原発事故の賠償を進めるうえでも業績の回復が課題となっている東京電力は、コスト削減などの効果で、今年度１年間の最終損益の赤字額が、これまでの見込みより１１００億円余り縮小するという見通しを発表しました。

東北電力の海輪誠社長は３１日、原子力発電所の運転停止に伴う火力発電の燃料費の負担などで財務体質が悪化しているとして、このままの状況が続けば電気料金の値上げも選択肢の１つになるという考えを示しました。

全日空は、日中関係の悪化で中国路線の利用者が減っていることなどから、今年度１年間の売り上げの見通しを下方修正しました。

大手電機メーカーのことし４月から９月までの半年間の決算は、「パナソニック」が携帯電話事業などの不振で６８００億円余りの巨額の赤字となったほか、中国をはじめ海外経済の減速の影響で、６社中４社で最終的な損益が悪化しました。

東京証券取引所に上場する企業のことし９月の中間決算の発表が、３１日、ピークを迎えました。中国経済の減速などの影響で、今年度の業績の見通しを下方修正する企業が全体のおよそ２８％に上るなど、先行きを厳しくみる企業が増えています。

大手電機メーカーのパナソニックは、携帯電話や太陽電池事業などの不振に伴う特別損失を計上したことなどから、９月までの中間期の決算で最終損益が当初の黒字予想から一転して６８５１億円の赤字になりました。また、来年３月までの１年間の最終損益についても、７６５０億円の赤字になるという見通しを発表しました。パナソニックは、業績の不振が続いたテレビ事業などのリストラで経費を削減し、ことし６月までの３か月間の決算で１年半ぶりに最終損益を黒字に転換しましたが、再び赤字に転落したことになります。

テレビやスマートフォンなどに使われる、薄型パネルの最新の技術を紹介する展示会が３１日から横浜市で始まり、海外勢との厳しい競争を続ける日本のメーカー各社が新製品などを展示しています。

イギリスで原子力発電所の建設を計画する発電会社を買収することを決めた大手電機メーカーの「日立製作所」はロンドンで記者会見し、イギリスなどの関連メーカーとも提携して原発事業に取り組む方針を強調しました。

政府・日銀は、３０日に開いた金融政策決定会合にあわせて「一体となって早期のデフレ脱却に最大限の努力を払う」ことなどを盛り込んだ、異例の共同文書を公表しました。その背景には、再来年４月からの消費税率の引き上げを控え、経済環境を整えるため、あらゆる対応をとる姿勢を内外に示すべきだという、政府側の思惑があったものとみられます。

「三菱自動車工業」は日中関係の悪化を受けて、今年度の中国での販売計画を４０％余り引き下げた一方、東南アジアでの好調な販売で、減少分を補えるという見通しを明らかにしました。