ヨーロッパの信用不安が一段と深刻化するなか、ＥＵ＝ヨーロッパ連合は、８日、首脳会議を開き、ユーロ加盟国の財政面での統合に向けて、財政規律を強化するための新たなルール作りなどについて詰めの協議を進めています。

枝野経済産業大臣は、閣議のあとの記者会見で、福島第一原子力発電所の事故で厳しい経営状態に陥っている東京電力の経営の立て直しについて、政府としてあらゆる可能性を念頭に検討していると述べる一方で、公的資金の投入による資本増強については「調整に入ったという事実はない」と述べました。

ヨーロッパの信用不安を抑えるため、ヨーロッパ中央銀行が市場で値下がりしている国債をより積極的に買い支えるのではないかという観測が広がっていることについて、ドラギ総裁は８日の記者会見で、買い取り策の強化について踏み込んだ発言は避けました。

ヨーロッパの信用不安が一段と深刻化するなか、ＥＵ＝ヨーロッパ連合は８日、首脳会議を開き、加盟国の将来の財政政策の統合を目指して財政規律の強化を義務づける条約の改正など、市場の信頼の回復に向けた抜本的な対策について協議を開始しました。

ヨーロッパの信用不安に伴う株式市場の混乱で年金などの資産運用の環境が厳しくなるなか、「三菱ＵＦＪ信託銀行」は、安定した経済成長を続けるオーストラリアの資産運用会社に資本参加し、運用の体制を強化することになりました。

政府は、９日、来年度の税制改正大綱を閣議決定する予定で、廃止するかどうかでいまだ結論の出ていない「自動車取得税」と「自動車重量税」の扱いについて、大詰めの調整を行うことにしています。

福島第一原子力発電所の事故で厳しい経営状態に陥っている東京電力は、財務状況の著しい悪化で金融機関からの新規の借り入れが難しい状況になっているため、政府などの出資で設立した原子力損害賠償支援機構に融資を要請していることが明らかになりました。

ヨーロッパの信用不安が実体経済にも影響を広げるなか、ヨーロッパ中央銀行は８日、当面の金融政策を決める理事会を開き、景気の下支えを図るため、先月に続いて政策金利を０．２５％引き下げることを決めました。

政府・民主党は、来年度の税制改正で焦点となっている「自動車取得税」などを廃止するかどうかについて、８日夜、協議しましたが、結論は出ず、９日の税制改正大綱の決定に向け、大詰めの調整が行われることになりました。

宮城県は、震災で大きな被害を受けた水産業の復興のため、県内１４２の漁港のうち、４割に当たる６０の漁港の復旧を進める一方、残りの８２については、復旧する漁港に機能を集約する「漁港再編」の具体的な方針を決めました。漁業者からは、復興のため受け入れざるを得ないという意見の一方で、水揚げなどでは集約先の利用を促すことから、漁業をあきらめる人がでないよう対策を求める声も聞かれました。