５日のニューヨーク外国為替市場は、この日発表されたアメリカの先月の雇用統計が事前の市場予想に比べて大幅によい内容となったことから、円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場は一時、１ドル＝８１円台半ばまで値下がりしました。

先ほど発表されたアメリカの先月の雇用統計によりますと、景気の動向を敏感に映し出す、農業以外の分野で働く人の数は、前の月に比べて１５万１０００人の増加となり、市場の予想より大幅によい結果となりました。ただ、先月の失業率は９．６％と前の月に比べて横ばいとなって、失業率は依然として高い水準が続き、景気の先行きへの懸念はふっしょくできない状態が続いています。

日銀は、市場に大量の資金を供給する金融緩和策の柱として、３５兆円規模の基金を活用し、週明けから国債の買い入れを始めるほか、来月には値下がりのおそれがある金融商品の買い取る異例の措置を正式に決めました。

「三菱自動車工業」は、急成長する中国市場での事業を強化するため、現地の大手自動車メーカーとの合弁会社に対する出資比率を５０％まで引き上げる方針を固め、中国での生産や販売を拡大することになりました。

５日から京都市で開かれるＡＰＥＣ＝アジア太平洋経済協力会議の財務相会合について、野田財務大臣は、自国の通貨を安値に誘導するいわゆる「通貨安競争」への対応を含めた為替の問題も取り上げられるのではないかという見通しを示しました。

ニューヨーク株式市場は、前日、アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会が、追加の金融緩和を決めたことで、景気の下支えになるとの見方が広がり、平均株価は一時、２００ドル以上値上がりし、取り引き時間中としては、およそ２年１か月ぶりの水準まで上昇しました。

来年度の税制改正の焦点となっている法人税の見直しで、財務省は、税率を引き下げる場合には、企業の研究開発などに対する税制上の優遇措置の見直しで、２兆円規模の新たな財源を確保できるとする案を示しました。

日銀は、４日から２日間の日程で開く金融政策決定会合で、アメリカの大規模な金融緩和が日本経済に今後どのような影響を及ぼすか分析を進め、当面の金融政策を決めることにしています。

日本の大手衣料品チェーン「ユニクロ」は４日、マレーシアに初めてとなる店舗を出店し、若者の間で日本の文化やファッションに関心が高まっている東南アジアで、今後、出店を加速させたいとしています。

４日の東京外国為替市場は、アメリカの追加の金融緩和が予想の範囲内だったことから、実体経済があらためて注目され、アメリカで発表された民間の雇用に関する統計が予想を上回ったことを手がかりに、ドルを買い戻す動きが出ています。市場関係者は「ＦＲＢの追加的な金融緩和がほぼ予想の範囲内だったため、今後はアメリカの経済指標を主な材料とした取り引きが続くのではないか」と話しています。