９日のニューヨーク株式市場で株価が大幅に値上がりしたことを受けて、アジア各国の株式市場でも取り引きの開始から買い注文が集まり、株価が上昇に転じるところが多くなっています。９日に株価が一時９％以上急落し、６日連続して株価が値下がりしていた韓国の株式市場、それに香港やオーストラリアの市場でも買い戻しの動きが強く、アジア各国でも株価の値下がりにひとまず歯止めがかかった形となっています。

１０日の東京外国為替市場は、アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会の声明を受けて、一定の景気の下支え効果が見込めるとして、ドルを買い戻す動きが出る一方、世界経済の先行きへの懸念も根強く、円を買う動きも出て、売り買いが交錯し、１ドル＝７７円台前半の円高水準で取り引きされています。

スーパーなどを展開する「イオン」は、経済成長が著しいアジアへの出店を強化する資金を確保するため、保有するショッピングセンターなどを投資対象とする国内最大規模のファンドを大手スーパーとして初めて設立することになりました。

アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は９日、事実上のゼロ金利政策を２０１３年半ばまで続ける考えを示したうえで、「必要な政策を実施する準備がある」として、経済回復を促すために追加の緩和策を導入する用意があることを強調しました。ＦＲＢは９日、金融政策を決める公開市場委員会を開き、会合終了後声明を発表しました。

アメリカ経済の先行きやヨーロッパの信用不安への懸念から、世界的な株安に歯止めがかからないなか、９日のニューヨーク株式市場は、これまで値下がりした銘柄を買い戻す動きが出て、ダウ平均株価は一時、２００ドル以上値上がりしています。

野田財務大臣は、閣議のあとの９日夕方の記者会見で、外国為替市場で歴史的な円高が続いていることについて「日本時間のあすの未明には、アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会の公開市場委員会の結論が出る。その結論次第では、日本にも影響があるので、臨機応変な対応が必要だと思うし、日銀とも協調して対応していくことになるだろう」と述べました。また、９日の東京株式市場で日経平均株価がおよそ４か月半ぶりに９０００円を割り込んだことについて、野田大臣は「よく後半持ち直したと思うが、依然として緊張感を持っていかなければいけない状況だ。こういう問題も含めて、Ｇ７もそうだが、Ｇ２０においても、ここ数週間については緊密な連携をしていくことを確認しあっているので、そういうなかでお互い注視していきたい」と述べました。

アメリカ経済の先行きやヨーロッパの信用不安への懸念から、世界的な株安が加速するなか、９日、取り引きが始まったヨーロッパ市場でもロンドン市場で朝方から大幅に株価指数が下落するなど、株価の値下がりに歯止めがかかっていません。

東北電力は、先月の「新潟・福島豪雨」で電力の供給力が落ち込んで電力需給が厳しさを増しており、東京電力から融通を受ける電力を増やす対応を取るとともに、一層の節電を呼びかけています。

内閣府が発表した先月の消費動向調査は、東日本大震災の影響で大きく落ち込んだ企業の生産の回復傾向が続いていることで、今後の雇用に対する見方が改善したことなどから、消費者の購買意欲を示す指数は３か月連続で上昇しました。

９日の東京株式市場は、世界同時株安の様相が強まるなかで、一時全面安の展開になるなど、大きく値下がりし、日経平均株価は終値で８９４４円４８銭と、およそ４か月半ぶりに９０００円を割り込んで取り引きを終えました。