを打ち出したのを受けて、世界経済の悪化に歯止めがかかるのではないかという期待が高まってドルが買われ、円相場は、東京市場では去年の１０月以来、およそ５か月半ぶりに１ドル・１００円台まで円安ドル高が進んでいます。

アメリカは、企業が保有する資産を市場価格で算定する「時価会計」の基準を緩和することを決め、巨額の損失を出し続けたアメリカの金融機関にとっては、損失の計上を少なくすることが可能となり、追い風となりそうです。

経営が悪化して事実上、公的管理下に置かれたアメリカの銀行大手「シティグループ」は、傘下に持つ日本の大手資産運用会社「日興アセットマネジメント」の売却を日本の大手金融機関などに打診していることが明らかになりました。

景気の急激な悪化に対応して、日本商工会議所は、金融機関からの借り入れの全額を信用保証協会が保証する制度について、対象となる企業を増やすことなどを盛り込んだ緊急提言をまとめました。

ニューヨーク株式市場は、金融サミットの首脳宣言に積極的な経済対策をとることが盛り込まれたことなどを受けて、景気悪化に歯止めがかかるとの期待が高まり、平均株価は一時、およそ２か月ぶりに８０００ドル台を回復しました。

ユーロ経済圏の金融政策を担うヨーロッパ中央銀行は、２日、域内の景気悪化が依然として深刻なことから、景気の下支えを続けるため、政策金利を今の年１．５％から、０．２５％下げ、１．２５％とする追加の金利引き下げを決めました。

日本商工会議所の岡村会頭は、２日の記者会見で、景気を回復させるためには、ロンドンで開かれる金融サミットで、先進国と新興国が協調して財政出動を行うことを確認し、需要を喚起していくことが重要だという認識を示しました。

二階経済産業大臣と日本経団連の懇談会が東京都内で行われ、日本経団連側は、経済の立て直しに向け、環境に優しい車への買い替えに対する補助金制度を創設することなどを柱とする緊急経済対策を実施するよう要望しました。

石油元売り大手の「出光興産」と大手化学メーカーの「三井化学」など５つの企業が、コスト削減による競争力の強化を目指し、企業の枠組みを超えて石油コンビナートどうしで重油を融通するなど、連携の強化に乗り出すことが明らかになりました。

鉄鋼最大手の「新日鉄」は、世界的な景気の悪化による減産に対応するため、従業員のおよそ１０％に当たる１４００人を対象に、９年ぶりに一時帰休を行うことになりました。