大手格付け会社の「スタンダード・アンド・プアーズ」は、浜岡原子力発電所の運転を停止する中部電力について、今後、火力発電用の燃料費の負担などで業績が悪化するとして、会社の信用力を示す格付けを１段階引き下げたと発表しました。

中国の中央銀行「中国人民銀行」は、銀行の預金準備率を今月１８日から０．５％引き上げると発表しました。預金準備率の引き上げは去年１１月以降８回目となり、景気の過熱で歯止めのかからない物価の高騰を抑え込む姿勢を強く示すねらいがあるとみられます。

政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故による賠償問題について話し合う閣僚会合を開き、野菜や魚の出荷制限などで損害を受けている農家や漁業者への補償金の仮払いを速やかに行うよう、東京電力に求めていくことを正式に決めました。

日本商工会議所の岡村会頭は、福島第一原子力発電所の事故に伴う賠償問題で、東京電力の賠償金の支払いを支援する枠組みに関連して、電気料金の値上げは企業の国際競争力の低下につながるとして、できるだけ避けるべきだという考えを示しました。

与謝野経済財政担当大臣は、１２日、日本外国特派員協会で講演し、東日本大震災の影響によって今年度の日本の経済成長率は、震災前の見込みよりも１％程度低下するという見通しを示しました。

中国を訪れている日本経団連の米倉会長は、中国の楊外相と会談し、福島第一原子力発電所の事故を受けて中国が行っている農産物などの輸入規制について、冷静な対応を取るよう要請しました。

枝野官房長官は記者会見で、福島第一原子力発電所の事故に伴う賠償問題で、東京電力の賠償金の支払いを支援する枠組みに関連して、電気料金の値上げをできるだけしないよう、さらなる経営努力を促すとともに、金融機関など関係者の十分な協力が得られなければ支援を打ち切る可能性があるという認識を示しました。

３月の日本の経常収支は、東日本大震災の影響で自動車などの輸出が減って貿易黒字が大幅に落ち込んだことから、２か月ぶりに黒字額が減少しました。財務省は「４月上旬から中旬までの貿易収支は、輸出の減少が続いて赤字となっており、震災が輸出や輸入にどれだけ影響するのかに注意していく必要がある」と話しています。

大手化学メーカー３社は、ことし３月期の決算で東日本大震災による工場の復旧費用などでいずれも特別損失を計上し、震災の影響が業績に影を落とす形になりました。

政府は、福島第一原子力発電所の事故に伴う賠償問題で、東京電力による賠償金の支払いを支援する新たな組織を作り、公的資金を投入することなどを柱とした枠組みを固め、１２日、正式に決定することにしています。