日銀が一段の金融緩和を決めたことについて、野田財務大臣は４日夕方、記者団に対し、「厳しい経済情勢に対する認識を政府と共有したうえで、足元で円高が進行していることを踏まえて、適切な対応をしてもらったものと受け止めており、その効果がしっかりと出てくることを期待したい。政府としては日銀の対応を評価している」と述べました。また野田大臣は、今回の政府・日銀の対応では円高を是正する効果が限定的ではないかという質問に対し、「介入だけではないという意味では、日銀が金融緩和の強化策を打ち出したことも連動した話であり、マーケットの動向を見極めながら、必要なことはしっかりやっていきたい」と述べ、今後も必要と判断すれば市場介入を行う考えを示唆しました。

日銀は、歴史的な円高が景気に悪い影響を及ぼしかねず、速やかな対応が必要だとして、金融政策決定会合を、４日午前から前倒しで開き、一段の金融緩和に踏み切ることを決めました。

４日の東京外国為替市場は、政府・日銀が歴史的な円高の進行に歯止めをかけるため、円売りドル買いの市場介入に踏み切ったことから円は１円以上値下がりし、円相場は１ドル＝７９円台での取り引きとなっています。

海江田経済産業大臣は４日午前、緊急の記者会見を開き、東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応など原子力行政を巡る一連の問題の責任を明らかにする必要があるとして、経済産業省の松永和夫事務次官ら幹部３人を更迭することで最終調整していることを明らかにしました。

４日の東京外国為替市場は、政府・日銀が歴史的な円高の進行に歯止めをかけるため、円売りドル買いの市場介入に踏み切ったことから、円は急速に値下がりし、円相場は１ドル＝７８円台まで下落しています。

日銀は、歴史的な円高が景気に悪い影響を及ぼしかねず、速やかな対応が必要だとして、円売り・ドル買いの市場介入に足並みをそろえる形で、４日午後から２日間にわたって予定していた金融政策決定会合を午前１１時１５分から前倒しで開催し、４日中に一段の金融緩和を決める見通しです。

「日立製作所」と「三菱重工業」は、世界的に市場の急速な拡大が見込まれるエネルギーや社会インフラなどの事業を統合する新会社を共同で設立することについて、検討に入ることが明らかになりました。

自動車メーカー７社のことし６月までの３か月間の決算は、円高の影響で、合わせて１４８３億円の利益が失われたことが分かり、歴史的な円高の進行を受けて、いかに利益を確保するのかが課題になっています。

自動車メーカー「スズキ」のことし６月までの３か月間の決算は、震災で生産台数が減ったことや円高の影響で、本業のもうけを示す営業利益が、去年の同じ時期より２０％減少しました。

３日の東京外国為替市場は、アメリカ経済の先行きに対する懸念から円が買われやすい状況が続いて、円相場は一時１ドル＝７６円台後半まで値上がりし、記録的な円高水準での取り引きとなりました。