５日開かれる経団連の総会で、２期目がスタートする米倉会長は、４日、報道各社のインタビューに応じ、消費税率の引き上げを含む社会保障と税の一体改革の実現などの重要課題の解決に向けて、政府に対する働きかけを強める考えを強調しました。

週明けの東京外国為替市場は、アメリカ経済の先行きに対する懸念からドルを売って円を買う動きが強まり、円相場は１ドル＝７８円台の円高水準で取り引きされました。

野田第２次内閣改造について、経団連の米倉会長は、４日、記者団に対して、「日本の財政健全化は待ったなしの状況で、政府が財政健全化に向けた努力をしているというシグナルを出さないと、国際的に日本の信用は大丈夫なのかという評価が下されてしまう。そういう意味で、社会保障と税の一体改革などの懸案に取り組む環境を整備するため、内閣改造に踏み切った野田総理大臣のぶれない姿勢を高く評価している」と述べました。そのうえで、米倉会長は「自民党もきちんと野田総理大臣の思いに真摯（しんし）に応えて、重要な政策課題について真っ向から協議をしてほしい」と述べました。

東京電力は、経営改善策を盛り込んだ総合特別事業計画の中の企業年金の減額について、退職者の３分の２以上の同意が得られたとして、ことし１０月から実施したいとしています。

週明けの東京株式市場は、ヨーロッパの信用不安の拡大への懸念や、アメリカ経済の先行きへの警戒感が強まって幅広い銘柄に売り注文が出て、日経平均株価の終値はことしの最安値を更新したほか、東証株価指数＝トピックスはバブル経済崩壊後の最安値を下回りました。

４日のアジア各国の株式市場は、ヨーロッパの信用不安の拡大などへの懸念から下落した東京株式市場の流れを受けて売り注文が多く、株価は軒並み下落しています。

アメリカの景気の先行きへの懸念やヨーロッパの信用不安などから株安や円高が進むなか、４日の東京市場では、安全な資産として日本の国債に資金が集まり、長期金利の代表的な指標となっている国債の利回りは０．７９％まで低下し、およそ９年ぶりの低い水準となりました。

週明けのシドニー外国為替市場は、先週末、アメリカ経済への懸念が強まったことから、一時、７７円台後半まで値上がりしたことから、一段の円高が懸念されましたが、政府・日銀による市場介入に対する警戒感が強く円相場は、７８円台前半の小幅な値動きとなっています。

先週末に発表されたアメリカの雇用統計の内容が市場の予想を大幅に下回り、ニューヨーク市場で株価が急落したことを受け、週明けの東京の金融市場は、株価のさらなる下落や一段の円高が懸念されるなど、波乱含みのスタートとなりそうです。

去年１年間に神奈川県の箱根町を訪れた観光客は、東日本大震災と原発事故の影響で前の年からおよそ１２％減少して１７６７万人余りにとどまりました。