日銀は、東北関東大震災による金融市場の動揺を抑えるため、午前中、３兆円の資金を短期金融市場に供給したのに続いて、昼すぎにも１兆円を追加して供給し、供給額はあわせて４兆円になりました。

システムトラブルが相次いでいる「みずほ銀行」の西堀利頭取は、１７日に続いて１８日も記者会見を行い、「さまざまなトラブルや不手際によって多大な迷惑をかけ、深くおわび申し上げます」と陳謝しました。そのうえで、西堀頭取は「あすからの３連休の間に店舗の内外を問わずＡＴＭを休止し、システムの稼働を極力停止することで、総動員でシステムの回復に当たりたい。週明けまでには完全復旧するよう努力したい」と述べました。そのうえで、西堀頭取は、一連のトラブルで給与や代金などの振り込みで処理できていない件数は１００万件を超すという見通しを示しました。

野田財務大臣は、記者会見で「為替市場について日本における悲劇的な出来事に関連した円相場の最近の動きへの対応として、日本からの要請に基づき、アメリカ、イギリス、カナダ、それに欧州中央銀行は、きょう、日本とともに為替市場における協調介入に参加することで合意した。さらに、為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、世界経済および金融の安定に対して悪影響を与えること、為替市場をよく注視し、適切に協力することを改めて確認した。わが国が困難な状況にある今、Ｇ７が連帯して市場の安定に向けて協調することの意義は極めて大きい」と述べました。

１８日の東京外国為替市場は、Ｇ７＝先進７か国の財務相と中央銀行総裁が、急激に進んだ円高に歯止めをかけるため、先進各国による協調介入を実施することで合意し、政府・日銀が円売りドル買いの介入に直ちに踏み切ったことを受けて、円相場は値下がりしています。

１８日の東京株式市場は、Ｇ７＝先進７か国の財務相と中央銀行総裁が急激な円高に歯止めをかけるため、先進各国が協調して市場介入することで合意したことを受けてほぼ全面高の展開となり、株価は大きく値上がりして取り引きが始まっています。日経平均は９０００円台を回復しています。

Ｇ７＝先進７か国の財務相と中央銀行総裁は、１８日朝、緊急電話会議を行い、急激な円高に歯止めをかけるため先進各国が協調して市場介入することで合意しました。

１７日夕方からＡＴＭ＝現金自動預け払い機が停止した大手銀行の「みずほ銀行」は、システムが復旧せず、ＡＴＭが使えない状況が続いています。みずほ銀行は、復旧作業を急ぐ一方で、１８日いっぱい、提携しているコンビニエンスストアなど３万か所余りの店舗外のＡＴＭでの取り引きを停止することを決めました。「みずほ銀行」は、１７日午前に続いて、午後もシステムにトラブルが発生し、午後６時前から、全国のおよそ４４０の店舗と、提携しているコンビニエンスストアのＡＴＭで、現金の出し入れなど、一切の手続きができなくなりました。みずほ銀行は、復旧作業を進めていますが、依然、復旧のめどが立たず、ＡＴＭは使えない状況が続いており、復旧作業を急いでいます。また、システムトラブルによって１７日までにおよそ５０万件、金額にして６５００億円の振り込みができておらず、予定されていた給与の振り込みなどに、遅れが出るおそれもあるなど、決済が滞る事態となっています。みずほ銀行の柏崎博久常務は１７日夜、記者会見し、「今回は私どもの全くの不手際だ。見込みが甘かった」と述べました。みずほ銀行では、ＡＴＭが使えなくても、午前９時以降は、店舗の窓口で預金の払い出しなどに応じることにしています。ただ、滞った振り込みの処理を優先するため、窓口では新たな振り込みの受け付けを見合わせるなど、サービスが制限される見通しです。企業の場合、あらかじめ指定した期日に振り込みが行われなければ、遅延金などの損害が生じることもあります。みずほ銀行では、ＡＴＭが使えなくても、午前９時以降は、店舗の窓口で預金の払い出しなどに応じることにしていますが、１８日いっぱい、提携しているコンビニエンスストアなど３万か所余りの店舗外のＡＴＭでの取り引きを停止することを新たに決めました。さらに１９日からの３連休の対応について、みずほ銀行は、滞っている振り込みの処理を進めるため、全国のすべてのＡＴＭを停止させることを決めました。ただ、連休中も店舗の窓口営業は行い、１０万円までの預金の引き出しには応じるとしています。みずほ銀行では、西堀利頭取が１８日に記者会見し、システムの不具合を巡る今後の対応について説明することにしています。

１７日のニューヨーク外国為替市場は、ドル売り円買いの傾向が続いていましたが、通貨当局による市場介入への警戒もあり、いくぶん円を売る動きが出て、円相場は１ドル７９円を挟んだ水準で取引されています。

東北関東大震災で、東北地方にある家畜用の飼料工場や穀物の輸入を行う港が被災し、飼料不足が極めて深刻になっていることから、国土交通省は、被災していない日本海側の港に飼料を運び込む対策を進めることになりました。

国土交通省が発表したことしの地価公示によりますと、全国の土地の平均価格は、住宅地と商業地ともに下落幅が去年に比べて縮小しましたが、国土交通省では、今後は東北関東大震災による経済への影響を見極める必要があるとしています。