政府・日銀が６年半ぶりに踏み切った、円売りドル買いの市場介入は、１５日のニューヨーク市場まで断続的に続き、介入規模は２兆円を超える異例の規模に達したもようです。日銀は、円売りの市場介入で金融市場に放出した大量の円資金を、金融緩和にもつなげていく方針です。

ニューヨーク外国為替市場では、政府・日銀が急激な円高を食い止めるため、市場介入を行い、円を売ってドルを買う動きが強まった流れを受け継いで、円相場は１ドル＝８５円台後半まで値下がりしています。

今回の政府・日銀による市場介入について、海外での売上比率がおよそ７０％を占めるソニーの神戸司郎シニアバイスプレジデントは、記者団に対し、「日本に本社を置くグローバル企業として、最近の急激な円高には大きな懸念を持っていたので、政府・日銀の市場介入は歓迎したい。海外への生産拠点の移転をある程度進めているが、今回の円高は一企業の努力で対応出来る範囲を超えているので、今後も迅速な判断と行動を期待したい」と述べました。

急激な円高に危機感を抱いてきた中小企業は、今回の市場介入によって円高が是正されるのではないかと期待を寄せています。

１５日の東京外国為替市場は、１ドル＝８２円台まで進んだ急激な円高に歯止めをかけようと、政府・日銀が６年半ぶりに円を売ってドルを買う市場介入に踏み切ったため、円相場は１ドル＝８５円台まで値下がりしました。

政府・日銀が６年半ぶりに市場介入に踏み切ったことについて、日本商工会議所の岡村会頭は会見で、「適切な処置と理解している。政府・日銀は今後も為替相場の動向に注意を払って、必要な対策を打ってほしい」と述べました。そのうえで岡村会頭は円相場の水準について「非常に厳しい経済環境の中で、中小企業は１ドル９０円程度の為替レートを想定している。早い時期に９０円台に戻す覚悟が必要ではないか」と述べました。

１５日の東京株式市場は、政府・日銀が６年半ぶりに市場介入に踏み切ったことを受けて、輸出関連を中心に幅広い銘柄に買い注文が出て、株価は大きく値上がりしました。

「トステム」や「イナックス」を傘下に持つ住宅設備メーカー最大手の「住生活グループ」は、中国の大手家電メーカー「ハイアール」と提携して、中国全域でのトイレやキッチン設備などの販売に本格的に乗り出すことになりました。

１５日の東京外国為替市場は、政府・日銀が６年半ぶりに円を売ってドルを買う市場介入に踏み切ったため、円相場は１円以上値下がりしています。市場関係者は「もう一段、円高が進むまで市場介入はないという見方が多かったため、このタイミングでの介入は驚きだ」と受け止めている一方で、「今の円高はアメリカ経済の先行きに対する懸念がもとになって進行しているだけに、ドルが売られやすい状況が当面は続くとみられる」という見方も出ています。

政府・日銀は、外国為替市場で１ドル＝８２円台まで円高ドル安が進み、緩やかな回復を続けている日本の景気を悪化させかねないとして、円高に歯止めをかけるため１５日午前、円を売ってドルを買う市場介入に踏み切りました。政府・日銀による市場介入は６年半ぶりです。