東京電力と東北電力などは、東北関東大震災に被災した宮城県や岩手県など１１の県の利用者を対象に、電気料金の支払い延期や一部免除などの特別措置をとることにしました。

日銀は、東北関東大震災による金融市場の動揺を抑えるため、午前中の５兆円に続いて、昼すぎにも短期金融市場に３兆円の資金を供給しました。

１５日の東京株式市場は、東北関東大震災による日本経済への影響が長期化するのではないかという懸念から全面安の展開となり、日経平均株価は、取り引き時間中としては、去年９月以来、およそ半年ぶりに、一時、９０００円を割り込みました。

週明けのニューヨーク株式市場は、東北関東大震災で東京市場の株価が大きく値下がりしたことなどを受けて、投資家の間でリスクを回避しようという動きが強まり、ダウ平均株価は一時１４０ドル以上値下がりしました。

日銀は１４日に金融政策決定会合を開き、東北関東大震災で金融市場の動揺を抑えるため、国債や企業が発行する社債などを買い入れる基金の規模を拡充して一段の金融緩和に踏み切り、市場に大量の資金を供給することを決めました。

日銀は、今回の東北関東大震災で、金融市場の動揺を抑えるとともに被災地の金融機関などで現金が不足しないよう、１４日朝、金融機関どうしが資金を融通し合っている短期金融市場に、７兆円の巨額の資金を供給しました。日銀が１回に供給する資金量としては過去最大で、日銀は、今後も金融市場の動きを注意深く見ながら、必要があれば速やかに資金を供給できるよう対応することにしています。

週明けの外国為替市場は、東北関東大震災の影響で、今後、復興に必要な資金の需要が高まって、企業などが円を確保する動きを強めるという見方から円が買われる展開となり、円相場は、一時、８０円台半ばまで値上がりして、ことしの最高値をつけました。

今回の東北関東大震災を受け、週明けの金融市場では、株価の大幅な値下がりや、外国為替市場での円相場の動きに注目が集まるなか、政府は、１３日夜、今後の経済情勢を検討する緊急の会議を開催し、震災に乗じた違法な取り引きを厳重に監視するなど、政府・日銀が一体となり、万全の対応を取ることを確認しました。

地震の影響で、主な自動車メーカーは、１４日の操業をとりやめることになりました。各メーカーとも操業の再開については部品の調達が十分にできるかどうかなどを確認したうえで、判断するとしています。

地震や津波の影響で、被災地で医薬品が不足していることを受けて、大手製薬会社の間では、政府などからの要請に備え、過去の大地震の経験などを基に必要とみられる医薬品のリストを作ったり、緊急の輸送手段を検討するなどして独自に準備を進める動きが広がっています。