ヨーロッパの信用不安が世界経済に深刻な影響を及ぼすのではないかという懸念が強まったことから、２２日のニューヨーク市場では原油の先物などリスクのある資産を売って比較的安全だとされるアメリカ国債などに資金を移す動きが広がりました。

ヨーロッパの信用不安が世界経済に深刻な影響を及ぼしかねないと懸念が強まるなかで、先進国と新興国によるＧ２０の財務相・中央銀行総裁会議がまもなくワシントンで始まり、世界経済の安定に向けどのような協調を打ち出すか注目されます。

インドネシアを訪れている枝野経済産業大臣は、２２日、経済関係の閣僚らとの会合に出席し、現地で計画されている空港や発電所などの大規模なインフラ整備事業で日本企業の受注につながるよう、人材育成などの面で最大限協力する考えを伝えました。

自動車メーカーのスズキは、ドイツのフォルクスワーゲンから提携の契約に違反したと通告されたことに反論する文書を送付し、引き続き資本提携の解消を求める方針を鮮明にしました。

石油連盟の天坊昭彦会長は、２２日の記者会見で、２０２０年までに温室効果ガスを２５％削減するという政府の目標について、原子力政策が見直されるなかで、すでに現実的ではないとして、新たな目標を設定すべきだという考えを示しました。

２２日の東京株式市場は、アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会が厳しい景気認識を示したことなどから、世界経済の先行きに対する懸念が強まって、多くの銘柄に売り注文が出て株価は値下がりしました。▽日経平均株価、２２日の終値は２１日より１８０円９０銭安い８５６０円２６銭、▽東証株価指数＝トピックスは、１２．５９下がって７４４．５４でした。▽一日の出来高は１７億４０７万株でした。市場関係者は「ＦＲＢが、ヨーロッパの信用不安の拡大でアメリカの景気悪化リスクが著しく高まっているという認識を示したことを受け、香港や韓国などアジアの株式市場で株価が値下がりしたことから、東京市場でも午後に入って一段と売り注文が増える展開となった」と話しています。

安住財務大臣は、ヨーロッパの信用不安への対応が最大の焦点となる、先進国と新興国によるＧ２０の財務相・中央銀行総裁会議に出席するため、２２日昼前、成田空港を出発しました。

深刻な財政危機に陥っているギリシャ政府は、財政再建に向け、公務員の一時休職による給与の削減など追加の緊縮策を決め、今後もＥＵなどからの支援を引き続き受けられる見通しとなりました。

アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は、ヨーロッパの信用不安がアメリカ経済にもマイナスの影響を及ぼすおそれがあるなかで、市場から購入した短期の国債を売却する代わりに長期の国債を買い上げて長期金利を一段と引き下げる、新たな緩和策を打ち出し、景気を下支えする姿勢を示しました。

東京電力は、福島第一原子力発電所の事故の賠償のうち、個人事業主や中小企業について、避難指示などで休業した場合、去年の売り上げから原材料費などを除いた「粗利益」分を支払うなどとした賠償基準を公表し、来月中の支払い開始を目指すことになりました。