巨額の損失隠しが発覚した光学機器メーカー「オリンパス」の取引金融機関は、近く会合を開き、損失隠しの状況や今後の経営方針などについて、オリンパス側から詳しい説明を求める見通しです。

光学機器メーカー、オリンパスが投資による損失を長年隠してきた問題で、オリンパスは、損失を含んだ有価証券を海外の会社に買い取らせた際、シンガポールなどのファンドを使って資金を調達し、損失が表に出ないように工作していた疑いのあることが関係者への取材で分かりました。証券取引等監視委員会は、損失隠しの不正な手口を詳しく調べることにしています。

タイの洪水被害に関連して、三菱自動車工業は、不足していた部品の調達にめどが立ったことから、今月１４日から現地にある工場で一部の車種の生産を再開することを決め、日本の自動車メーカーの半数が現地生産を再開することになりました。

日本の食品メーカーも参加して、９日から韓国の首都ソウルで食品の見本市が始まり、東日本大震災以降落ち込んでいる韓国への輸出を伸ばそうと、品質のよさや安全性をアピールしました。

トヨタ自動車は、タイの洪水による被害で不足していた部品の調達に一定のめどがたったことから、今月２１日から現地にある工場の生産を再開することを、９日夜、発表しました。

ＴＰＰ＝環太平洋パートナーシップ協定の交渉への参加を巡って経団連の米倉会長とＪＡ全中＝全国農業協同組合中央会の萬歳会長が会談しました。早期参加を求める経団連側と、農業などへの影響を懸念して反対するＪＡ側の主張は対立したままで、双方の溝は埋まりませんでした。

先月倒産した企業は、東日本大震災の被災地で復旧のための公共事業が増えていることを受けて、東北地方の倒産件数が減っていることなどから、去年の同じ月を５．６％下回り、２か月連続で減少しました。

９日の東京株式市場は、信用不安の拡大が懸念されているイタリアのベルルスコーニ首相が辞任する意向を表明したことで、新しい政権の下で財政再建が進むのではないかという見方も出て、株価は値上がりしました。▽日経平均株価、９日の終値は、８日より９９円９３銭高い８７５５円４４銭、▽東証株価指数＝トピックスは１１．３７上がって、７４９．４０でした。▽１日の出来高は１８億４２万株でした。市場関係者は、「イタリアのベルルスコーニ首相の辞任によって財政再建が進むという期待から買い注文が出された一方、後継の体制を巡る与野党間の調整など、政治状況が安定に向かうかどうか慎重に見極めたいという投資家も多く、全体としては低調な取り引きだった」と話しています。

９日の東京株式市場では、損失隠しの発覚から一日たったオリンパスの株式には、引き続き売り注文が殺到しており、株価は、一日の値下がりの限度となるストップ安の水準まで値下がりし、大幅な下落が続いています。

財務省によりますと、ことし９月の日本の経常収支は１兆５８４８億円の黒字と、去年の同じ月より２１．４％減って７か月連続で減少しました。