日銀の白川総裁は、１７日の支店長会議で、景気は改善のペースが鈍っているとして、事実上のゼロ金利を柱にした包括的な金融緩和政策を続け、景気を下支えしていく考えを強調しました。

高い経済成長が続く中国など新興国での事業を拡大するため、大手商社の間では、入社が内定した学生に中国語の研修を義務づけるといった人材育成を強化する動きが広がっています。

アジア太平洋地域の貿易自由化を目指す枠組み、ＴＰＰ＝環太平洋パートナーシップ協定に関する日米両政府の初の協議が終了し、アメリカはこれまでより、さらに広範囲な貿易自由化を目指していくことを日本側に伝えるとともに、日本のＴＰＰへの早い段階での参加が可能になるよう具体的な調整を促しました。

高速鉄道の整備が計画されているアメリカ・カリフォルニア州で、日本政府は、１４日、新幹線技術を売り込むためのセミナーを開き、地震が多いカリフォルニアでは、それに対応する技術とノウハウが必要だと強調して、地震に強い新幹線をアピールしました。

１４日のニューヨーク株式市場は、アメリカの大手銀行の決算内容がよかったことなどから買い注文が増えて、平均株価の終値は１万１７８７ドル３８セントと、およそ２年半ぶりの高値を更新しました。

菅第２次改造内閣は、経済財政運営では、いわゆるねじれ国会のなか、野党側の協力をいかに取り付け、平成２３年度予算案と関連法案の今年度内の成立を図れるかが、当面、最大の課題になります。さらに、消費税を含む税制の抜本改革への対応など、新内閣は、多くの課題を抱えてのスタートとなります。

自見郵政改革・金融担当大臣は、初閣議のあとの記者会見で、先の臨時国会で継続審議となった郵政改革法案について、「次の通常国会で速やかに成立を図ることが郵政改革担当大臣としての喫緊の課題だ。菅総理大臣のリーダーシップの下、内閣が一丸となって、利用者の視点に立った郵政改革の実現を目指したい」と述べ、通常国会での成立を目指す考えを改めて強調しました。

海江田経済産業大臣は、初閣議のあとの記者会見で、ＴＰＰ＝環太平洋パートナーシップ協定について、「広い意味で国を開くことは一つの歴史の必然ではないか。世界経済のけん引車に当たるアジア太平洋地域と高度な経済連携をして、成長を取り込んでいくことが大切だと思う」と述べて、協議に参加することの必要性を強調しました。そのうえで、海江田経済産業大臣は、国内の農業対策について、「１０年先、２０年先も国内で農業ができるような対策を講じないといけない。ＴＰＰの参加国の協議が早まっているとも聞いており、時間的な制約があるなかで、できるだけ丁寧に話し合い、しっかりと対策を講じていきたい」と述べました。

野田財務大臣は、初閣議のあとの記者会見で、国会での審議が始まる平成２３年度予算案について、「雇用と投資を促進していきたいという願いを込めた予算であり、税制改正だ。これが実現できなかった場合、日本経済に甚大な影響を与えるので、そうならないように、きちっと説明するのが基本中の基本だ」と述べ、予算案と税制改正の関連法案の成立に向けて全力を尽くす考えを強調しました。また、与謝野経済財政担当大臣が社会保障と税の一体改革を担当することについて、野田大臣は「社会保障を安定・強化するための財源の裏付けについて考えていくことは、これ以上、先送りできない。その議論は、民主党だけではなく、野党や国民とも協議して成案を出すことが大事なことなので、同じ問題意識を持っている方が一緒に仕事をすることをプラスにしていかないといけない」と述べました。

菅第２次改造内閣について、日本自動車工業会の志賀俊之会長は「日本の輸出企業は円高が長引きデフレからも脱却できていない中、厳しい経営状況が続いている。日本の企業の強みであるもの作りを維持し、さらに成長させるために為替の安定化やアジア太平洋地域での自由貿易圏をつくることを目指すＴＰＰ＝環太平洋パートナーシップ協定などによって海外市場で同じ条件で戦える状況をつくることが必要だ」と述べました。