「オリンパス」で巨額の損失隠しが発覚した問題について、自見郵政改革・金融担当大臣は、１１日、閣議のあとの会見で、市場の透明性に疑念を持たれているとして、金融庁としても、関係機関と連携しながら実態解明を進める考えを示しました。

枝野経済産業大臣は、１１日、閣議後の記者会見で、「オリンパス」で巨額の損失隠しが発覚した問題を受けて、企業統治の強化に向けて再発防止策を検討する必要があるという考えを示しました。

１０日のニューヨーク株式市場は、前日に急落したイタリア国債について、ヨーロッパ中央銀行が市場で買い支えているという観測が出たことなどから、値下がりした銘柄を買い戻す動きが出てダウ平均株価は値上がりしました。

ＥＵ＝ヨーロッパ連合は１０日、来年の経済成長率の見通しを発表し、通貨ユーロを導入している１７か国の成長率は、ことし春に発表した１．８％という見通しを大幅に下方修正し、成長は０．５％にとどまるという厳しい見通しを示しました。ＥＵの執行機関であるヨーロッパ委員会のレーン委員は記者会見で、修正の理由についてギリシャに端を発した信用不安の影響を指摘したうえで、「ヨーロッパの成長は停滞している。断固たる対策が取られないかぎり、新たな景気後退のリスクがある」としています。

光学機器メーカーのオリンパスは、巨額の損失隠しで今月１４日までに中間決算を発表できなくなり、東京証券取引所は、オリンパスの株式を「監理銘柄」に指定しました。来月１４日までに決算が発表されない場合、オリンパスの株式は上場廃止となります。

光学機器メーカーの「オリンパス」は、バブル期の財テク投資の失敗で抱えた巨額の損失隠しが明らかになったことを受けて実態を調べている第三者委員会の調査結果を待つ必要があるとして、ことし９月までの中間決算の発表を、法律に基づく期限の今月１４日までに行うことができなくなったと発表しました。これを受けて東京証券取引所は、オリンパスの株式について、今後も決算が発表できなければ上場廃止になるおそれがあるとして「監理銘柄」に指定し、投資家に注意を呼びかける方針です。監理銘柄に指定されたあと、オリンパスが、来月１４日までに中間決算を発表すれば、監理銘柄の指定は解かれますが、それまでに決算発表ができなければ、オリンパスの株式は上場廃止が決まります。

巨額の損失隠しが発覚したオリンパスの株式には、１０日も売り注文が殺到して売買が成立しない状態が続きました。株価は、結局、１日の値下がりの限度となるストップ安の水準まで値下がりして、この日の取り引きを終えました。オリンパスの株価がストップ安となるのは３日連続で、１０日の終値は、前日より１００円安い４８４円でした。この結果、オリンパスの株価と株式数をかけあわせた企業価値の目安となる「時価総額」はおよそ１３００億円となり、ひとつき足らずで５分の１に減りました。市場関係者は「オリンパスが法律の期限の今月１４日までに今年度の中間決算を発表できるかどうかが注目されている」と話しています。

トヨタ自動車は９日、タイの洪水の影響で北米の工場で続けていた生産調整について、不足していた部品の調達のめどが、当面、立ったとして、来週は生産体制を通常に戻すと発表しました。

１０日の東京株式市場は、イタリアなどヨーロッパの信用不安が深刻化することへの懸念から９日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価が一時、４００ドル以上下落したことなどを受け、株価は全面安の展開となっています。市場関係者は「イタリアの国債価格が急落し、１０年ものの国債の利回りが危険水域とされる７％台半ばまで上昇したことなどでヨーロッパの信用不安が拡大するのではないかという懸念が改めて高まり、売り注文が集まっている」と話しています。一方、巨額の損失隠しが発覚し、東京株式市場で株価が２日続けてストップ安の水準まで下落したオリンパスは、１０日も取り引き開始直後から売り注文が殺到して、取り引きが成立しない状況となっています。

９日のニューヨーク株式市場は信用不安の拡大が懸念されているイタリアの国債価格が急落したことを受けて全面安の展開となり、ダウ平均株価は一時、４００ドル以上値下がりしています。