安住財務大臣は、来年度予算案で、歳入全体のうち借金に当たる国債が占める割合が過去最悪の４９％になったことに関連して、「国債への依存はそろそろ限界にきている」と述べ、消費税率の引き上げなど、国の税収構造を抜本的に見直すべきだという考えを強調しました。

農林水産省は、原発事故のあと全面的に中断している中国へのコメなどの農産物の輸出再開に向けて、２５日からの野田総理大臣の中国訪問に合わせ、輸入規制の緩和について中国側と本格的に協議を始める方針を固めました。

政府は、一般会計の総額で９０兆３３３９億円となる来年度予算案を２４日の臨時閣議で正式に決定します。一般会計では６年ぶりに前の年度を下回りますが、歳入は３年続けて借金が税収を上回るなど、一段と深刻になる国の財政事情を反映したものとなります。

福島第一原子力発電所の事故で、国の審査会が、自主避難をした人なども賠償の対象にする指針をまとめたことを受け、東京電力は、賠償費用が上積みされるとして、原子力損害賠償支援機構に６０００億円程度の追加の資金援助を求める方向で調整に入りました。

先月の全国のスーパーの売り上げは、平年より気温が高い日が多く、鍋物に使う食料品や冬物の衣料品などの売れ行きが振るわなかったことから、４か月連続で前の年の同じ月を下回りました。

トヨタ自動車は、歴史的な円高が続くなか、新興国を中心に海外で生産する体制を一層強化することで、２年後の２０１３年度に世界全体の生産台数が初めて９００万台を超える計画をまとめたことが明らかになりました。

大手自動車メーカーのホンダは、記録的な円高で日本からの輸出の採算が悪化するなか、カナダで販売している主力の小型車を日本製から中国製に切り替えることを決めました。中国で製造された自動車が北米で販売されるのは初めてです。

政府は、２２日の閣議で、東日本大震災の復興需要が見込まれることなどから、来年度の経済成長率の見通しを物価の変動を除いた実質で２．２％程度、物価を反映させた名目で２．０％程度のプラス成長とすることを決めました。

東京電力の西澤俊夫社長は、家庭向けの電気料金の値上げを申請したいという方針について「事業者としての権利でも義務でもある。経営が成り立たない状況に陥ることが見通せるときに何もしないのは株主代表訴訟の対象にもなるので、しっかり対応しないといけない」と述べ、東京電力の経営陣としては当然の対応だという考えを示しました。一方、政府との間で検討に入った１兆円規模の公的資金の投入について、西澤社長は「経営破綻を避ける意味では一般的に選択肢にあると思っているが、現時点では公的資金の受け入れについては判断していない」と述べるにとどまりました。

東京電力の西澤俊夫社長は、２２日午前、記者会見し、原子力発電所の停止に伴う火力発電の燃料費の負担が増加して経営を圧迫していることを理由に契約電力が５０キロワット以上の企業向けの電気料金を来年４月以降、値上げすることを発表しました。また、家庭向けなどの料金についても来年の春以降、できるだけ早い時期に値上げを国に申請する考えを明らかにしました。