政府は、今月の月例経済報告で「景気は持ち直してきている」という基調判断を据え置きましたが、これはエコカーの購入助成といった経済対策などの効果に依存したもので、自律的な回復に至っていないという見方を示しました。

前原国土交通大臣は、空港整備に関する国の特別会計の見直しで、航空会社が支払う着陸料の値下げを行う考えを示しました。

藤井財務大臣は、１５日に各省庁から再提出された来年度予算案の概算要求で、概算要求額とは別枠で「事項要求」として政策を掲げ、予算を求める省庁が相次いだことについて、こうした要求を認めることは難しいという認識を示しました。

国土交通省は１５日に再提出した来年度予算の概算要求で、関西空港会社を支援するための補給金については「削減すれば、会社の経営に影響する」として、８月時点での要求と同じく１６０億円を盛り込みました。

国土交通省は、１５日に提出した来年度予算案の概算要求で整備新幹線について、来年度の着工を目指していた北陸新幹線の金沢ー福井間など３つの区間の建設費を盛り込まず、今後、地元の意見も聞きながら建設の是非を検討していくことになりました。

パリで開かれていたＩＥＡ＝国際エネルギー機関の閣僚会議は１５日、温暖化対策の新たな枠組みを決める国連の会議＝ＣＯＰ１５に向けて、先進国が一致して新興国の省エネルギーの取り組みへの支援を強化していくことを盛り込んだ共同声明を採択して、終了しました。

農林水産省は、１５日に再提出した来年度予算の概算要求で、コメを対象に実施する「戸別所得補償制度」に関連事業とあわせて５６００億円余りを盛り込み、農家に支払う具体的な金額など制度の詳細を来月半ばまでに決める方針です。

政府は、来年度予算案の概算要求が再提出されたことを受けて、年内編成に向けた作業を本格化させることにしており、財務省の査定に加え行政刷新会議が事業の中止や廃止を含めて厳しく精査する方針で、政権公約の実現に必要な財源については赤字国債に頼らず確保したいとしています。

厚生労働省の来年度予算案の概算要求は、一般会計の総額で、２８兆８８９４億円になりました。これは、今年度の当初予算を３兆７３２５億円上回っています。

今年度の当初予算に盛り込まれたものの、今回の概算要求で事業が廃止されたり、大幅に削減されたりした予算は、次の通りです。▽「子ども手当」の創設に伴い子どもがいる世帯に支給されている児童手当が廃止されて、２０６６億円が削減されます。▽全国学力テストは、対象となる児童・生徒を減らすため実施関連の予算が５７億円から２１億円削減され、３６億円になりました。▽群馬県の八ツ場ダムの本体工事費をはじめ、国土交通省の公共事業費が当初予算より８１５７億円、率にしておよそ１５％削減されます。▽緊急の経済対策に充てるためとして、財務省が今年度の当初予算に１兆円盛り込んだ予備費は、来年度、要求は見送られました。