外国為替市場で１ユーロ＝１００円を一時突破しましたが、この円高ユーロ安が続けばヨーロッパから輸入するブランド品や食料品などが安くなる可能性がある一方、ヨーロッパ向けに輸出が多い産業では収益の悪化が懸念されます。

３０日のロンドン外国為替市場は、ヨーロッパの信用不安への懸念を背景にユーロを売って円を買う動きが強まり、円相場は、１０年６か月ぶりに、一時、１ユーロ＝１００円を突破し、９９円台まで値上がりしました。

東京証券取引所で売買されたことし１年間の株式の代金は、ヨーロッパの信用不安の拡大で投資家が慎重な姿勢を強めたため、合わせて３４１兆円余りにとどまり、７年ぶりの低い水準となりました。

ことし最後の取り引きとなる３０日の東京外国為替市場は、一時加速したユーロ売りの動きはいったん収まっていますが、円相場は引き続き１ユーロ１００円台半ばの円高水準で取り引きされています。外国為替市場では、ヨーロッパの信用不安からユーロを売って円を買う動きが加速し、２９日の海外市場では、一時、１ユーロ＝１００円６銭と１００円突破寸前まで円高ユーロ安が進みました。市場関係者は「２９日に実施されたイタリア国債の入札が一応無難に終わったとの受け止めからユーロ買い戻しの動きが出ているが、信用不安への警戒感は引き続き強い」と話しています。

政府は、公共インフラの整備を国と民間の金融機関などが共同で行う官民ファンドを設立して、東日本大震災で被災した施設など公共インフラの運営を支援することになり、必要な法案を年明けの通常国会に提出することにしています。

２９日のロンドン外国為替市場は、ヨーロッパの信用不安への懸念を背景に、ユーロを売って円を買う動きが強まり、円相場は１ユーロ＝１００円台前半と、１０年６か月ぶりの円高ユーロ安水準で取り引きされています。

ヨーロッパの信用不安の影響がアジアに拡大するのを防ぐため、ＡＳＥＡＮ＝東南アジア諸国連合に日本、中国、韓国を加えた１３か国の外貨準備を活用した新たな融資制度の創設を、政府が検討していることが明らかになりました。背景には、アジア経済の安定に向け、日本が主導的な役割を果たしていこうというねらいがあるものとみられます。

歴史的な円高への対応など、中小企業の経営課題が多様化していることを受けて、中小企業庁は、これまで商工会議所などを中心に行われてきた中小企業向けの支援に、地域金融機関や大学などの参加を促す新たな制度を設ける方針を固めました。

経営破綻した消費者金融の「武富士」は、当初のスポンサーだった韓国の消費者金融会社から支援を受けることができなくなったことから、日本で消費者金融事業を手がける金融グループから支援を受けて、経営の立て直しや過払い金の返還を進めていくことになりました。

東日本大震災や原発事故で被害を受けた中小企業などに十分な融資を行うことができるよう、金融庁は、福島県の２つの信用組合に公的資金などを活用して総額３６０億円の資本増強を行うことを正式に発表しました。