ギリシャに端を発するヨーロッパの信用不安が、経済規模がより大きな国に飛び火することが懸念されるなか、大手格付け会社の「フィッチ・レーティングス」は、スペインとイタリアの国債の格付けを相次いで引き下げました。

先ほど発表されたアメリカの先月の雇用統計によりますと、失業率は前の月と同じ９．１％となり、依然として高い水準にとどまりました。一方、景気の動向を敏感に映し出すとされる「農業以外の分野で働く人の数」は、前の月に比べて１０万３０００人の増加と、市場が見込んでいた６万人程度の増加という予想を上回る結果となりました。

ヨーロッパの信用不安による一部の国の国債の値下がりが域内の金融機関の経営に影響を及ぼすことが懸念されるなか、大手格付け会社の「ムーディーズ」は７日、イギリスやポルトガルの金融機関の格付けを一斉に引き下げました。

日銀の白川総裁は、金融政策決定会合のあとの記者会見で、東日本大震災で被害を受けた企業の生産の回復が進むなか、ヨーロッパの信用不安で円高や株安が進んでいることが、日本経済にとって大きなリスクになっているという認識を示しました。

内閣府によりますと、ことし８月の景気動向指数は、景気の現状を示す「一致指数」が平成１７年を１００として１０７．４と前の月を０．３ポイント上回り、２か月ぶりに上昇しました。

安住財務大臣は、閣議のあとの記者会見で、震災復興を主な柱とした今年度の第３次補正予算案について、７日夕方、臨時閣議を開いて大枠を閣議決定したうえで、今月末に国会に提出する考えを示しました。

ワシントンを訪れている古川経済財政担当大臣は、アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会のバーナンキ議長や、ＩＭＦ＝国際通貨基金のリプトン筆頭副専務理事と相次いで会談し、震災からの復興に向けた取り組みを説明したほか、世界的な経済危機を回避するための対応について意見を交換しました。

羽田空港の国際化に伴い新興国を中心に国際貨物の需要の拡大が期待できるとして、大手商社の三井物産と物流大手の日本通運は業務提携し、事業の拡大を図ることになりました。

スマートフォンを巡る世界的な競争が激しさを増すなか、大手電機メーカーのソニーは、携帯電話事業を強化するため、スウェーデンの大手通信機器メーカー「エリクソン」と行っている合弁会社の株式をすべて買い取って合弁を解消することや、出資比率を大幅に引き上げることなどを検討していることが分かりました。

深刻な財政危機に陥っているギリシャなどを巡る信用不安が高まるなか、ヨーロッパ中央銀行は、６日、政策金利を据え置く一方で、金融市場に対する資金供給の規模を拡大する措置を決め、信用不安が金融システムに及ぼす悪影響を食い止める姿勢を鮮明にしました。