野田財務大臣は、６日に開かれた全国財務局長会議で、東日本大震災の影響で日本経済は足もとで弱い動きとなっている一方、発生から３か月近く経過し、明るい兆しも見られると述べ、各財務局長に対して、震災の復旧・復興に取り組むよう指示しました。

夏場の電力不足に対応するため、電機メーカー各社の間では、工場ごとに休みをずらして取るいわゆる「輪番休業」を社内で行うなどして、平日の使用電力のピークを抑える動きが広がっています。

東京電力の勝俣恒久会長は、非常勤の取締役に就任することが決まっている「日本原子力発電」から支払われる見込みだった年間１８０万円の役員報酬を受け取らないことを決めました。

経済産業省は、この夏の電力不足に対応するため東京電力の管内の工場などを対象に電力の使用制限を実施することにしていますが、その準備のため、東京電力から報告された１万４０００余りの事業所のデータのうち、およそ１０００のデータに誤りが見つかり、再発防止策を報告するよう東京電力に文書で指示しました。

大手電機メーカーのシャープは、東日本大震災の影響で液晶パネルの工場が操業を一時、停止したことなどから、ことし４月から９月までの業績が３７０億円の最終赤字になるという見通しを発表しました。

３日の東京株式市場で、東京電力の株価は、菅総理大臣の退陣時期を巡る政治情勢の混乱によって、原発事故の賠償問題に対する国の支援策の先行きに不透明感が広がっているとして、終値としての最安値を更新しました。東京電力の株価の終値は、２日より６％余り値下がりして２８６円となり、上場以来の最安値を更新しました。市場関係者は「政治情勢の混乱によって、福島第一原子力発電所の事故の賠償問題に対する国の支援策の先行きがどうなるのか、不透明感が広がっているとして、売り注文が先行する展開になった。東京電力の株価は当面、不安定な動きが続くのではないか」と話しています。

東日本大震災で大きな被害を受けた自動車部品の供給ルートの復旧を資金面で支援するため、政府系金融機関の日本政策投資銀行は、部品の業界団体などと共に、最大で５００億円規模の基金を設立しました。

大手電機メーカーの「シャープ」は、液晶パネルを生産している三重県の亀山工場について、テレビ向けの大型パネルの生産を段階的に縮小し、需要の拡大が見込める、タブレット型の端末などに使う小型と中型のパネルの生産に切り替えることになりました。

財務省が発表した「法人企業統計調査」によりますと、１月から３月までの企業の経常利益は、６期連続の増益となったものの、東日本大震災の影響で自動車などの生産が落ち込んだことから伸び率は前の３か月に比べて大幅に縮小しました。

ニューヨーク株式市場は、アメリカの経済指標が軒並み大幅に悪化したことからアメリカの景気が停滞するとの見方が強まり、ダウ平均株価の終値は、１年ぶりとなるおよそ２８０ドルの下落となりました。