企業の生産活動を示す先月の鉱工業生産指数は、アジア向けを中心に液晶パネルの製造装置などの生産が伸びたことから、前の月を０．３％上回り、２か月ぶりに上昇しました。

アメリカのオバマ大統領は、雇用状況が改善せず、景気回復が遅れていることから、追加的な経済対策を検討し、数週間のうちに具体策を発表する考えを明らかにしました。

国の来年度予算の概算要求が３１日、締め切られ、政府の成長戦略などに重点的に配分される「特別枠」に対する各省の要望額の合計が基準で示された額を大幅に上回ることなどから、一般会計の総額は過去最大の９６兆円余りに上る見通しです。

経営再建中の「日本航空」は、不採算路線の廃止や人員の大幅な削減など事業の基本方針をまとめた更生計画を３１日、裁判所に提出します。これによって、７か月前に会社更生法を申請した日本航空の再建策が、具体的に動き出すことになります。

日銀が臨時の金融政策決定会合で一段の金融緩和を決めたことについて野田財務大臣は３０日夕方、記者団に対して「日銀の対応は、政府の経済対策の取り組みと歩調を合わせる形であり、迅速に適切に対応していただいたと評価している」と述べました。そのうえで野田大臣は「効果があらわれるのは、やはり、政府の対策とあいまってだと思う」と述べ、政府と日銀の対策で円高に歯止めが掛かることに期待感を示しました。

政府は、急速な円高などを受けて、住宅や家電のエコポイント制度を延長して消費を刺激するとともに新卒者の雇用対策を強化すること、さらに政府の新たな成長戦略の実現に向けて、総理大臣を議長に日銀総裁や労使の代表をメンバーとした「新成長戦略実現推進会議」を創設することを盛り込んだ追加の経済対策の基本方針を正式に決めました。

週明けの東京株式市場は、日銀が臨時の金融政策決定会合で追加の金融緩和策を打ち出したことから幅広い銘柄に買い注文が広がり日経平均株価は９０００円台を回復しました。

菅総理大臣は、日銀の白川総裁と総理大臣官邸で会談し、日銀が３０日の臨時の金融政策決定会合で、一段の金融緩和に踏み切ったことに対して「現在の経済情勢に迅速に対応した措置だ」として評価する考えを示しました。

日銀の白川総裁は、３０日に開いた臨時の金融政策決定会合のあと記者会見し、アメリカ経済の先行きが不透明になり、日本の景気回復のペースが、より緩やかになる懸念が大きくなっているため、影響が広がる前に一段の金融緩和を決めたことを明らかにしました。

日銀は、このところの急激な円高や株安が、緩やかに回復している日本経済を悪化させかねないとして、３０日朝から臨時の金融政策決定会合を開き、市場への資金供給策を拡充する一段の金融緩和に踏み切ることを決めました。