福島第一原子力発電所の深刻な事故を受けて、各国が日本産の食品などへの検査を強化するなか、インド政府は、日本から放射性物質が持ち込まれるのを防ぐためとして、５日、日本からの食品の輸入を当面禁止すると発表しました。

福島第一原子力発電所の事故に伴う周辺地域への賠償について、東京電力などが巨額の資金を拠出して基金を設け、支払いを進めていくという構想が、政府内で検討されていることが明らかになりました。

東京電力は、東日本大震災の影響で深刻となっている福島第一原子力発電所の事故による影響額の算定が難しく、決算の取りまとめ作業に時間がかかるとして、今月２８日に予定していた、ことし３月期の決算の発表を延期することになりました。

東京株式市場の５日の取り引きで、東京電力の株価は、福島第一原子力発電所の事故の影響など経営の先行きに対する不透明感からストップ安の３６２円で取り引きを終え、昭和２６年の上場以来の最安値を更新しました。

野田財務大臣は、閣議のあとの記者会見で、今月中に国会に提出したいとしている東日本大震災の復旧のための補正予算案の財源について、赤字国債を発行せずに捻出したいという考えを示しました。

福島第一原子力発電所の事故の影響が続くなか、福島市で、農家が参加してＪＡの緊急集会が開かれ、風評被害や今後の農作物の栽培について不安を訴える声が相次ぎました。

ＩＭＦ＝国際通貨基金のストロスカーン専務理事は、来週、Ｇ２０財務相・中央銀行総裁会議など一連の国際金融会議が開かれるのを前に、日本の東日本大震災による被害や食料・原油価格の高どまりなど、世界経済の先行きには「不確実さが残っている」と述べ、各国に今後も協調する姿勢を緩めることがないよう訴えました。

政府は、ことしの夏に東京電力の管内で、電力の大幅な供給不足が見込まれることから、大規模な工場など大口の需要家に対し、法律に基づく電力の使用制限をかけることについて、経済界などと具体的な調整に入りました。

福島第一原子力発電所の事故のあと、工業製品についても放射線の影響を懸念する声が出ていることから、福島県は、県内で生産された工業製品の放射線量の測定を４日から始めました。

全漁連＝全国漁業協同組合連合会は、津波で漁業関連の施設が壊滅的な被害を受けたことから、鹿野農林水産大臣に対し、補正予算で漁業の復旧に向けた緊急措置をとるよう要請しました。